「プレモルというよりノンアルみたいな作品」劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ 不敗の魔術師さんの映画レビュー(感想・評価)
プレモルというよりノンアルみたいな作品
原作コミック大昔に読破済み。
アニメは夕方の再放送をよく見てました。
結論から言うとカッコ良くもない面白くもない何をやろうともしていない、「今あえてシティハンターを作った理由」が全く見えない作品。
まず時代背景は現代にしなくても良かったんじゃないかなあ。やっぱなんかヘンだし。懐かし需要狙うなら当時の時代感コミで懐かしがらせるべきでしょ。冴羽獠ってやっぱりスマホとか似合わない男だし。
ギャグは「モッコリ」と「ハンマー」に頼りすぎ。何の捻りもない、何度となく見たような定型のやり取りをそのままやるので笑いようがない。それを何度も繰り返すので非常に辛い。様式美として1〜2回やればそれで良かった筈。
結構客入ってましたけど、ギャグは本当に薄っすらした笑いが2回ぐらいかな、後はまったくウケてませんでした。
これ作ってる方はどう思ってたのかな。「自分は笑えないけどファンのオッさん達なら笑うっしょ」とでも思ってたのだろうか。
往年の名曲アルバム的な作りはいいけどちょっとやりすぎで、場面に合ってない曲を流したり、曲を流す為の無理な場面挿入をするなど、あまり上手くいっていない。屋上からの眺めを見せるくだりとか唐突すぎてポカンとした。
「Footsteps」だけはバッチリだったけどね。まさにCHの印籠BGM!
今作オリジナルのBGMは総じてダサい。唯一カッコ良かったのは海坊主のタイマンシーンの時かかった曲ぐらい。
で、敵だけどこれまたあんまり脚本アイディアを煮詰めてない感じ。
戦闘に対する不安を煽る事で平和な地域でも武器が売れる→まあ分かる
だから脳波で操るドローンで新宿を襲う!→普通にテロでもすれば良くね?ていうか脳波で操る利点って何?スティック使えば?
新宿を襲う理由は子供時代にちょっとイジめられたからだ!→理由ちっちゃ!ていうか完全なるイカレポンチやん。だったら知能犯的な空気出さないでよ。
CHって基本的に北斗の拳とかと同じで「主人公の圧倒的強さ=カッコ良さ」が最重要要素で、それをいかに見せるかが大事だと思うんだけど、一番盛り上がりたい終盤でドローン相手にショットガン撃つのを繰り返すような単調なものになっちゃうのもどうかなぁ。
そうでなくてもアクションは全体的に単調で、「冴羽獠の常人離れした凄さ」の表現がないので退屈。「マズルフラッシュの一瞬の光で敵を正確に撃つ」とか、「跳弾を当てる」とか、そういう凄さ表現の新味あるアイディアを最初から入れる気がない。
他にもキャッツアイの取ってつけた感とかツッコミどころ満載。これならhuluでTV版観た方がいいと思う。褒めたかったんだけど無理でした・・。