「初日舞台挨拶で観ました!」止められるか、俺たちを ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
初日舞台挨拶で観ました!
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とにかく若松監督を演じた井浦新さんの魅力が凄まじかった!
厳しいし理不尽なんだけれども、どこか愛を感じられる。そういえば「虎狼の血」の大上もそんなキャラクターだった。今の時代には中々いないちゃんと叱ってくれる大人。あちらは東映任侠映画のリブートだが、こちらは若松プロのリブート、どちらも白石監督の手によりどこか共通点を感じてしまった。
本作は、門脇麦さん演じるめぐみを通して若松プロダクションの日常を垣間見るような作品。私は平成生まれなのですが、あの時代の雰囲気をなんとなく感じとれた。もっと観ていたい。あっという間の2時間だった。
スピルバーグのジュラシックパークではT・レックスが迫ってくるという恐怖をコップの水の波紋に集約してみせるという演出をしており、これはT・レックスが来るという誰も想像できない恐怖を身近なものに置き換えているとスピルバーグは言っていたようです。
本作ではこのスピルバーグのコップ手法にこじつけてみると、めぐみの死が迫っているという恐怖(客のみが知っている)ことが、めぐみが持つ酒の小瓶が少しずつ減っていきラストで飲み干すという演出で表現されていたように思う。
あれは若松監督にもらった酒だ。若松監督から助監督達への一種のバトンのような酒に集約されたのがよかった。
"止められるか、俺たちを"というタイトルは今日から劇場で再始動する若松プロダクションに関わる人達自身の意思表明のような印象を作品を観て思いました。どうかこのまま止まらずに、エネルギッシュな目の覚めるような映画を作り続けて欲しいと思います。もちろん応援させていただきます!
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