グッバイ・ゴダール!
劇場公開日 2018年7月13日
解説
ジャン=リュック・ゴダールの2番目の妻で、ゴダールの監督作「中国女」の主演を務めたアンヌ・ビアゼムスキーの自伝的小説を映画化。「アーティスト」のミシェル・アザナビシウス監督がメガホンをとり、ゴダールとともに時代を駆け抜けたアンヌの知られざる日々をコミカルに描く。パリの大学で哲学を学ぶアンヌは、もうすぐ19歳。ある日彼女は、映画を変えたと世界中から注目される天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作映画で主演を飾ることに。新しい仲間たちとの映画づくりやゴダールからのプロポーズなど、生まれて初めての経験ばかりの刺激的な毎日の中で、様々なことを夢中で吸収していくアンヌ。一方、パリの街ではデモ活動が日ごとに激しさを増し、ゴダールも次第に革命に傾倒していく。「ニンフォマニアック」のステイシー・マーティンがアンヌ、「サンローラン」のルイ・ガレルがゴダールを演じる。
2017年製作/108分/R15+/フランス
原題:Le Redoutable
配給:ギャガ
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2018年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
今年87歳でカンヌ映画祭にFaceTimeで参加したフランス映画界のレジェンド、ジャン=リュック・ゴダール。「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」での同時録音や"ジャンプカット"で旧来の映画手法をぶち破ったゴダールが、その後、低迷していた頃、どんな風に日々を過ごしていたか?それを、後に妻となる女優、アンヌ・ヴィアゼムスキーの手記に基づき再現したという映画は、まだ37歳なのに老いを感じ始めていた半端な中年男が迷走する姿を容赦なく描いて、いかにもフランス映画らしいエスプリ(ジョーク)を炸裂させる。容赦なさ過ぎて観ている方が引いてしまうくらいに。しかしそこが、フランスのフランスたる所以で、ジョークに限界を設けないことが許され、好まれる国なのだ。標的にされたゴダールは映画を一刀両断に斬り捨てたらしいが。そこにもエスプリがぷんぶん匂う。そんな場外乱闘も含めて、先人を笑いのネタにすることなど到底許されない日本の映画ファンとしては、少しだけ羨ましくもある洒落がきつい実録ドラマなのである。
2021年3月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
映画表現の思想と映画制作の経済に苛まれる
巨匠ゴダール、意外と子供っぽい(笑)
でもそのカッコ良さに惹かれるのも尤もだし
愛想つくのも当たり前
残酷で陰険で冷たい人なんだから…
「普通」だと怒られるし(笑)
デモに参加するたびディスられて眼鏡踏まれるシーンを何度も繰り返したり、長距離ドライブ中に仲間内で大喧嘩したり
ゴダールをシニカルに表現
貴重だったのは上映中の映画にアフレコ的に被せる会話
その映画が「裁かるるジャンヌ」であった!
確か無声映画だった記憶、日藝の映画祭で観た
2021年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ゴダールの2番目の妻の自伝が原作の映画で、1968年の5月革命前後が舞台。まあ、ゴダールの元から巣立つ若い妻の自立の物語ということなのだろうが、あまり成功していない様に見えた。
原作がそうなのかもしれないが、ゴダールがひたすら生真面目で、頭の中だけからの革命から行動家へ自己変革しようとしているらしい。しかし、何故か周囲の人間と絶え間ない諍いを起こす。そして、妻の撮影現場に押し掛けるほど嫉妬深い。街に繰り出すが、決まって眼鏡が壊れて行動が挫折。とても魅力的には見えないそのゴダールを駆り立てているものの本質が、見ているこちらに十分に伝わってこないもどかしさが最大の欠点か。
まあ、映画監督ゴダールの個人史断片、自己の過去作品を否定した希有の作家のプロフィールを知るという意味では役にはたった。
2021年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
1968年という年はゴダールとそしてその妻アンヌにも大きな影響を与えた。
ゴダールは学生に共感しているものの、彼らからは映画を撮り続けることで軽蔑される。デモに参加し、議論に首をつっこむも、だんだん5月革命からは離れ、違う方向へ向かっていく。
そんな彼から妻の気持ちも離れてゆく。自殺未遂が離婚の決定打になったのは分かる気がする。
それにしても、自分の好きな映画がクソだと撮った監督本人に言われたら辛い。
すべての映画レビューを見る(全40件)