「ジュディに限らず、こういう現実がよく あるのだろうと思った」ジュディ 虹の彼方に Teiranさんの映画レビュー(感想・評価)
ジュディに限らず、こういう現実がよく あるのだろうと思った
どう見ても65歳位に見える老けメイクで
47歳の役は疑問に思えたが、
映画「オズの魔法使い」のドロシーが長じた
ジュディ・ガーランド役を演じた
レニー・ゼルウィガーの迫真の演技が素晴らしい
子供時代のジュディを演じた子役など
他の俳優陣もキャスト、演技共にハマっていて
脚本も良く、見ごたえのある作品に仕上がっている
*****
子供の頃から仕事漬けで、眠りたくても
ゆっくり寝る事も
食べたいものを食べる事も、遊びたくても許されず
芸をする獣を調教するように育てられたら、
性格が歪になるだろう
解説ではジュディは「奔放で愛すべき女性」と
書かれているけれど
私には「気まぐれで痛々しく精神不安定な女性」
に思えた
一部の男性側からすると、ある種の魅力に
思えるのかもしれない
しかし一時的なものではあると思う
(だから4度も離婚したのだろう)
ゲイのファンたちを食事に誘って
気まずい雰囲気になる所が妙にリアル
ファンとは距離を置いた方がいいのかな
こういう仕事の人は
でも、スターの現実に失望した後でも
ファンはラストのショーにはちゃんと来るんだな
ショーでジュディが歌う場面は華があって
迫力があった
気にかけていた子供たちは、金銭的にも精神的にも
安定した元夫との生活を望み、離れてしまう
エンタテイメント王国アメリカの
ショー・ビジネスの華やかな舞台の裏には
ジュディに限らず、こういう現実がよく
あるのだろうと思った
ラストの
「人間の心で一番大切なのは
どれだけ愛したかよりも
どれだけ愛されたか である」
という言葉は、
普通の人々の間では逆ではないかと思った
ショー・ビジネスの世界では、
それが正しいのかもしれない
哀しい現実を抱えているからこそ
綺麗な華が咲くのだろう