「空腹注意」今日も嫌がらせ弁当 snagaiさんの映画レビュー(感想・評価)
空腹注意
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おおよそのあらすじは分かっていたので,予告版以上にどう映像化するのだろうなあ,と鑑賞。
結論から言えば,特段のひねりはなく原作通りといえた。反抗期に入った娘(芳根京子)に業を煮やし,クラスメイトに見られたら恥ずかしかろう,というキャラ弁を作り続けるシングルマザー(篠原涼子),それを受けて腹を立てつつも結局食べてしまう娘の和解がメインストーリーだ。
映画ならではのポイントといえば,大画面からのキャラ弁,そしてラストシーンにつながる弁当の部分ではあるまいか。原作リスペクトを含め,見事な仕上がりだ。卒業弁当は予測していても涙腺が緩んでしまう。
端的にみるとキャラ弁はそれはどは美味しくはなさそうなのだが(これは私の好みとしてだ),完全に空腹時に観てしまったがゆえに,静かなシーンで腹が鳴らないか気が気でなかった。
篠原涼子・芳根京子の設定だけではちょっと陰気になったように思うが,姉役の松井玲奈が意外な好演で暗さを和らげていた。最後の身代わりや見送りシーンなどは,定番とはいえ泣かせにかかっているな,という演出だった。
若干ひっかかるとすると,シングルファーザー役(佐藤隆太)とのからみが必要だったのかはよくわからない。あれはあれで,へたをすると(放映後の時間軸で)家庭内不和を招きそうだと思ってしまった。
Blog含む原作好きや,単に役者が好きな方にもおすすめだ。孝行したいときに親はなし,必ずしも映画館で見る必要はないが,少し時間が空くようなら行ったがいい。ついでにEDソングはおすすめ。
この作品は,キャラ弁を作るにはどれだけ相手への愛が必要か知らしめるものだと思う。
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