劇場公開日 2018年9月21日

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「丁寧に仕上げられた作品」若おかみは小学生! Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0丁寧に仕上げられた作品

2018年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

 解りやすいストーリー展開に馴染みやすいキャラデザインで、サスガ文科省選定の看板は伊達ではないと言う印象でした。声優も毎度のことタレントや俳優、お笑い系まで充ててイササカ不安もありましたが特に問題なしで、その点はかの作品に比べれば遥かにマシに仕上がっています。TVシリーズ未見でも全く問題ありません。

 当初は『花咲くいろは』をイメージしていましたが全く違う毛色で、コチラはチョイファンタジーで対象年齢を下げた風な仕上がりです。
 一人の少女が不幸に見舞われて家業を営む親戚に引き取られ、そこで家業を手伝いつつ立派に成長を遂げる、まァ正直ワリと有りがちな解りやすい設定ですが、その有りがちながらもシッカリ丁寧に創り上げられています。出っ歯の幽霊がまさしく昭和の少年キャラまんまですが、70歳のお婆ちゃん(昭和30年代)の幼馴染であれば違和感はありませんでしたw

 マイナスではありませんが、オッコが最初からワリと精神的に自立している印象でした。事故で突然両親に死なれては小学生にとって想像を絶する辛さでしょうが、それがキチンと整理できる強い心を持っていたのでしょう。ですが作中そのトラウマを発動してしまう部分は、そうであってもまだ幼い子供部分をちゃんと表現しています。結局ソレはオチに繋がる前振りとも言えたわけですが‥‥
 個性あるお客さんとの絡みも面白く、周囲のキャラもそれぞれが表情豊かで作品の味付けにシッカリ貢献していました。特にピンフリの助演ぶりは秀逸です。

 敢えて欠点といえば、上記のとおりオッコが既に立派に成長するベースが整っていたため、大騒動レベルの波瀾万丈は最初から期待できません。そもそもコレは対象が小中生位なので基本的にお利口さんキャラなのでソレは突っ込むべき所ではありませんが、チョッとなにか手に余る失敗か何かがあればな、と云う期待はありました。
 とは言え、観終わって穏やかな気分になる、ご家族にお薦めできるハートフルなホノボノアニメ映画だったと思います。

 EDのレイアウトイメージのスケッチ? まさに宮崎駿氏のソレを彷彿させていて、サッコンはポストの座が度々話題になりますが、寧ろこの作品が一番近そうな見た目の印象でしたw

Geso_de_Nyoro