「哀しみ」ジュディ 虹の彼方に ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
哀しみ
レニー・ゼルウィガーがアカデミー賞主演女優賞を獲ったので、劇場まで足を運びました。それまでジュディ・ガーランドの事はオズの魔法使いの写真をみたことがある程度でほとんど知りませんでしたが、子供の頃から薬物やペドフィリアへの枕営業までさせられていたとは、恐ろしさに絶句しました。マイケル・ジャクソンと被ったりして。もうちょっとそのあたりを切り込んでも良かったのでは?と思いますが、今でもきっといろいろな圧力があって難しいのでしょう。人間の醜い部分ばかり見てきたから、彼女が薬物やアルコールに依存し続けてきた理由も理解できるし、ジュディの様に金儲けの犠牲になった歌手や俳優は沢山いるのだと想像します。
レニー・ゼルウィガーの演技も歌も迫力があって、圧倒されました。時空を超えてショービジネス界に生きるふたりの孤独な女性がシンクロしてみえたのは、レニーも哀しみを背負っているからなんですよね。心に残る作品は、俳優が演技技術だけではない何かで観客の感情を揺さぶるのだと思います。私も作品からふたりの哀しみを受け取りたいから劇場に来たのだと思いました。
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