「#metooムーブメント、LGBTQ+といった「今」を反映」ジュディ 虹の彼方に regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
#metooムーブメント、LGBTQ+といった「今」を反映
まずはレネー・ゼルウィガー演じるジュディ・ガーランドの、時おり怖さを醸し出す表情のインパクトたるや。とても47歳とは思えないほどの老けぶりに驚く。あれでも晩年の本人に似せたメイクらしいが、ちょっと『愛と憎しみの伝説』でフェイ・ダナウェイが演じたジョーン・クロフォードを連想。
逆に言えば、それだけジュディ本人の人生が過酷だった事を意味するわけだが、本作も終始彼女の苦悩にクローズアップした作りで、観ているこちらも辛くなる。
ジュディ本人を知らなくても、どこかで聴いた事のある曲をレネー本人が完コピしているあたり、さすがオスカーを獲得するだけある。もっとも、演技に熱を込め過ぎた反動からか、ドラマ要素が希薄に感じなくもないが。
同性愛者が犯罪者もしくは病気と見なされていた時代を反映しつつ、映画会社のトップからのセクハラ紛いの行為も盛り込んだあたり、#metooムーブメントやLGBTQ+が巷で叫ばれるようになった今だからこそ作られた映画、という印象。
ジュディの代表曲が「虹の彼方に」で、LGBTQ+のシンボルが「レインボー」なのは、決して偶然ではない。
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