劇場公開日 2019年3月22日

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「偏見か慣習か」ビリーブ 未来への大逆転 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5偏見か慣習か

2019年3月23日
iPhoneアプリから投稿

アメリカで、1970年代まで、男女を差別する法律や判例が200近くもあったとは、驚かされた。
グリーンブックは、60年代の話だったはずだから、やむを得ないかと思いつつも、アメリカは、第二次世界大戦後の日本を民主化するにあたって、男女は平等だと強く説いた国だったはずだ。
日本は、後に雇用機会均等法もあって、雰囲気男女平等なのだが、慣習的に男女差別は今でも社会に根強く残っていて、国会議員や地方議員の軽口や馬鹿げた発言を聞いていたら、それは一目瞭然だ。
だが、アメリカのケースを考えると、日本と若干異なって、慣習というより偏見が、昔々に法律にまでなっていて、判例もそれに倣っていたのかなと。
基本的に人種差別が行われていた国だから、そう思ったのだが、そんな状況で、更に女が法廷で闘うだみたいな偏見も加わって、よく挑み続けたものだと、少し胸が熱くなった。
だが、同時に、これを経て、徐々にでも状況を変えていくアメリカにも実は感心した。決して、理想のために闘う人を排除しないというところにだ。
80年代、僕の通っていた法学部法律学科は、80から90%が男性で、ゼミも大学の意向で、女性の割合は学部の男女割合に沿うようにしてと大学側から言われていたそうだ。
しかし、ゼミの先生は、女性の方が真面目で勉強ができるものだから、女性の割合を若干でも多くするようにして、ゼミのクオリティを出来るだけ高く維持し、男性はダメだなと何度も言われていたことを思い出してしまった。
長年働いてきて、僕が一番尊敬するのは、アメリカのある会社の女性のCEOだ。残念ながら、若くして病気で亡くなってしまっているが、合理性とパッションを大事にする人だった。
大きな大きな日本の会社の役員と面談しても実は謙虚で忍耐強い人だった。相手が、あからさまにちぇっ女かみたいな態度でもだ。その大きな大きな日本の会社は、凋落著しい。
LGBTも叫ばれる時代だ。
差別が、なぜ生まれるのか、慣習だろうか、偏見だろうか。実は、僕はどちらでも構わなくて、ただ、人間同士でアイデアを出し、より良い方向へ向かいたいと願っている。
分子生物学者の福岡伸一さんが、生命だけがエントロピーの大原則に抗っていると言っていた。
であれば、僕たちの生きる社会も、合理性に従って整理整理整頓されたルールの下でやっていけるハズじゃないだろうか。

ワンコ
ワンコさんのコメント
2020年9月21日

こんばんはー、
ご無沙汰です。
ハンドルネーム、変えられたんですね。
コメントもクローズされてるし、本当に、酷い目に会いましたよね。
映画の.comは、なんらかの対抗措置を講じたんでしょうか?
TENET、何気に思考に大胆チャレンジの映画だと思いました‼️

ワンコ
グレシャムの法則さんのコメント
2020年9月21日

偶然ですが、TENET鑑賞直後に、このレビューのエントロピーという言葉に気が付きました。意外と本質的などこかで繋がるかも…
TENETもう一度観てきます。

グレシャムの法則