劇場公開日 2018年8月10日

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追想 : 映画評論・批評

2018年7月24日更新

2018年8月10日よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー

新婚初夜を迎えた二人の結末。誰もが我が身を振り返り、ドキッとするに違いない

シアーシャ・ローナンが11年ぶりに「つぐない」の原作者イアン・マキューアンとタッグを組んだ。切なく胸しめつけられる恋人たちの物語であり、大人にはちょっと引いた見方もできる作品だ。

1962年のロンドン。シアーシャ演じるバイオリニストの卵・フローレンスは、歴史学者を目指す青年エドワード(ビリー・ハウル)と恋に落ちる。無事に結婚式を終え、美しい海岸に新婚旅行にきた二人はついに初夜を迎えるが、そこである出来事が起こる。

初々しい二人の緊張と緊迫は、どの時代のどんな人にも「あるある」で、思わず微笑んでしまう。しかし、それにしてもあまりに二人はじれったい(笑)。なかなか事に及べないその間に、二人の出会いから、結婚にいたるまでの道のりが遡って描かれる。一目で恋に落ちた瞬間のこと、はじめて家族に紹介されたときのこと……ここまでがんばってきたじゃん! 思い切っていけ! と見守っていると、これが意外な展開になっていく。

うまくいかない初夜は、結局、二人に待ち受けるであろう困難の象徴なのだ。それは階級の違いであり、身内にまつわる問題でもある。なによりこの青年、クシャッとした笑顔が子犬系でとても魅力的なのに、若干キレやすいところがあり、流されやすい面もある。最初に感じたちょっとした違和感、のどに刺さった小骨は、何十年連れ添っても後を引いたりするものだ。それを感じたとき、どう対処するか? 二人の結末もまた、あらゆる人に我が身を振り返らせ、ドキッとさせるに違いない。

それにしてもシアーシャが美しい。白磁のような肌にスカイブルーのドレスがハッとするほどよく映える。初夜を迎える新妻の、壊れそうな「もろさ」も、底にあるひんやりとした冷静さも、すべてをその身に詰め込んでいるようで、見事だ。

中村千晶

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