氷上の王、ジョン・カリー
劇場公開日:2019年5月31日
解説
イギリスの男子フィギュアスケート選手でオリンピック金メダリスト、ジョン・カリーのドキュメンタリー。バレエのメソッドを取り入れた演技により、1976年インスブルック冬季五輪のフィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得したジョン・カリーだったが、マスコミによって本来表に出るはずのなかったセクシャリティが公表されてしまう。まだ同性愛が差別されていた当時、ゲイであることが明らかになったメダリストの存在は世界を驚かせ、論争を巻き起こすが、それでもカリーの華麗な滑りは人々を魅了し、後進にも大きな影響を与えていく。アイススケートを芸術の域まで高めたと言われるカリーのアスリートとしての姿はもちろん、栄光の裏にあった孤独や、病魔との闘いなど知られざる光と影を、アーカイブ映像や関係者へのインタビューなどを通して明らかにしていく。日本公開版は、2014年ソチ冬季五輪にも出場した元フィギュアスケーターの町田樹が字幕監修および学術協力。
2018年製作/89分/G/イギリス
原題:The Ice King
配給:アップリンク
スタッフ・キャスト
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2020年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
1976年の冬季オリンピックで金メダルを取ったフィギュア男子のジョン・カリーのドキュメンタリー。
バレエとスケートを融合させたアイスショーで人気を博したが、ゲイに対する偏見に悩まされ、1994年、エイズで44歳という若さで亡くなる。
当時のエイズの凄まじさが思い出された。
☆☆☆★★★
先駆者は社会との関わりに翻弄され、苦悩との戦いに陥る。
スケートを芸術に高め、ICE KINGと称された彼の生き様が、貴重な映像と彼自身の手紙から明らかにされる。
現在のスケート界の潮流を作り上げた功績は讃えられて然るべきモノ。その身体の線の美しさは必見。
同時に、当時のムーブメントから。如何に同性愛に対する偏見が強かったのか…も、当時を知らない人でも理解出来る。
2019年6月1日 東劇
⁂ オリンピックに於ける採点の不正等、過去には幾らでも有った時代。
審判団の東西比率等は、今でこそ【無いもの】とはされていても。人間には《好き嫌い》とゆう厄介なモノや、政治力は未だに介入してきますからね〜。
ただ…規定演技で金メダルが決まる時代はもうこりごりだと、殆どの人は思うのではないでしょうか。
2019年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ボヘミアン・ラプソディーにも似た、
天才の苦悩と孤独が上手く映し出されています。
そして、ジョン・カリーさんの演技は美しかったです。
生演奏、芸術に拘ったジョン・カリーさんはまさにアーティストです。また観たいです。
2019年7月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
冒頭で、牧神の午後への前奏曲をBGMにして滑っている人、綺麗な映像やけど誰?とおもっていたら、ジョニーウィアーでした。どうりできれいな映像。
今やフィギュアスケート・男子シングルはクワドラプルがデフォルトだし、アクセルを含めたトリプルを全て飛べない男子は、国際試合にほとんどいないわけですが。
76年インスブルックオリンピックの頃は、トリプルトゥループですごーい!だったんですね。
ドン・キホーテのプログラムを全部映画では流していないので、あれですが、トリプルトゥループとダブルフリップとダブルアクセルの三種類しかジャンプは飛んでいませんでした。
この40年強でどれほど技術が向上したのかということですね。
スポーツ界はまだまだLGBTQフレンドリーとは言えません。
ここ20年ほどフィギュアスケートを見ていますが、現役中にカミングアウトしている選手ってほとんどいません。カムアウトしてオリンピックに出場した選手は、アダムリッポンとエリックラドフォードくらいでしょうか。
ジョニーウィアーのように引退後や休養中にカミングアウトした(元)選手は幾人かいます。
別にカムアウトの有無でしてたらかっこいいとか、してないからいくじなしとかジャッジしたいわけでは全くないんです。ただ、本当は隠していることのほうが面倒で不自然なことなんだろうと思うのに、なのに隠さないといけない雰囲気、隠している方が安全という状況があって、当事者はしなくてもよい苦労を抱えて競技をしているっていうのが現実なわけです。恐らく2019年の今でも。そこに憤りを感じます。
ましてやジョンカリーさんは、70年代に自ら公表したわけではなくて暴露されてしまったのでしょう?
きつかっただろうなと思いますよ…
バレエに魅せられてバレエをやりたかったけど父に許されず、かろうじてスケートはスポーツだからと認められてフィギュアスケートを始めます。その頃は音楽に合わせてとか、バレエ的な表現はあまりなかったそうで、今となってはびっくりします。
ジョンカリーさんは 本当にバレエが好きだったんだなと思いました。初めて買ったレコードは3枚ともバレエ音楽だし、ドン・キホーテに海賊、牧神の午後への前奏曲…バレエの有名曲をガンガン使っていました。
牧神…は、バレエをテレビで見たことがあってそのエロティシズムに度肝を抜かれたのですが、その時の雰囲気を感じる生々しい牧神とニンフでした。
くしくも先日ヌレエフの映画も見ていて、彼もエイズで死ぬんですけど、この時代のゲイたちは悲運としか言いようがないです。
今となってはエイズはもう不治の病気じゃない。HIVポジティブだったとしても平均寿命まで生きることは可能になっています。
もう少し後で生まれたらとか思いますけど、彼らはあの時代に生きたからレジェンドなんですもんね。過去のことにたらればなんていうだけ虚しいんですが、心に浮かんでしまいます。
恋愛に依存してしまう感じは、わたしはよくわかりません。
惚れっぽくもないし、一人も平気だし。
酒癖が悪いとか、殴るとかの人に、それでも一緒にいたいってなる心理に、順序立てて説明されれば想像はつくけれども、自分がその立場になる事を想像するのは少し難しかったです。
ジョンカリーの功績が、現在わたしを夢中にさせるフィギュアスケートという競技に織り込まれているってことを感じられてよかったです。