ゴールデン・リバーのレビュー・感想・評価
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何処まで行っても辿り着けないのは仕方ないことなのだろう。
兄弟で殺し屋をしている。
そんな設定で始まるこの映画は、荒野の暗闇から脱け出したいけれど、どう足掻いても抜け出せない者たちへの鎮魂歌のようだった。黄金が唯一脱出の手立てだった筈なのに…ちょっとした欲深さが失敗を招くことになってしまう。自然の摂理に従い、いま必要な量だけを手にし、明日は明日。明日のことは明日考えればいい。それだけの筈。そうは問屋が卸してはくれない。人の絆さえも薄れさせてしまう。どうしようもない生き物。それが人間。でも、そんな人間を愛するしかないのだろう。
感動の名作西部劇
久しぶりの本格西部劇の名作の誕生です。
女っ気なしの男臭い話しですがとても楽しめました。
登場人物達のキャラクターが皆個性的で味があり、ラストまで目が離せませんでした。
お金を払って見る価値がある映画でした。
ドローンと西部劇
いい映画みました。みなさん書いてあるように邦題がズレてますね。そもそもゴールデンリバーって意味が違うんじゃないですかね。ドローンでとった荒野が綺麗でした。西部劇とドローンの相性の良さは意外な発見かも。
ドタバタ4人組の可笑しく悲しい冒険物語
闇夜の銃撃戦で幕を開ける。
乾いた発砲音、赤く飛び散る火花、「ディーパンの闘い」のリアルな銃撃戦を思いださせ、期待が増す。
シスターズ兄弟は名うての殺し屋。
兄イーライ役のジョン・C・ライリーが原作の映画化権を持っていて、兄弟のどちらかを演じることを条件としたらしい。
「シカゴ」での芸達者ぶりが印象的だった人気バイプレイヤーだが、今回は主演。
最近では「キングコング 髑髏島の巨神」で良い仕事をしていた。
弟チャーリー役のホアキン・フェニックスとは似ても似つかない兄弟。
ま、ホアキンは実の兄リヴァー・フェニックスとも似ても似つかないが。
二人のキャスティングに合わせて、兄弟の設定を若干変えている。
躊躇せず相手を撃ち殺す非情さの裏に、実は心優しさを秘めている兄イーライ。
かつてショールをくれた憧れの女教師への想いを募らせていて、娼婦にその役を演じさせる場面は、滑稽で切ない。
酒好き女好きで粗暴な弟チャーリーは、実は提督を転覆させる野望を持っていたりする。
殺し屋稼業をやめようなどとは思ってもいない。
自分が兄をコントロールできると思い込んでいるところが、愚かだ。
つまりこの兄弟、どちらも頭が切れるどころか少しずつ足りないから面白い。
先乗りしてターゲットに近づき、殺し屋を誘導する案内人モリス役に、ジェイク・ギレンホール。
「ノクターナル・アニマルズ」での、元妻に回りくどい復讐を試みる作家役が良かった。
どちらかというと、ホアキン・フェニックスとジェイク・ギレンホールが兄弟と言われた方が違和感ないかも。
手記だか日記だかをつけている。
手紙しか通信手段がない時代、移動先ごとに殺し屋兄弟への手紙を残して、次の行動を指示する。
これを、モリスの寝返りの誤魔化しと発覚のサスペンスを演出するキーアイテムにしているところが絶妙。
ターゲットは、化学者(?)のワームという男で、リズ・アーメッドが演じている。
この人の本職はラッパー?
最近いくつかの映画に出演していらっしゃる…
このワームが理想の民主主義を語り、モリスが感化されていくあたりを映画では強調して描いているが、結局二人が命を落とすに至って、無念さを感じさせるのに良い演出になっている。
兄弟が提督が放つ追手から逃げるサイレントのスラップスティックは、スピルバーグっぽい演出で面白かった。
障害物のない荒野を馬で逃げながら、後ろの追手と撃ち合っているのなんて、何で追う側のタマは当たらないんだ?…なんて。
ワームが開発した薬品が何なのか知らないが、あれで金を短期間で大量に採取すると、環境汚染も甚だしいことになるのでは?
ゴールドラッシュで集まった人々は、恐らく少し下流にいて、川を生活の中心にしているだろう。
いくら塞き止めたとしても、下流の人々に影響しないとは思えない。
ガンファイトはいくつか描かれているが、この西部劇は最強の敵との対決が待っている類いの映画ではない。
ヤンチャが過ぎてボロボロになった兄弟が、母親のもとに戻って安息を取り戻すまでのオハナシ。
家の中をカメラが360°パンする演出が素晴らしい。
あ、ルトガー・ハウアーだったのか、あの人!!!
良い映画
西部劇映画です。
ガンアクションもありますし、金を掘り当てて…みたいなストーリーで、派手なメリハリのある物語かなと思っていたんですが、期待していたのとちょっと違ってかなり地味です(笑)
正にアメリカの開拓時代のお話で、成功を夢見てヨーロッパ大陸からからやって来た人々の、無知、野蛮、愚かさ、欲深さなど、洗練された生活や人生などから程遠い生き方を淡々と描きます。
また、我こそはとのし上がろうとする人々だけでなく、力こそ正義の時代から、理性を働かせてもっと平和で理想的な社会を模索する人々の姿も描きます。
*この邦題と予告編は、観る側の期待を裏切るようなタイトルと内容でした。つまり、ゴールドラッシュの時代、一攫千金を夢見た4人が目先の欲に負けて、仲間割れを起こし、ドンパチした挙句…云々の様な、スリリングなストーリーを予感させるものでしたが、全く違います(笑)
*原題は、"The Sisters Brothers"。Sistersは姓です。
期待してたんだけどねぇ
ホアキン・フェニックスとジェイク・ギレンホールというだけでかなり期待していたのですが、、、
残念ながら期待はずれというか、はっきり言って退屈でした。
多分、半年後には記憶から消えてしまっているであろうくらい心に響かなかった作品でした。
期待してたんだけどなぁ、、、
う~ん
殺し屋でも感情的におもむくままに行動する者
仕事として殺しはするものの、心優しき者がいる
兄が引退を考えるも、兄弟の強い絆で最後の目的、提督を消そうとするが
殺し屋も人間
子供時代があり、親がいて、最後は人として穏やかに暮らしていくのだろう
それにしても邦題には う~ん😑
気持ちの落ち着く場所
米大陸のフロンティアが西海岸に達し、新たに太平洋にフロンティアを求め、アメリカが本格的に海洋進出を始める少し前ぐらいに、トラウマを抱えた兄弟が、安住の地に辿り着くまでの物語だ。
昔観た真昼の決闘や、シェーン、荒野の七人などと違って、勧善懲悪感や、派手さ・・・というよりカッコよさは全くない。ただ、大陸横断鉄道が完成する前でさえ、ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコは、これほど発展していたのかと驚かされるし、そんななか、旧態然とした感じのシスターズ兄弟が見せるお互いの、更に、モリスやワームとの心の交流、葛藤、そして微妙な気持ちの変化などがよく表現されていて、人間物語としての面白さを感じさせる。
迫る追っ手を振り払いながら、シスターズ兄弟は最後に母のもとに戻るが、片腕をなくしたチャーリーに母親が、何か無くなっているみたいだけど・・・と投げかける言葉に、何があってもおかしくない時代、生きていて良かったという親の子に対する優しさを感じる。
また、ベッドに横たわるイーライの穏やかな表情には、どんな時代にあっても、人には変わらないものがあると感じて何かほっとさせられる。
現代の争いを後押しするよな発言が飛び交う世の中にあって、こんな時代でも…、そして、こうしたトラウマを抱えた兄弟でも、穏やかな生活を求めるのだとのメッセージも含まれているような気がした。
個人的には、リバー・フェニックスの弟のホアキン・フェニックスの演技が、ジョン・ライリーの演技を際立たせていて、さすがという感じ。
平凡ないい映画
君と歩く世界の監督かーと後から納得しました。ホアキンフェニックスとジョンCライリーでハッピーエンドなんだという違和感がありましたので。この癖のある二人を使いこなして一流の映画にできるのはPTAくらいですかね。ちょっと役者がもったいなかったかな。
タイトル
初対面の映画で一番大切なのってタイトルだと思うんだけど
これ、邦題なんですね?
だったら「黄金の川」とかでよくない?邦題で英語にするのって輪をかけて残念にしてるという感覚、シスターブラザーズのまんまで良いのに…
タイトルはさておき、
面白い。殺し屋兄弟のキャラクターも、目的も、それぞれの思いも。
弟ー!もー!!弟ー!!
と、なる笑
ミステリーではなく、人間ドラマです。
本作品、ミステリーと言う事でしたが、ミステリーではなく、人間ドラマ、ロードムービー、西部劇と言うった所でしょうか、で、本作品のタイトル「ゴールデン・リバー」ですが、見終わって「あ、そう言う事か」と言う事で、邦題を感じる事が出来ますが、元々原作通り、「THE SISTERS BROTHERS」で良かったのではないのかな・・・・原作のタイトルのように、シスターズ兄弟のお話です。
評判が良かったので、見に行きましたが、出ている役者さんは十分に良かったものの、お話の内容と言うか、淡々と話が進むだけなので、俺的には、少しのりきれずに終わったかな・・・・・
後半から見応えは出てきますが、もう少しテンポがいいか、もう少しギュッとお話をしめてくれると良かったかもね。
しかし、シスターズ兄弟の人間模様と言うか、兄弟愛や家族愛などが結構色強く出来ていて、何度も考えさせられたな・・・・
歯磨き粉の粉で歯を磨くシーンなどは、何とも懐かしく感じました。
しかし、シスターズ兄弟は、本当に腕利きで、こういうのって、なんで、権力者の言う事なんできくのかな・・・・あれだけの腕なら自分達で牛耳る事も出来そうな感じだけど・・・・
しかし、俺だったら邦題ですが、「THE SISTERS BROTHERS ゴールドラッシュの悲劇」とか、そう言うタイトルで行きたいですね。
確かに、「ゴールデン・リバー」なんですが・・・・
味わい深いラストが好き
どうなんだろうなぁと思いつつもジェイク・ギレンホールが出演しているので、これは見ておく作品と勝手に位置づけて鑑賞。
予告編からサスペンスフルな要素を持った西部劇と読み取るのだけれど、クチコミではアレレ?なんか様子が違うぞ、ということで「アクションではなく兄弟のロードムービー」と切り替えて臨みました。
そのおかげか、それなりにガンアクションも見せてくれるし、ドラマとして、アクションとして、またちょっぴりコミカルでと、なかなかに堪能できました。音楽の使い方も好みです。
ギレンホールがいつもと様子の違う普通の役というところが拍子抜けだったけど、主演の兄弟を演じたジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスの、噛み合わせの妙を楽しめる演技がとても良い。これは期待を大きく上回るところ。
いろいろなことを考えさせられる内容ではあるけど、味わいのあるラストは本当に良かった。ゆっくりと魂を休ませてねと、ちょっぴりウルウル。
"化学式"
ホアキン・フェニックスとジェイク・ギレンホールを差し置いて主役に躍り出たジョン・C・ライリーのイメージは名脇役で良い意味での小物感、そんな彼に主演が務まるのか、そもそも主人公はジョン・C・ライリーありきで製作は進んでいたらしい。
鈍臭いのは見た目だけではなく行動を含めて頼りない雰囲気を醸し出しながらも、とにかく頗る強くて頼れる男でもあり兄としての威厳と優しさが。
クセのある脇役から主演の兄弟二人を食った演技に期待したジェイク・ギレンホールだが、さすがにジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスの存在感に敵わないのは仕方が無い。
付かず離れずなシスターズ兄弟の真逆過ぎる性格から繰り広げられる兄弟喧嘩が楽しくもあり、悲劇的な大惨事が起こりながらも映画自体は陽気な方向性を崩さない、ハリウッドで西部劇のジャンルをコメディ映画としても捉えられる作品として、監督のジャック・オーディアールが初めて尽を成功に導いた。
2019/07/11
TOHOシネマズ シャンテにて鑑賞。
2022/04/19
U-NEXTにて再鑑賞。
邦題に問題あり
ゴールドラッシュに沸く1851年、最強と呼ばれる殺し屋兄弟は、政府からの内密の依頼を受けて、黄金を探す化学式を発見したという化学者を追う作品。
原題の『The Sisters Brothers』で公開してくれれば、ロードムービーとして観に行ったものの、予告編・邦題からは金にまつわる争いを主題とした西部劇として鑑賞しにいってしまった。
全く趣旨の違う話の流れで期待外れであったが、ロードムービーとして鑑賞すれば、まあまあの作品だったかも?
邦題と予告が違うよね
邦題は原題のままの方が絶対良いし、予告で想像したのと違うストーリーでした
前半すごく長く感じました
かと言って全く面白くなかったわけではなく、俳優さんたちの演技がすごいからか良い作品に思えたり
お兄ちゃんの人間性が良いなぁと何回も思いました
全体的になんとなく肩透かしだったけど、あのラストは好きです
やはり兄弟は良いもの、親は有難いもの、実家は安全地帯なのです
完全に兄弟もの
このタイトルで西部劇っつったらゴールドラッシュドンパチものかと漠然と思ってたら、いや確かにドンパチはあるが兄弟ものであった。と思って原題を眺めるとそのままズバリ”The Sisters Brothers”じゃねえか!これだから邦題は...。
なんだか殺し屋には向いてなさそうなお兄ちゃんジョン・C・ライリー(でも凄腕)と破滅まっしぐら感の強いキレ気味の弟ホアキン・フェニックス(当然凄腕)が、ゴールドラッシュの鍵を握る化学者リズ・アーメッドと明らかに良いひとそう過ぎる連絡係ジェイク・ギレンホールを追っかけるのだが、この二組の対照性が面白い。いざこざだらけの兄弟(酔っ払いの弟と虫を食っちゃう兄)と、何やら知的ユートピア感満載のふたり。
やがて二組は邂逅して図らずも...みたいな展開なわけだが、ここからの展開がびっくりだ。というか流石に唐突展開過ぎてびっくりした。いや前半にいやに時間かけてるなあとは思ったが、リズ・アーメッドとジェイク・ギレンホールはあれで良いのか...?もっと描き込んでもよかったのでは...?という気持ちに少しなった。
しかししかし、これはやはり兄弟の物語。何があっても結局弟を捨てることなく引っ張る「兄」ジョン・C・ライリーに皆惚れるのでは。歯ブラシ買っちゃったりとか(ジェイク・ギレンホールと歯磨き鉢合わせするシーンは微笑んでしまった)、ショール大事に持ってたりとか、馬に対する態度とか。でも凄腕というね...。お兄ちゃん大勝利なのでは...。
そしてこの結末。びっくりするほど呆気ないといえば呆気なかったが...なるほどこれはあの兄弟にはありなのかもしれないな...とも。本当に前半の割に後半がすごくすっ飛んでるんですよ。黄金の話だと思っていくと「違うな...?」ってなるので気をつけましょう。かえすがえすも邦題...。
西部劇っぽくない
ゴールド・ラッシュに沸く1851年のオレゴンで、殺し屋の兄弟が主人公のサスペンスっていったら、どんないかにも西部劇な銃撃戦映画かと思いきや!
足を洗いたい兄と、粗暴で戦うしか能のない弟が、どう生きていくかっていう悩みに苦しむ話とは思わず。
原題どおり、「シスターズ兄弟」の方がしっくりくる内容でした。
「黄金の川」はなんだか的外れ。
「不条理な暴力・権力と戦う」という意味ではウェスタンですが、定型の「インディアンや無法者と戦うドンパチ」な西部劇ではない感じ。
渋い名優4人の、奇妙な友情と破滅の姿が、かっこよかった。
あと、蜘蛛かわいいよ、蜘蛛。
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