「キャラ弁を通じての意地の張り合いが愛おしい♪」今日も嫌がらせ弁当 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラ弁を通じての意地の張り合いが愛おしい♪
美味しそうなお弁当に自然豊かな風景。面白そうな設定で気になってた作品を期待して鑑賞しました。
で、感想はと言うと…すっごく面白い♪
面白くて、心がなんか洗われる感じと暖かくなって、涙が溢れて、感動してととても良い作品。
娘の双葉は母親のかおりについ素っ気ない態度を取りがちになる思春期で反抗期の高校1年生。シングルマザーのかおりはコミュニケーションを取りたがらない双葉にワザとウザがられる様なキャラ弁を毎日作る様になる。
手の込んだキャラ弁にウザいと思いながらも、クラスメイトには大人気。
キャラ弁を通じての嫌がらせなコミュニケーションが幕が上がる…
10代の反抗期って、なかなか素直になれない気持ち、すっごく分かります。
それを母親が手の込んだキャラ弁で対抗すると言うのがナイス♪
実話を元にしているとしても、これだけでぐわっと魅了されました。
この作品、会話のテンポが凄く良いんですよね♪
また、小ネタも効いてて、キャラ弁のお笑い芸人さんのアフレコも楽しい。
八丈島の風景も良くて、なんか心が豊かになる感じ。
また八丈島の風景も相まって、登場人物が皆良い人なんですよね。
特に双葉のクラスメイトが皆良い奴ばっかり。こんな高校時代なら良い青春を送れますよ♪
東京都内であっても、就職をする時には23区に上京するかは大きな選択を迫られる。それが物語のアクセントになって、青春映画としても成立させてます。
篠原涼子さんの母親役がとてもしみじみ良い。
初期と言えど、脳梗塞で母親が倒れたら、誰だって上京を諦めるのに、娘の門出に敢えて厳しい態度に出る。ファンキーで可愛らしい良い母親を演じられてます。
ただ、退院直前とは言え、最後のお弁当作りは止めて! もうハラハラドキドキしましたw
次女の双葉役の芳根京子さんも凄く良い。篠原涼子さんに少し似てるかな。多感な年頃と良き娘を上手く演じてます。
松井玲奈さん演じるお姉ちゃんの若葉が良いバランスで二人をサポートしてます。
佐藤隆太さんと篠原涼子さんのブログを通じての関係はラスト近くまで観たら、なんか消化不良な感じでしたが、エンドロールの最後で納得♪
この形なら文句無しです。
佐藤隆太さん演じるシングルファーザーの岡野信介の息子の健太郎役の鳥越壮真くん。良い子です。こんな息子なら“お父さん、頑張るよ!”となりますわな♪
お弁当って普通に作るだけでもかなりの手間で、それに色彩豊かになんて、更に作るのに手間が掛かるだけでなく、材料費もかなりの出費。
その上キャラ弁なんて、大変この上ない。
タコさんウインナーの目玉1つ作るだけでもスライスチーズが必要って普通なら無駄も出るし、面倒くさい。
キャラ弁を作るのが楽しいのも分かるけど、この行程をこなすには愛情が原動力としか言い様がない。この歳になって分かりますが、ホント頭が下がります。
母親が作ってくれたお弁当にこんなに手の込んだ物の記憶は無いんですがw、それでも今に思うと毎回お弁当を作ってくれた事って凄く有り難かったかなぁとしみじみ思います。
また、せっかくお弁当を作ってくれたのにキツい事を言ってしまったりと、この作品を観て思い出して、なんて自分は親不孝なんだろうとつくづく思いました。
今ならお弁当を作ってくれた事だけでも十分感謝なのに、若さゆえの過ちなんて言葉だけで片付けられない、自分の馬鹿野郎加減にホント後悔します。
そんな観てて自責の念に苛まれても、ラストになっての感動に大号泣。
双葉が卒業式の時に開けた特大のお弁当には涙が溢れました。
また、信介の息子の健太郎がパパに“また平仮名のお弁当作って。僕頑張るよ”にも泣き。
双葉がかおりにキャラ弁を作って、お弁当に添えた手紙にも泣き。
ラストの双葉が旅立つシーンにも泣き。
そして、エンドロールの最後にかおりと信介の待望の出会いで大団円。
ラストは泣きの連続です。
あと、八丈島の車のナンバーは品川ナンバーと言うのも勉強になりましたw
笑って、泣けて、ドキドキして、心が暖かくなって、大感動!
これ、物凄い良い作品で完成度高いですよ!
今年の邦画の中では屈指の作品ではないでしょうか。
絶対お薦めの作品です!