「シティーハンターは新宿で依頼を待っている」劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
シティーハンターは新宿で依頼を待っている
眠らぬ街、新宿。
とある伝言板に依頼を書き込むと、その男は現れる。
美人がもっこり大好きな困ったスケベ。
が、依頼は必ずやり遂げる。時には我が身を犠牲にしてまで。噂通りの超腕利き。
奴の名は…
冴羽リョウ。
またの名を、シティーハンター!
あの男が、帰ってきた…!
北条司による人気作にして人気キャラ。
アニメ化され、80年代に大ヒット。最後のアニメ化は99年。
リアルタイムで見ていた訳ではないが、再放送やレンタルで結構見た事あり、どちらかと言うと慣れ親しんでいたアニメの一本。
今年はアニメ放送30年という事もあり、ちょっとした“シティーハンター祭”! 20年ぶりの新作となるこの劇場版に加え、その忠実ビジュアルが評判のフランス実写版も間もなく公開。
実写版と言えば…、子供の頃、ジャッキー・チェン主演の実写版を笑ってよく見ていたが、あれ今思うと、トンデモ珍作だったよなぁ…。
さてさて、20年ぶりの依頼は…
何者かに狙われている美人モデル・亜衣から警護の仕事が。が、リョウは相変わらずスケベ心丸出し。
亜衣がモデルを努める今をときめくIT会社社長・御国。リョウのパートナー・香とは幼馴染みで、再会を懐かしむ。
その裏で、ここ新宿をターゲットに巨大な陰謀と戦闘が始まろうとしていた…!
まさしく言葉通りの“帰ってきた”。
現代が舞台となり、伝言板の依頼はスマホで、ドローンやハイテク機器などを取り入れながらも、ノリや作風は以前のまんま。例えるなら、『あぶない刑事』。
アニメだから何でもありとは言え、荒唐無稽、ツッコミ所多々、リアリティーの欠片ナシ。クライマックス、新宿のド真ん中で傭兵との戦闘は、ある意味衝撃!
黒幕の正体もすぐ分かるなど、話そのものや展開もまあまあ。
ギャグも時々お寒くも…。
しかし!
リョウや香、海坊主に美樹、冴子らお馴染みの面々。
ド定番のやり取り、香の天誅の100トンハンマー…。
少々キザではあるものの、クールなシーンやアクションいっぱい。
それらを、作品を彩ってきた名ナンバーに乗せて。エンディングの名曲中の名曲『Get Wild』はやはり最高!
同じ北条作品のあの美人怪盗三姉妹も特別出演! あの海坊主が頭が上がらない!(長女・泪役の藤田淑子さんは昨年お亡くなりに…)
そして何と言っても、決める時は決めるリョウのカッコよさ! 男も惚れる男の憧れ! ゴジラを守ってくれてありがとう!
神谷明、伊倉一恵、玄田哲章、小山茉美、麻上洋子(現・一龍斎春水)らオリジナル声優に加え、ゲスト声優の山寺宏一、SPゲスト声優の戸田恵子ら豪華ベテラン声優陣が勢揃い。歳月経っても声優変わらないのって、いいね。
そんな中に交じって、亜衣役の飯豊まりえが意外に上手くてびっくり!
あ、そうそう、某お笑い芸人が声担当のオカマのファッションデザイナーはちゃんと税申告はしてるよね。
難点はあるものの、安定の面白さ。
昔からのファンには嬉しく楽しく、若い世代にも。
これぞ変わらぬ『シティーハンター』のもっこり魅力!
昔も今も、シティーハンター=リョウは新宿で依頼を待っている。