ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男のレビュー・感想・評価
全70件中、1~20件目を表示
世界のトップに立つ孤独と重圧
モデルになった当事者たちは決して事実のままだとは認めていないらしいが、それが決してこの映画の面白さを損なったりはしないと思う。というのも、ここで描かれているのは、われわれ常人には窺い知れない、世界のトップクラスでしのぎを削る者たちのメンタリティを描いた普遍性のある物語になっているから。
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でもテニスがいかにメンタルを削られるスポーツであるかを描いてい
たが、この映画におけるボルグとマッケンローも、ほとんど狂気の淵まで自分たちを追い込んでいく。
まったくタイプの違うプレイヤーであるはずの2人が、違う道を歩んでいたら同じ頂きに立っていて、どちらが上かを決する勝負をする。なんとも運命的な戦いを、ふたりの心象風景として描いた映像に魅入ってしまった。
シャイア・ラブーフ左利きじゃないのに…
クリス・ヘムズワースとダニエル・ブリュールがF1で対決した「ラッシュ プライドと友情」を思わせる、熱血タイプVSクールガイ、好対照のライバルが名勝負を繰り広げる実録物。ハリウッドはこういう企画が好きだなあ。ただし本作の場合、炎と氷、水と油のように真逆に見える2人が実は似た者同士だったという裏話が妙味になっている。
マッケンロー役のシャイア・ラブーフは私生活での問題児ぶりがよく知られていて、キャスティングとしてはある意味ぴったり。ただ、試合場面は利き腕ではない左手でプレイしているのが明白で、フォームも美しくない。
ボルグ役、スウェーデン出身のスベリル・グドナソンは「ストックホルムでワルツを」でベーシストを演じていた役者。この人の表情、目力がすごくいい。「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」のビル・スカルスガルドといい、最近は北欧出身のイケメン俳優がきてますね。
実は2人は似たもの同士だった!?
今のようにチャレンジシステムがなかった1980年代のテニス界で、ひたすらジャッジにクレームを付け続けた"悪童"、マッケンロー。対するのは、氷のような冷静さでクールなプレイに徹したボルグ。2人の宿命の対決をクライマックスに据えて、各々のそれまでの道程を辿る実録ドラマは、意外にも、2人ともが切れやすい性格だったことを検証することで、対照的だと見られていたライバルたちが、実は根底で繋がっていたことを描いている。よくあることかも知れない。スポーツの世界で頂上に立つ者たちは勝利を勝ち取るために複雑なセルフコントロールを余儀なくされるということは。つまり、マッケンローはぶち切れることで試合に集中し、ボルグは怒りを封印するパワーをショットに注入したのだ。根っこは同じで表現方法が異なった彼らの間に、必然的に友情が芽生えたことは想像に難くない。だって、2人は似たもの同士だったのだから。
主演2人の役作りが素晴らしい。 テニス音痴の私ですら名前だけは知っ...
主演2人の役作りが素晴らしい。
テニス音痴の私ですら名前だけは知っている2人の伝説の対決、なるほど凄い試合だったんですね。少年時代の2人の違いもまた面白かった。
2人の試合後の交歓がグッときますよね。
ただドキュメンタリー的で淡々としていたので、入り込んで感動、とまでは行かず。でも、そこがいいとこでもあるんですよね、難しい(笑)
王者の重圧
ボルグ vs マッケンローのウィンブルドン決勝の世紀の対戦に焦点をあてながら、ふたりの人物像やボルグの人格形成の過程やコーチや妻の存在を掘り下げたとても見応えのある映画でした。
まるでドキュメンタリー映画と間違えてしまうほどの本人が乗り移ったような主演のふたりの演技も素晴らしかったです。
下から追い上げられる王者の重圧っていうのは計り知れないですね。
生まれる前の話だけど、悪童マッケンローの名は知ってる。全部本当のこ...
生まれる前の話だけど、悪童マッケンローの名は知ってる。全部本当のこととは思わないけど、一流の選手はみんなすごいプレッシャーを背負ってるってことをこの作品から感じた。影にこんな孤独な戦いがあるからこそ観衆の感動を得るのよね。
どちらも「熱い」男
昨夜夫が「ボルグとマッケンジー観よう」というので
何の映画?と思ったら、テニス映画でした<マッケンロー
私「マッケンジーって・・・聞いた事ある。・・・刑事だっけ?」
夫「それはマクロイド」
私「あぁ!そうか~w(*゚o゚*)w」(警部マクロード)
私の弟が学生時代テニスをやっていて(私はバドミントン)
よく試合中継観てたのでなんとなく私も観るようになって・・・
夜中にウィンブルドン一緒に観てたなぁ・・・
映画のボルグ、イケメンですね
私の好みではないけど女性にモテるタイプだな・・・
ジョニー・デップみたい
副題に「氷の男」と書かれているボルグですが・・・
冒頭で、ホテルの上階のバルコニーから上半身裸で身を乗り出して
落ちる寸前みたいなポーズでストレッチする所はヒヤリと
しましたけど、彼の性格(映画で描かれている)を象徴する
いいシーンだな、と思いました
「世界で1位」になる事に拘り
禁欲的な宗教家みたいにストイックで決まった手順を好み
ゲン担ぎとかに拘る・・・しかしその実は本編の中で
「氷山のように言われているが、実際は噴火寸前の火山だ」
と言われているように、危うい熱さを持っている男
子供の頃の彼は、キレやすかったそうな
副題の「氷の男 炎の男」は、わかりやすい対比ですけど
どちらも「熱い男」なんじゃないですか表面的な
見え方が違うだけで
「負けたら引退」
結局ボルグはウィンブルドンで勝利して5連勝
ボルグとマッケンローが試合の後、ばったり空港で出会い、
挨拶を交わして立ち去ろうとしたマッケンローがついっと
去りがたいように戻ってきてカメラが引いて・・・
何か照れくさそうにふたりが話しているような(会話は聞こえず)
表情や仕草や雰囲気が自然な感じでとても良かった
その翌年、ウィンブルドンでマッケンローが宣言通り優勝
ボルグ敗退で引退
その後、親友になってマッケンローの結婚式にボルグが
出席したり
いい話だな~・・・
出来すぎ感あるので事実はきっと、違うのでしょうけど
事実を元にしたフィクションと思えば・・・役者は皆
いい演技していたし、脚本も綺麗にまとまっていて
派手さはないけど良い映画でした
1Q80年真夜中の生中継リターン
懐かしく思い出しながら映画を見た。あの時の感動が甦る。
一番の新鮮さと興味はボルグの息子。ボルグを彷彿させるしぐさを見つけては親戚のおじさんのように喜んだ。
しかし、映画のストーリー、逸話、二人の間柄等、すべては既成の知識の100パーセント内側のものだ。
ファンなら映画以外のもっと沢山の逸話や秘話を知っている。すべては当時のテニス雑誌、スポーツ紙で報道され記事にされ尽くされたものばかり。
それほどにテニスはあの時代は世界的なスーパースター的な存在であり、注目された二人の物語。
知ってることをトレースするような物語の進行は、甦る記憶を辿るための、ただの使いふるされた序曲であっても、そして、まばらな鑑賞者の閑散とした映画館の中にあっても、絶対的なカリスマスターの面影に触れる、十分満足させるものだ。
スポーツ選手って引退後が大変
実在するテニスプレイヤー🎾
ビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの実話を描いたお話。
史上最年少で、ウィンブルドン大会優勝、
そして、4連覇を果たしたボルグ。
5連覇を懸けた試合で、ライバルとなるマッケンローと対決する。
その後が気になって調べてみました
ボルグは、26才の若さで現役生活から引退。
なんだかお金の問題であまり上手くいっていない感じでした。
やっぱりプロスポーツプレイヤーは、その後の人生が大事だなと思った。
光と影。
映画では光の部分だけがクローズアップされています✋
もっと知りたい
冷静沈着、氷のボルグ、感情剥き出し、あ熱いマッケンローの対比が面白かった。フラストレーションを内に押し込め力に変えるボルグ、外に出しエネルギーに変えるマッケンロー。それぞれ少年時代の回想シーンを交えながら進む試合展開は緊張感があった。実際ボルグの全英5連覇は知らなかった。それぞれ外から受ける印象とは違う内面を描いており、素晴らしかった。エンドロールで本人達が後年仲良くなったとあるのも美しい。ボルグを支える妻、コーチ、マッケンローを支えるコーチが良い。本人達をもっと知りたくなる。
日本タイトルの副題はいらないかな
面白かった。
伝説的な1980年のウインブルドン決勝戦。そこに至るまでの2人の男の内側を見せてゆく。マッケンローは様々な事で有名だけど、ビヨン・ボルグがこういう人間だとは知らなかった。その複雑な内面を自ら律しての氷の男だったとは。
劇映画だが実録ドキュメンタリーの気分で見てしまった。作り手側もそう狙ったと思う。
決勝戦の白熱っぷりは手に汗握った。ここではマッケンローの姿に心を打たれたよ。
テニスを知らなくとも楽しめるとは思うけど、知っている方が何倍も楽しめるのは間違いない。スポーツ物好きには激オススメ。
テレビに噛り付いてマッケンローを応援していたんだ。
ボルグとマッケンロー。このウィンブルドンの決勝戦からテニスは変わってしまった。
優雅さは夏の光にかき消されたかのように・・・・
これまでのテニスが良かったなどと言うつもりはさらさらない。
しかし、負ければどん底だと思い込むのは幻想の恐怖だ。
ショットのパワーが勝ちを呼び込むなんて言うのは迷いごとで、柔軟であることのみが勝敗の境界なのだ。筋肉の柔らかさは頭脳の柔軟性へと繋がり、相手のアクションをゼロコンマで読み取り筋肉が反応する。頭で考えていては遅いのだ。
そんな感覚が試合の各シーンに潜んでいた。
2人のことは知らないけれど
予告編をみて、熱血スポーツとかあんまり興味ないしと思ってはいたものの、時間がピタリとはまってしまったので鑑賞。
この試合が事実だなんて、どこまでが脚色なのか。。
対照的なふたりの選手が実はすごく似た者同士で、しかも素晴らしい熱戦を交わして、
試合結果よりもその後のふたりが気になって仕方がなかったので、希望通りのラストシーンがとても温かい気持ちにしてくれた。
ボルグ選手にメインにフォーカスしているが、マッケンロー選手メインにしたらまったく違うストーリーになったんだろうな。
つい彼の心の動きを想像して、見ながら感情が次から次へと変化していた。
本物と瓜二つ!
ボルグ役が外見もフォームも本物と区別付かない。ここまで似せる(特にフォーム)にはかなりの努力が必要だったろう。ボルグも実は切れキャラだったとは意外であった。親友のゲルライティスに比べコナーズがほとんど出てこないのが残念。
自分が生まれるちょっと前の話、、、。
テニスは20年前から夜中のウィンブルドンとかをジーッと見るくらいで、ここ数年の有名な選手は何となくわかるが、ボルグは知らなかった。
マッケンローは聞いたことある程度だったが、試合結果を知らずに見てかなり興奮し面白かった(笑)
タイブレークが導入されたばかりとの事で、もちろんビデオ判定やチャレンジシステムもなく理不尽や偏りのあるジャッジも横行してたのでは?とか勘ぐってしまう。
そんな中でキレるなと言うのも難しいもの。ましてや生活や人生が掛かってるんだから。
また決勝にだけフォーカスしているのも良かった(決勝までのトーナメントはハイライト)
色々なスポーツはメンタルが大きな部分を占めると思うが、テニスも例に漏れず各々の選手はメンタルコントロールにも苦労していると言う側面。寄り添う家族やコーチも共に目標に向かって進む様子にも感動。
試合はやはりカットやワンシーンが多く、少し見にくい所も多かったが、まあそこはプロではないので目をつむりましょう(笑)
しかし演出はワクワクしたりドキドキさせる効果的なナレーションや、テロップが使われており楽しめた。
見る機会が減った気がするシャイア・ラブーフだが、プライベートのイメージが強くマッケンローのキャラがピッタリ(笑)
演技も素晴らしく、ただわめきたてたり、騒ぐだけではなく内に秘めた悲しさであったりが非常に伝わってきた。
テニスの素晴らしいドラマ性が描かれた素晴らしい作品だと思う。
テニスを知らない人もOK。
小学生くらいだったけど、なんとなく覚えています。
特にラケットに八つ当たりや、暴言を吐くマッケンローとかね。
一つのことを極めた人というのは、ずっと努力してきたものを背負ってる。
ふたりの現在と過去が、交互に出てくる箇所がありました。
でもそこはわかりやすかったです。ボルグのジャージにはいつも「BORUG」って書いてあったしw。
「観客なんてクソくらえ!」「今日は誤審の日か⁈」と、プレーがうまく行かないことを八つ当たりするマッケンロー。
対するボルグはいつも冷静に見えるけど。じつはボルグも昔はラケットに当たったりして。
結構皆同じなんだな、と。
それをいかに乗り越えるか。そこの違い。
後半の決勝戦。野球みたいな熱のこもった実況に、その場に自分もいるような感覚。
ルールはなんとなくしか知らないけど、もう食い入るように観てました。
ボルグが休憩中に、マッケンローに言った言葉。
「素晴らしい試合だ、自分のテニスをしろ」。さすが王者の貫禄。
試合の結末は知っていても、その後の二人を知らない方。
「ほー」と納得すること多しでしょう。
これぞ王者のあるべきしがたq
すごい映画でした。両者の子供の回想を始め、テニス界で感じる重圧がめちゃうまく描かれているし、良かった。ボルグの自分への重圧、マッケンローの怒りを抑える、そういうところが男の熱い生き様を感じる
全70件中、1~20件目を表示