「ここにもJの悲劇」ジュディ 虹の彼方に 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)
ここにもJの悲劇
ジュディ・ガーランドに、そんな思い入れは正直ない。
オズの魔法使いくらいしか知らない。
なのでノーマークではあったけれど、主演女優賞獲ったとあれば、
そりゃーもう良い画質、良い音質で見ておきたいでしょw
ということで、悲劇のシンガー、ジュディ・ガーランドもまた、
「Jの悲劇」の一人なのだなぁと思いながら見ました。
レネー・ゼルウィガーがとにかく本人かと何度も見間違うくらいに、
迫力ある熱演と熱唱をするので、
なんでそんなにあんたはメンヘラちゃんなんだよ!!
あの時、太ったおじさんが言った「あの扉」を開けたなら、
今頃フツーのおばさんで、子供や孫に囲まれて幸せだったろうにと思っても、
そこは、この才能を持って生まれた人間のサダメ。
もう、痛いし苦しけど私たちは、見守ることしかできない。
まるで一番近しい友達なのに、なんにもしてあげられなかった虚無感が、
私たちに深く残る作品でした。
レネー本人が希望したのか、それとも偶然か、
劇中出てきたゲイの話は、本当に耳を疑ったし、
この人たちがいたから今があるんだと実感もした。
本当に私たちは、多くの犠牲の上に立っている。
夢をかなえることが決していいことではない。
希望を持つことが、大切なのだ。
47歳で、たったひとりで亡くなったジュディ。
彼女が犠牲にしたものに感謝して、
フツーの幸せを噛み締めます。
コメントする