劇場公開日 2019年2月22日

  • 予告編を見る

「原作に愛ある実写化」翔んで埼玉 しずるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5原作に愛ある実写化

2019年2月27日
Androidアプリから投稿

笑える

百美が女性でキャスティングと聞いた時には、そこを改変しちゃったら、魔夜峰央の作家性から否定されるようでリスペクトも何もないじゃねーか…!とモヤモヤしてたんですが、ちゃんと美少年の設定になっててホッとしました。
千葉との決戦前の、デュークの部下の唐突なキスシーンとか、振り切ったバカギャグに律儀にツッコミの叫びをあげる百美など、原作にない部分なのに大変魔夜峰央っぽい所は驚き。
かつての花とゆめ読者としては、魔夜作品の毒や耽美さ美少年愛を、一般向け全国公開作品だからと取り除かず、キチンと残してくれた事が嬉しかったのです。
主演陣の演技力と非日常的漫画世界の再現度にも感服。

予備知識では、現代のファミリーパートと過去パートとの2部構成と聞いて、よく解らんアレンジをするなぁと思っていましたが、カーステレオから流れる都市伝説という設定にする事で、disりの生々しさを軽減し、フィクションでありネタである事を強調したという手法に感心。デリケートでさじ加減の難しい内容ですものね。
原作の未完部分を補完して、一映画作品としてキレイに纏めた所はお見事と思いますが、個人的には、郷土愛や多様性の大切さなどのメッセージ性はあまり深刻に受け取らず、地元民だけが解るローカルネタにほくそ笑みつつ、クソ真面目に繰り広げられるバカ騒ぎを笑い飛ばすのが正解かと思います。
disりや弄りを真剣に不愉快に受け止めてしまいそうな人にはお勧めしません。
同性愛や軽い下ネタが地雷になりそうな人も要注意。
関東圏の地理地名ローカルネタの解らない地方勢が見ても面白いのかは謎…。

コメントする
しずる