轢き逃げ 最高の最悪な日のレビュー・感想・評価
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轢き逃げは許されることではないが
轢き逃げ事故を通して人間の感情を色々な角度から表現した作品。轢き逃げは許されることではないが、世の中にはこんな風に犯罪者になってしまう人もいるのかと怖くなった。
逆玉に成功した主人公、見せかけだけだった親友、本物の令嬢、被害者の父母。それぞれが本気でスクリーンの中で悩み考え生きていると感じられた。
結局誰も幸せになれない環境ながら、これからも前を向いて生きていくという希望的な終わり方で救われた。
上映前の舞台挨拶で水谷豊さんは穏やかな紳士でした。スクリーンでの過激な行動とのギャップが余計に鮮明で役者だなぁ〜と感心しました。
主題歌も大好きな手嶌葵さんで良かったです。
他の映画を観た方がよい
はっきり言うがこの映画はあまりお勧めできないので他の映画を観た方が良い。私が映画を好きになったのは高校2年の時に観た長谷川和彦の「青春の殺人者」がきっかけで、水谷豊はこの映画でキネマ旬報の主演男優賞を獲った。もちろんその前にテレビで見ていた「傷だらけの天使」が大好きで…今回の水谷豊初脚本&監督作品は観ないわけにはいかなかったのだ。予告編もそれなりに良くできていて騙される。おそらく彼の演出は70年代のテレビドラマから1ミリも成長しておらず、演技をつければつけるほど役者はダメになっていくと思われ。特に今回は脚本も書いてしまったものだから…これが誰の批判も受けることなくご本人が演出してしまったらこんな映画になるしかない。彼はよほど映画を作りたかったのだろう。60代で3本の映画を作るつもりなのだという。その気持ちはスゴく良くわかる。でもその気持ちだけでは面白い映画はできないのだ。轢き逃げ犯が自宅に戻ってきてTVをつけると、丁度その轢き逃げ事件のニュースが始まる…そんなの許せません。
どちらの視点に立つかでだいぶかわる
幸せを目前に控えた青年がおこす轢き逃げ事件。
序盤被害者の描写が薄く加害者側の苦悩がメイン。
加害者側に感情移入してしまった私は最初の30分何度か本気で席を立とうと思った。つまらないからではなく心が追い詰められる様子を観ているのが本当に辛かった。
しかし被害者のお父さん(水谷豊)が娘の足取りをたどり始める中盤からは一気に様相が変わる。
ここからはまるで探偵物を見ているような感じでした。
そしてラストに救いを感じた。あのシーンがあってよかった。
気になったのは加害者の苦悩がほとんどで被害者側の描写が薄く感じたこと。実際の轢き逃げ被害者は気分を害する人もいるんじゃかなとも感じました。
映画館の帰り道いつも以上に安全運転でした。それだけでも観た価値がありました。
細かいことはさておき
あのシチュエーションがおかしいとかあり得ないとか違和感があるとか言うのはさておき、爽快感もまるでなく、これだけもの静かに沈鬱な気持ちにさせた映画は久々です。それだけでも価値があると思います。
テーマ絞れず、残念
タイトルで重いテーマが示されているのだが、社会派サスペンスなのか、サイコスリラーなのか、加害者の贖罪を描きたいのか、被害者家族の憤りを描きたいのか、はたまた加害者の妻の献身的愛を描きたかったのか?
水谷豊の謎かけを消化できなかった。
車を運転してる限り、いつ交通事故の加害者になってしまうか分からない。
そんな社会背景を基に、明日は我が身的に心に迫るものを期待したゃったのが、いけなかった。
冒頭の空撮(ドローンか)から、特に前半は素晴らしい映像を見せてくれる。
編集による演出もなかなかのシーンがあった。
しかし中盤からダラダラと冗長な場面が続いたかと思うと、急にサスペンスに走って迷走状態。
事故のトリックが説得力なさすぎる。
必要な情報と不要な情報の整理がしきれていないのではないだろうか。
脇の演者はそれぞれ良いので、場面場面を切り取れば感動的な部分もあった。
だが、主役二人の若者の演技がひどく感情移入できない。これが演出だったとすると、頂けない。
最後にも空撮&360度パンを使って盛り上げようとしているが、壇ふみと小林涼子の演技が良いから観させるだけだ。
水谷豊の「映画」にしようという情熱が画面に現れているとは感じたが。
余談だが、人を車で跳ねてしまうと咄嗟に逃走しようとするのは人間の心理で、だから現場から逃げたとしても、ある程度の時間で出頭すれば轢き逃げ扱いにはしないと、ある警察官から聞いたことがある。
救いはあるか
冒頭の車のシーンからイライラが募る。
輝の話し方が勘に触るし、タイトルの場面に向かう事が容易に想像できるからだ。
加えて、個人的体験として、狭い道を慎重に注意深く運転してる時でも、ずっと自分のことを話してる同乗者が確かにいることを思い出すからだ(笑)。
映画は、対照的な2人の組み合わせ、3組を絡ませながら進んでいく。
エリート街道を歩む秀一と、カバン持ちのような輝、
事故の真実に拘る時山と、前向きに生きようとする千鶴子、
老練な柳と、血気盛んな正義感に溢れた前田の両刑事だ。
事件は意外な展開を迎える。
映画を観てる多くの人も、輝の行為に憤りを感じても、これは罪に問う事が出来るのか、疑問に感じるに違いない。
時山が、刑事訴訟法の本をテーブルに叩きつけるように置く場面を思い返して、映画もその疑問を共有していたことに気付く。
自白だけでは足りないはずだ。
のぞみの携帯を盗み持っていたことや、脅迫状のようなものを作成した痕跡だけで十分なのか。
輝が移送されるシーンを見ても判然としない。
この映画は、こうした自問自答をさせようとしているのか。
エンディングは、千鶴子と早苗の邂逅のシーンだ。
複雑に絡み合った人間模様の行き着いた先に一縷の望みがあるようで、ほっとする。
多分、事故を起こしてしまった側の家族も、大切な人を亡くした側の家族も、生きていかなくてはならないということなのだろう。
前向きに生きるのには時間もかかるだろうし、わだかまりや怒りが全くなくなるなんて事もないかもしれない。
でも、生きていかなくてはならないというメッセージのように感じる。
余談で申し訳ないが、映画には日本ならではのような、馬鹿馬鹿しい場面もある。大手ゼネコンで男性が多くいる職場とはいえ、部下の胸ぐらを掴んで押し倒すような上司がいるか?とか、社員の娘婿の事故とはいえ、義理の親が引責辞任するか?とか、ちょっと苦笑してしまった。
途中まで★5コの展開でしたが・・・
終盤手前まで登場人物たちのヒリヒリとした緊迫感が伝わってきて、どんなラストを迎えるのだろうと見守っていた。
しかし結局は、理不尽にもキチ○イの異常な行動に運悪く巻き込まれてしまったというのがオチで後味が悪かった。
その人物が取り調べの最中に怒濤のごとく、犯罪に至った境遇や動機をしゃべり続けていたのもほとんど共感できなかったし、端的に不愉快だった。
被害者の父親がどうやって犯人の自宅を突き止めたのか分からなかった。
自首せずに日常生活を送る息苦しさや犯罪被害者の家族の心の置き場のなさが痛いほど伝わってきた。
エンディングテーマの曲を映画館の大音量で聴く事ができて良かった。ちょっとした後味の悪さが中和できた。
少しやり過ぎ・・☆
結構、評価低いですが 個人的には思ったよりも楽しめました。
深窓の令嬢(死語ですね)を演じている小林涼子が良かった。
ベタと言ってしまえば、その通りのキャラクターですが、
清楚な感じがにじみ出ていて、暗い話の中では救われる感じ。
水谷豊のお父さん。
後半は、それはないでしょう・・くらいの行動に出てしまうのが
かえって惜しい。
全体としては、ミステリーもありで良かった。
後味の悪さは最高
ストーリーは敢えて書きませんが、後味の悪さは最高。と言うことは脚本そのものは良く書けているとも言えますね。役者さん達はそれぞれ良かったですよ、特に岸部一徳さんと壇ふみさん。音響は「ハラハラ」でも「ドキドキ」でも「不安感を煽る」でもなく無意味に「不愉快」でした。わざわざドルビーシステムを使った意味が判りません。
前半は退屈で、周囲の人達もあまり集中出来ていないのが伝わってきました、それを乗り切ればそこそこ観られる映画でした。
前半の胸くそ悪さが後半まで。
初めの30分は轢き逃げしてしまう加害者目線、とても理解できないし胸くそ悪い。
その後は、被害者の家族と加害者の家族目線。こちらはとても良かった。どんでん返し的要素もあってこういう話も好き。
ただ、前半の胸くそ悪いが残ってしまって、イマイチ素直に入ってこなかったり。
何人か、空気読めない自己中おバカが出てきますが、ここにも怒りを覚えてしまって。
加害者目線も被害者目線もどちらも共感、、、とは行かず。そりゃそうだと思ってしまう。
避けられない罪は無い
前半戦、無駄にリキんで無いところが個人的には好きでした。宗方と時山のダブル精神崩壊心理劇に持って行くのかしらん?と思っていたら、徐々に変な空気が漂い始め、妙な塩梅になっちゃって....嫉妬による悪戯の仕込みは要らない、とは言わないが、ネタバレの仕方がイヤかなぁと思うのと、「それじゃ、被害者があまりにも報われなさ過ぎて可哀想」。
現場の場数を踏んでいる水谷豊と言う事もあって、脚本を除いた「映画」としての部分は好きだけど、「結局、何の物語やったん?」と、お尋ねしなければならないってのは、アカンのじゃないかと。「ひき逃げ」と言うタイトルは何なのでしょうか。
小林涼子さんが感じ良いので、スルー決定していた「21世紀の女の子」を見に行く事にした。女優さんに惚れたら星が増える法則、もちろん発動!
期待したけど、、、。
作り込みの丁寧さは感じる事は出来たけど全体的なストーリーには首をかしげる部分多々。加害者、被害者の人間性の葛藤を描くのかどんでん返しのミステリーを描くのかで何を伝えようとしているのか分かりかねた。岸部さん、壇さんの演技には好感を持って見ることができた。劇場が小さい(120席程度)しスピーカーの数も少ない事もあり売りの一つでもある音響効果もイマイチ感じる事はなかった。次回の作品に期待します
交通事故死も殺人
出だしからいくと轢き逃げ犯が逮捕され処罰されるのをドキュメント風に伝える映画かと思ったら、謎が含まれており思わぬ展開になって行った。しかしその仕掛けが偶然に頼り過ぎていて必然性に欠けており、これが一体何の罪に問えるのか分からなかった、ミステリーにするのなら東野圭吾ばりのトリックが必要だったのではないだろうか。やはり交通事故の罪を問いただすだけの話にした方が良かったのではないか、その辺がちょっと中途半端であった。悲惨な交通事故ばかりが続く昨今、実にタイムリーな作品ではあったが、交通事故であっても人を殺せば殺人であることを知らしめ、刑法では大した罪には問われないにしても、その親族は今後殺人を起こした家族として世間から社会的制裁を受けることになることを肝に命じなければならない作品であった。しかし流石相棒が長いだけあって警察を好意的に描いていると感じてしまったのは錯覚かな。
感動的な映画です
水谷豊監督は映画に愛することを感じています。
ドルビーシネマは本当にすごい技術です。視覚的にも、聴覚的にも、素晴らしい体験です。私はドルビーシネマが日本初導入された映画館で、日本の初めてドルビーシネマを採用する映画を観ていた、とても光栄に思っています。
また、水谷さんと岸部さんの関係がおもしろい(笑)
上映する時、もう一回観たいです。
途中からの展開が
主人公の青年役の二人が自然な感じで良かったです。ですが、途中からの水谷さん演じる父の行動が・・・不自然の様な感じ。折しも自動車事故が続いている今、この作品は何かを問いかける部分があるかも知れない。
良くも悪くも2時間ドラマ的
試写会にて。
物語展開は非常にベタ...というか、いまどきこんなにあからさまなまでの展開、あるか?という描き方でむしろ驚く。登場人物全てが画一的というか、「あなたはこの役割を演じ切ってくださいね!」と言われて演じている感じがする。
後半も物語展開自体はベタで、こう言ってはなんだが、そういう持っていき方しかできないですよね、という展開。ミステリ(というか、2時間ドラマ)を日常的に見る人間なら分かるだろう。とにもかくにも極めて2時間ドラマ的なのだ...。
主演の中山麻聖と石田法嗣は、求められた役割を演じ切ったと思う。正直、石田法嗣は多分もっと違う演技ができたしその方が良かったと思うのだが...。自然なシーンもあるだけに...。
水谷豊の演出というのは、大変分かりやすい。分かりやす過ぎるが故に若手が浮いてしまった感があり、悩ましい。水谷豊自身の出演シーンや岸部一徳、檀ふみは上手く抑制が効いているのだが、若手がおしなべて型に嵌められたようになっていて、毎熊克哉なんて少し窮屈そうだ。ちょっと勿体ない。
それでも、最後の最後はとても良くできている。終始あのトーンであれば良かったのになどと思ってしまう。
あと、予告編はもっと主演のふたりをフィーチャーすべきではないでしょうか...。あれだと完全に水谷豊主演の映画です...。
水谷豊の演技に引き込まれる
試写会で拝見しました。
個人的には、こういう脚本は好き。
物語の逆転っぷりは『相棒』にも通じる。
真犯人がとにかく気持ち悪くて、許せない気持ちになるあたりへ、観客の感情を誘導するお手並みが見事。
ただ、結局のところ轢き逃げという行為で人が死んだ事実は覆らず、救いはない。
そこが万人に受けるかどうか=友人に勧めるかどうかの悩みどころ。
でも、監督・脚本を手掛けた水谷豊さん自身が、被害者のお父さん役を演じていて、この演技を観るだけでも面白いと思うんですよね。
日本映画としてははじめてのドルビーシネマを採用
完成披露試写会で鑑賞。
日本映画としてははじめてのドルビーシネマを採用した作品。
ひき逃げ事件をモチーフに加害者と被害者家族、そして真相を追う刑事たちの群像劇。
ラストの加害者の宗像が配偶者に宛てた手紙のシーンは何とも言えない気持ちになりました。
その何ともいえない気持ちをエンドロールに流れる手嶌葵さんの唄で浄化されような気がします。
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