スターリンの葬送狂騒曲のレビュー・感想・評価
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皮肉だらけの歴史劇
イギリスとフランスの共同制作作品だけに、イギリスのブラックジョークと、フランスの嫌味と皮肉がブレンドされ、旧ソ連の政治家たちが全員人間のクズに描かれています。
急死したスターリンの後継者争いを、(歴史に沿ってはいるものの)滑稽に描く様は、日本でいうと「ドリフ大爆笑」とか、「LIFE~人生に捧げるコント」みたいなノリ。
コメディに徹しているので、それぞれモデルの政治家に似せようって気持ちはかけらもない。
スターリンを荒井注がつけ髭だけで演じたり、フルシチョフをムロツヨシが演じたりするイメージ。
面白いっちゃ面白い。
楽しいのだが、黒すぎて一般受けしなさそうな。
スターリンの再来的運営をしているプーチン政権下では、この映画がロシアで上映出来なかったのはもっともかと。
まあまあだった
スターリン時代のソ連は全く馴染みのない世界で、どんな様子だったのか垣間見ることができてなるほど〜と思った。ちょっとしたパワーバランスや空気で立場や人生、命までも大きく変わってしまう恐ろしさがユーモラスに描かれていた。ブシェミがすっかりおじいさん。
ただ、あまり関心のない題材だった。誰が誰かもあんまりわからない。
意外とそんなにコメディでもなかった
ブラックコメディ的なところもあるけど予告編で期待したほどコメディではなかった
主演は大好きなスティーブブシェイミだしマイケルペイリン久しぶりに見たけど、別に特に分かりやすく面白い演技をするわけではない
出番は少ないがピアニストの女優さんが綺麗だなと思ったらオブリビオンの人だった
ブラックだがコメディとしては…
独裁者スターリンの死去によるソ連指導部の混乱を描いたコメディ。
当時の政治状況を知っているともっと楽しめたのかもしれないが、笑える場面はそれほどない。個人的にコメディとしての評価は高くならない。
それでも当時のソ連がどれだけの恐怖政治だったのかは伝わってきた。どれだけ腐敗していたのかも。
ブラックジョークというより
スターリンの死を境に勃発する側近の権力争いを、コメディとして描いた作品。昔からのネタなので、使い古された感じが懐かしく感じて観に行った。
ジョークの面はそれなりで、ドタバタ劇を期待していたので、その点では消化不良。この手の世相をネタにさせたら最強の、モンティ・パイソンには到底かなわない。
それでも、全体はよくまとまっているので、歴史の勉強と思えば楽しいかな。
スターリン後の権力闘争について、これまで史実に忠実に再現した作品が...
スターリン後の権力闘争について、これまで史実に忠実に再現した作品がなかった、もしくは自分が探せなかったのかもしれないが、ベリアとフルシチョフの権力闘争がリアルに描かれて勉強になった。
敷居の低いブラックユーモアに見えて、実は…
※核心には触れないようにはしていますが、若干のネタバレありです。
最初に言っておくと、別にこの映画の世界観について何も知らなくても前半のブラックユーモアをそれなりには楽しめるでしょう。
しかし当時のソ連の状況や登場人物の事情を事前に頭に入れた上で映画を見ると、作品にちりばめられた演出や示唆を通して全編を通して楽しめる映画となります。
ベリヤは夕食の席でスターリンに何をしたのか
なぜ委員会のメンバーはベリヤを極度に恐れたのか
モロトフがスターリンにあれだけの仕打ちを受けたのに後半はスターリンに固執するような態度を取ったのは何を意味するのか
ジューコフがベリヤを嫌っていたのはなぜか
終盤フルシチョフが近づいていた委員会メンバーは誰だったか
そしてラストシーンでフルシチョフを見つめる「彼」は一体…
列挙しだすとキリがありませんが、登場人物にまつわる事実から噂話まで多くの隠し味を含んでおり、知っていれば知っているほど面白いのがこの映画の真骨頂と言えるでしょう。ウィキペディア程度の予備知識で構わないのでぜひ下調べを済ませてから鑑賞してはいかがでしょうか?
粛清級のジョーク
とても笑えるコメディだった。もっと笑えるのはこれが実際にあった話だということだ。
モロトフがスターリンから遠ざけられている時期だったのであまり彼の出番はないかと思っていたが割と序盤でスターリンが死んだので彼がカムバックしてきた。妻を悪し様にフルシチョフと言っていたところ、ベリヤが彼女を連れ帰ってきて掌をクルクル返すのは愉快だった。
スターリンの娘役の人の演技が個人的に良かったと思う。凄く人懐こっくて明るいが、琴線に一度触れると冷静に早口で詰めてくる。女版スターリンを意識したのだろうか。作品を通じて存在感があった。
帰ってきたヒトラーとパターンは同じだと思う。不謹慎な風刺で笑いをちりばめつつ、問題提起をする。ただ帰ってきたヒトラーと違って、今現在の問題点をあからさまに提示するようなものではなく、むしろヘンテコな社会主義、委員会とは名ばかりの独裁と奇妙な官僚制が混在したあの状況下をいかに生き抜くかを描くことで、連の歪さをシニカルに描いた。
やっている所が少ないが足を運んで是非見て欲しいと思った。
ブラックコメディ 実話
独裁者スターリンの死後巻き起こる、クズな側近たちの狂気のイス取りゲーム。
ブラックユーモアたっぷりだが、これが実話なのだから、いい攻めっぷりだ。
ヒトラーと並びスターリンの行った大量虐殺は歴史の真実であり、絶対許されない。いくらこき下ろしても足りないのだと思う。
独裁者の末路
お笑い要素はともかく、実際こんな感じで政権交代していったのでしょうね。もっともらしい理由づけはあとからどうにでもなるし(His Story=HISTORY)。
信頼できる身内がいないと独裁者は裸の王様。しかし身内はちやほやされて育たない。それでも身内に移譲できる半島の事情は??
独裁者が変わっても同じことの繰り返し。
プーチンがうまく長期政権を確立した状況を考えてしまう。
ソ連崩壊時の混乱期には誰もKGBの処理に気が回らなかったのか、あきらめたのか。
愉快な"不愉快さ"。
この作品の面白いと思えるところはこれに尽きるのでは、と思います。
そしてそれが何より実話を基にした話しだというのだからなおさらです。
ソ連の絶対的存在・スターリンの死後の権力争いをコミカルかつシニカルに描いたこの作品、観終わって思ったことは「あぁ、こらロシアで公開禁止になるわな」ということ。
映画にするにあたってエッセンスとして加えられたのは「ぎこちなさ」から生まれる「不協和音」。
その「不協和音」が愉快な"不愉快さ"を生んで、不思議と物語に引き込まれていきます。
映画だから、と思いながらもどこかやりすぎな部分も「本当にこんなんだったんかなぁ」と思えてしまう不思議。
おかしな設定を逆手にとってより現実味を持たせる、演出と構成のうまさが垣間見れました。
ただ、やはり史実。終盤は中盤まであったシニカルな笑いは陰をひそめてエンディングを迎えます。
個人的には最後までコミカルかつシニカルさを追求して欲しかったなぁ、と思います。
不謹慎だけどニヤけてしまう。ブラックユーモア満載の風刺作!!
【賛否両論チェック】
賛:当時の体制を、笑いに包んで痛烈に風刺するストーリーが痛快。権力闘争に奔走する人間の滑稽さも透けて見えるよう。
否:ブラックジョークが満載なので、人によっては苦手かも。ストーリーも結構単調。
言うまでもなく、世が世ならタダでは済まないようなブラックジョークが、次から次へと登場します(笑)。スターリンが虫の息で床に倒れている状況下で、
「医者を呼ぶには委員会を開いて全会一致が必要。」
「腕の良い医者は皆投獄されています。」
なんていう辺り、ブラックユーモアが満載で、思わず笑ってしまいます。
そんな笑いのオブラートに包みながら、なんとか権力闘争に勝つために、付和雷同したり寝返ったりと奔走する人間達の浅ましさも、同時に感じさせるようなお話でもあります。
展開そのものは結構淡々としているので、歴史に興味がないと案外退屈してしまうかも知れませんが、気になった方は是非。
あまり笑えないが政治ドラマとしては面白い
さすがに英語のギャグはわかりにくくて、笑えるところは少なかった。
しかし、歴史に名を残す錚々たる面々が、独裁者の死を前にしてあたふたする様は実に面白い。これがほぼ史実なのだからなんともはや。
恐ろしいほどのバカバカしさ
スターリン体制後の権力争いのバカバカしさが史実に基づいているところが、怖い。どうしても昨今の粛清と呼ばれる恐怖の権力が浮かんでくる。「過去に恐ろしく愚かで悲しい人間がいた」ではなく、現在も似たような世界があるのではないか、人間として誰もが「生きること」が認められているはずが、支配者の価値観次第で抹消されているのではないか、「リスト」に載らないようにただただ、おびえながら支配者の意にそぐわないように息をするだけの人生が今でもあるように思ってしまう。監督のアーマンド・イアヌッチは政治風刺で評価されている人。ここでも昨今の嫌な空気に警鐘を鳴らしているはず。
何で英語?
スターリンの死によって起きたソ連の実際の政局変化を裏ではこんな騒動がありましたという体でみせるブラックコメディ。
ブラックコメディといっても下品に騒ぎ立てるばかりで面白おかしいという感じはあまりせず、早々に飽きてしまった。
それと、イギリス映画だし、コメディだし、自分はロシア語も英語も良くわからないけど、全編英語でつくっているのがちょっと引っかかった。
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