「天才の半生」私は、マリア・カラス キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
天才の半生
マリア・カラスという歌手について、さらにはオペラやクラッシック音楽についての知識も乏しい私。
そんな私でも十分楽しめたかというと、さすがにそうでもない。
…という訳で、評価の「★3.5」は作品自体というよりは私の無知に由来すると思って頂きたい。
映像は本人の実録映像や録音と、手紙などの読み上げのみによって全編が構成されている(まあドキュメンタリーってそういうモノですよね…)ので、映画を観ながら我々観客は彼女の内面や葛藤に想像を膨らませるしかない。
若くしてオペラ界の世界的スーパースターになり、当時はトガりまくって彼女が、時間や経験、出逢いや別れを経ることで女性として、また人間として成長していく。
彼女にとって因縁深いベッリーニの作品「ノルマ」に関するエピソードは、天才ゆえに完璧を求める姿なのか、単なる彼女のワガママなのか。
作品の流れとして、監督はピークを過ぎた後年の彼女に人間的な魅力を見出して構成されている様に見える。その分、歌手マリア・カラス絶頂期の人間性について批判的に見る人もいるはず。
だからこそ、誰も文句がつけられない彼女の天才的な歌声の素晴らしさが(素人の私でも凄いと感じるくらい)際立って聞こえる。
私と同様、こういった分野にあまり興味のない人にあえてこの映画を勧めようとは思わないが、自分の見識を深める意味では決して損をしない作品ではあると思う。
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