「LAという街そのものが主役?」アンダー・ザ・シルバーレイク つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
LAという街そのものが主役?
「アンダー・ザ・シルバーレイク」を観て、何か解説めいた事を書こうと苦しんだが、そういうのは詳しい人に任せれば良いのだ、とやっと気づいた。
だから、率直に観た後の感想を書く。
これは「スーパーマリオブラザーズinL.A.」だな!
観てない人はもちろん、観た人にも「何のこっちゃ」と言われそうだが、そう感じたんだから仕方がない。
アンドリュー・ガーフィールド演じる主人公のサムがどこかに入る度に、マリオがトンネルに入った後の事を想像する。
表(すなわちゲーム画面)からは見えないけど、中はこんな感じで、こっち側(ゲームだと土管のなかとか)に出るのか~、みたいな。
サムをマリオに見立てて、現実がゲームに感じるような、不思議な世界観である。
さしずめ、いなくなった隣の女の子はピーチ姫って所でしょうね。ピーチ姫がいなくなったんだから、そりゃマリオは探しに行くよね。クッパに拐われた愛しのピーチ姫。彼女の為なら、どんなダンジョンでもクリアするしかない。
しかしながら、実際のサムはLAでもがく半分ニートの脚本家。彼女を探す傍ら、切羽詰まった現実の事情、というものも逃れられず存在するわけで。
この急に現実に引き戻される感じが、サムという人物の現状をよく表現しているように思う。
もっと何度も観れば細かい解説も出切るのかも知れないが、2018年のLAを舞台にマリオが冒険する話、と観ても結構面白い。
難解系の映画も、ちょっと目線を変えるだけでライトに楽しめる事を発見した、中々の作品。だが!
これを傑作と感じられるようになるには、まだまだ修行不足だった…。
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