チワワちゃんのレビュー・感想・評価
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自分が何者かだった時代
自分が何者かだった時、自分の感性が全てで、ルールだった。
武勇伝を大袈裟に語り、飲み交わした。
騒いだ。
キスをした。
セックスもした。
楽しかった。
悩みも打ち明けた。
でも、猜疑心や、嫉妬もそこかしこに転がっていた。
チワワが死んだ。
悲しい。
本当に?
チワワは、一体誰だったのか。
何も知らない。
いや、誰も知ろうなんて思ったことなんてなかった。
死んだってしょうがないくらいに思ってたんじゃないのか。
埠頭に立って思う。
チワワは、鏡に映った自分だ。
チワワは、何者でもない自分自身と同じなのだ。
輝いていたと思っていた時は、瞬く間に過去に押しやられ、殻だけが残る。
そして、自分が何者でもないことに気づいて、悲しさを覚え、涙が流れるのだ。
好きではないけど中毒性あり
この監督は良くも悪くもコレしかない。
さよならチワワちゃん。
チワワちゃんの笑顔に引き込まれる〜。
主役が門脇麦ちゃんのように見せかけて、実は違った…。
この映画の主役は、チワワちゃんを見事に演じ切った吉田志織ちゃん!
線の細い体と大きな胸、すらっと長い足にくびれたウエスト。
黄色いニットの似合う彼女の笑顔を見たら、あっという間に虜になってしまうことでしょう。
本能のままに生きる彼女は、男も女も構わずキスして、セックスして、笑って、笑って笑い続ける人生。
まさに幸せの絶頂にいるのかと思いきや、突然のバラバラ殺人事件の被害者へ。
さよならチワワちゃん…。
こんなにも仲の良かったチワワちゃんだけど、本当の姿を誰も知らない…。
仲間たちの記憶に残るのは、全く違う姿…。
彼女の本当の姿を探そうとするミキこと、門脇麦ちゃんだったけど、追い求めれば求めるほど、違った姿を見せてくるチワワちゃん…。
多面的で自由奔放だからこそ、雲を掴むようなフワフワとした存在感は、誰にも捉えることができなかったのだと思います。
それが悪い方向へと進んでしまい、結果殺人事件という悲しい現実となるとは…。
豪華キャストが脇を締めていたにも関わらず、ここまで印象的な姿を見せつけてくれた吉田志織さんに拍手!
チワワちゃんの謎を求めれば求めるほど、周りのキャラクターが際立って、より一層味のあるストーリーが仕上がっていました。
脳味噌のシワゼロの天然おバカキャラの能天気な女の子と見せかけて、本当は誰よりも繊細で、たくさんの悲しみを背負っていたかもしれない…。
本当の姿がわからないからこそ、最後は切なくしんみりした気持ちになりました。
青春の爆発のような激しい衝動からの突然の終焉。
まるで新しい青春映画を体感したかのようで、新鮮な気持ちになれました。
最近刺激の足りていない、平々凡々な日々に、濃厚な刺激を見せつけられたかのような気持ちになりました(笑)
この映画はズバリ、考えるのではなく、感じたまま観る映画なのではないでしょうか?
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