「白昼夢?それとも...」アンダー・ザ・シルバーレイク ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
白昼夢?それとも...
ロサンゼルス・ハリウッドのお膝元、芸術家などが多く集まり時代の最先端を行く町と言われるシルバーレイクに住む青年サムが主人公。折角知り合ったばかりなのに突然行方を眩ました隣人の美女の行方を探し求めるサスペンス作品。他の評者も書いておられますが、兎に角分かりづらい。サムが町中を探し回る中で出喰わす出来事の一つ一つは脈絡が無いだけでなく、現実の話とは思えないものもあり、観る者を混乱させます。尤も、元々都市伝説に興味があるサムにとっては、それらが逆に彼女の失踪に何かの陰謀が関わっていると疑う材料になっているようで、少しサイキックな作品のようにも感じられます。ひょっとしたら、ラ・ラ・ランドがロサンゼルスのサクセスストーリーを描いたものだとすれば、これは、成功から縁遠く、結局競争社会の中で埋没してしまった残念な人たちを描いた作品なのかも知れません。家賃の取り立てに来られるところでは一瞬現実に引き戻されるものの、それ以外の時間帯は、白昼夢か妄想か分かりませんが、何れにせよ浮世離れしたサムの空想の中の出来事だったような... 一度の鑑賞だけでは、ストーリーの辻褄合わせが上手く行かず、このような思案に耽ってしまうこと必定なのですが、案外それこそが監督の狙いだったのかも知れません。何れにせよ、訳が分からない割には、妙に目が離せなくなる変な作品でありました。
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