「最&高」ジュディ 虹の彼方に ねこさんの映画レビュー(感想・評価)
最&高
実在の人物の伝記物としても音楽的作品としても、成功している。
レネーゼルウィガーのスイートボイスも歌唱力も抜群で、物悲しいスターの晩年を見事に演じ切った。
雑感は、スターって大変なんだな。
幼い頃からショウビズ界で働き詰めでそういう時代だったのか薬漬け。繰り返す結婚と離婚。ハリウッドがもっとも華やかなりし大作が産み出された時代の闇をみた。
ジュディガーランドが性的マイノリティに理解を示していたあの時代の数少ないスターだったことから、あの有名すぎる曲「over the rainbow」が現代のLGBTQのシンボルたるレインボーフラッグ🏳️🌈に繋がったのだと知らなかったので深く感じ入った。
「トロリーソング」はジュディガーランドの歌に当て振りかな?と観ていて思ったぐらい完璧すぎたが、なんと全曲レネーが歌っているとのこと。
途中ステージで、「ここはシカゴ?」というセリフがあったのだが、あれはレネーがシカゴのロキシーを演っていたメタ的発言なのだろうか?たまたま?
ラスト、「私を忘れないでね」のセリフには、製作陣のジュディへの愛を感じて泣けてしまった。
ドリームガールズやシカゴのようなド派手作品やマンマミーヤやヘアスプレーのようなどこまでもアッパーな明るい作風のミュージカルもそれはそれでよいのだが、ちょっと陰を感じるマリオンコティアールが演じたエディットピアフのような歌曲映画は主演女優の憑依的演技と歌唱力にぐいぐい引き込まれる。ビョークはいわずもがなだ。
いまだにブリジットジョーンズや夢みがちなウェイトレス役も強く印象に残るレネーだが、コールドマウンテンから暫くしたら顔貌が一変していて、このままメグライアン風味になっていくのかと思ったが、この作品は彼女の輝かしいキャリアの中でも最高峰に位置すると思う。
やっぱりレネー大好きだ。