「音楽を愛し、翻弄され、愛された人生」ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽を愛し、翻弄され、愛された人生
もうこの映画の何に感謝したいって、オマーラ・ポルトゥウンドとイブライム・フェレールの若き日のテレビ出演映像と、大切な思い出として回想するオマーラの顔が見られたこと。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブに参加した時に、唯一現役バリバリのスターだったオマーラと、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブがなければ、音楽を捨てて忘れられていたかもしれないイブライム。その二人の過去とその後を描いたことで、音楽を愛し、音楽に翻弄され、音楽に愛された人生そのものが浮かびあがった気がした。
ドキュメンタリー映画として秀逸であるとか、なにか突出しているとまでは感じなかったが、キューバという国の歴史と現在の変貌とが背景に据えられたことで、ひとつの音楽の盛衰を俯瞰するような感慨が湧いた。
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