パラレルワールド・ラブストーリーのレビュー・感想・評価

主演が玉森裕太、脇に染谷将太を迎え東野圭吾原作という今作。大々的な宣伝をし役者ありきな作品は避けていた為めっきり邦画から遠ざかっていたが十分見ごたえのある作品だった。まず劇場で鑑賞するであろう主演俳優のファン層を鑑み、色々と易しい物語に改編されていようと半ば諦めのような気持ちを抱きつつ鑑賞したが陰湿さと救われなさが観客に重苦しい読後感をもたらす原作者の本そのままに仕上がっており万人受けなど眼中にない監督、キャスト、スタッフの本気を感じた。壊れていく倫理観にこちらの背筋も冷たくなる。また主題歌が素晴らしい。わあ面白かったなど易々と口に出せない恐ろしさがじわじわと帰路で込み上げる今作は是非映画好きに見ていただきたい。

小説を読んでたので、どうやって映像化するのかとても楽しみにしていました！
ここまで映像化できたのすごいな〜と。
役者の玉森さん。テレビで拝見する彼とは全然違って、主人公そのものでした。
とても苦労したんだなぁと映画を見終わり思いました。本当にもう一度見たくなる映画です。

始めに東野圭吾さんの作品は殆ど観ていましたので、今回も期待大でした、原作の小説も既読しており、大体の内容を把握して臨みました。

確かに映画化は難しいと言われるだけあって、時系列の描写で混乱する視聴者が出てくることは分かります。しかし、既に原作を読んだ者にとっては、始めから登場人物の気持ちを分かった上での観賞なのでスムーズに入れた気がします。

少し気になったのは、三角関係の描写ですかね。
一目惚れした電車のすれ違いは、淡い初恋のようなトキメキを感じさせますが、その後、麻由子は偶然なのか作為的なのか分かりませんが、実際に崇史と再会してしまうことから（TVCM）悲劇のストーリーが始まります。

ある意味、影の立役者は、麻由子の方ですね。男にとっても色々な意味で怖い女性でした。
この一連のストーリーで思い浮かんだのが、設定などは全く別物ですが、「NEXT」や「トータルリコール」というハリウッド映画です。

記憶の改編と恋人が実はスパイだったというものは以前からも沢山ありますが、東野圭吾さんの初期の作品としては、まるでこのハリウッド映画のような描写イメージで読ませて頂いていました。

また、話題の崇史と麻由子の気持ちが一気に盛り上がるラブシーンは、原作とは違って多少残念です。
『淡々と』崇史が一方的に麻由子をレイプ紛いのように扱うという話でしたから。

映画で、麻由子は始め拒否していたのにすぐさま「待ってました」とばかりに自ら進んで激しいメイクラブをされている(笑)ここで多少別の映画館で観るものかなと焦りました。
この辺りは申し訳ないですが、興ざめポイントですかね。

彼女の恥じらいも初々しさや純潔性も一気に崩れた瞬間です。
小説では無味乾燥なベッドシーンでしたので。

ベッドシーンを激しめに見せて視聴者にアピールする狙いはなんだったのか？
麻由子の隠された情熱的な性格を疑わせます。ここが原作の楚々とした才女で男性経験のないイメージが覆りました。

ただ、演者の吉岡さんや玉森さん、演技派俳優として若手トップクラスの染谷さんの演技が全身全霊で、観ているこちらの心を打ちました。
森監督が見初めただけある主演役者さん達だったと思います。

今度この映画をハリウッドでリメイクされたらもっとスリリングで凄くなるのではないかなと期待してコメントを終えたいと思います。

原作は未読、東野圭吾が好きなので鑑賞。

東野作品のイヤーなところがよく表現できていた。観た後のイヤーな気持ち。イヤミス好きにはたまらないが、東野らしくどこかさわやかさのあるラスト。

染谷くんの演技が本当に良い。モテない理系男性あるあるなしゃべり方、動き、表情。うまい。
主演もジャニタレとは知らずに見たので見終わった後、調べてびっくり。あんなクズな役をジャニタレもやるのね。男二人親友同士のお互いへのコンプレックスや嫉妬、愛憎がとてもうまく描けていた。最近の子は芸達者ね。
吉岡の棒演技も最初白けたけど、この映画の役回り的に大正解でうならせられた。

宇多田ヒカルの楽曲がこの映画の為の書き下ろしでないことにも鑑賞後びっくりした。アルバムの中のこの曲を見つけてきた監督には拍手を送りたい。

映像の撮り方にもトリックがあるとのことで、原作を読んでからもう一度鑑賞したくなった。

原作の小説読んだ上で観に行きました。
基本的に多くを語らず、間を利用し、観た人に感じ方を委ねる映像化の仕方だなと思いました。
原作よりももっと崇史の葛藤や嫉妬といった感情にフォーカスを当てているので、私は正直見ていて辛くなりました。そして多くを語らない分、麻由子や智彦も少し酷い人間に見えました。
でもきっと監督は人間はそんなに綺麗な感情だけでは生きていないということを伝えたかったのではないのかなと。
ラストの展開はこの映画を観た人と意見を交わしていくと面白いのではないのでしょうか。どれがハッピーエンドなのかはバッドエンドなのかは人それぞれだと思います。

キャスティングは正直違和感のある3人だなというのが初めての印象。笑
しかし監督があえて違和感のある3人を選んだとおっしゃってたので想定内だったんですね。
玉森くんは頭が良くて闇があってという役がピッタリですね！本当に自分を追い込んで演じているのが伝わってきたからこそ観ていて辛かったです。
麻由子はある意味ちょっと女の狡い部分があるので吉岡さんのあざとそうな感じがハマっていたり。そして原作で描かれているビジュアル通りです。
染谷くんは言わずもがな。演技派なのでほんとちょっと冴えないけど頭のいいヲタク的な感じに、こういう人いるいる！と頷くほど。笑

3人それぞれの目線で見直すとまた感じ方が違うので何度観ても楽しめる映画です。というか何度か観た方が楽しめる映画ですね。

先に映画をみてその後、原作を読みました。
原作は細かい心情や説明が文章にしてあるのでわかりやすく、1度読んでスッキリ満足しました。
映画は108分で表現しているので終わった後もたくさん頭を使ってたくさん考えて難しい映画だなと感じました。
しかし原作読んだ後は、たったの108分でここまで作り上げられていて驚きました。
映像化不可能と言われていた作品だとは思えないほど素晴らしい作品だと思います。
個人的に映画版のほうが好きです。

1回目は謎解き感覚だけで見ていたので1人1人の表情や心情を意識してもう一度見直したいと思いました。

ジャニーズが主演するとそのファンが必死にあの手この手で大絶賛し、高い評価を付けるので一般の映画ファンには感想が全く参考にならず迷惑でしかない。

東野圭吾作品なので観に行ったが（原作はかなり前に読んだ）
画面が終始暗くテンポも悪く退屈な時間だった。
唯一良かったのは染谷将太の演技だけだった。
ジャニーズの人は肌がとにかく汚く華やオーラがなかった。
リアリティを求めてあえて美しくない撮り方をする事もあるが例えば小栗旬や藤原竜也ならそれでも華があり迫力もあるので惹き付けられるのだが。演技力も主役には無理がある。
配役ミスと脚本の悪さ。。。おすすめしません。

冒頭の電車のシーンから一気に迷路に迷い込んだような感覚がワクワクしました。また、パラレルワールドという異質な世界で描かれているからこそ、人間の嫉妬や自己中心的な部分絶妙に浮かび上がって楽しめました。

玉森さん、染谷さん、吉岡さんが人間の陰の部分を丁寧に演じられていて物語の世界や彼らの感情に入りやすかったのだと思います。

観終わった後の、なんとも言えない気持ちが描きたかった人間の心の複雑さなのかな。愛って身勝手なものなの…

最後まで見ても回収されない部分が残りすっきりしないかも。見る側に委ねたということなのでしょう。やっぱり何度か見て更に考えるべきなのかな？

最後に響く宇多田ヒカルさんの歌、痺れます。

人間の奥底にあるイヤーなところが表現されてる、けっしてスッキリはしないけどなんか分かってしまうリアリティ。嫉妬心丸出しで自分のことしか考えられなくなってる玉森演じる主人公は嫌な奴だけど、段々理性で嫉妬心をコントロールできなくなってるところの表現が上手かった。吉岡里帆はカルテット以来のはまり役。染谷将太は理系の研究者ってこんな感じだよねと感じてしまう上手さ。
原作を読んでいたのに最初観た時は時間軸がよく分からないままラストに突入したけれど、思わずもう一度観たら演出の細かい仕掛けが分かってより一層楽しめた。結末分かってからもう一度観ると更に楽しめる映画だと思う。

今日5回目の鑑賞です何度観ても心揺さぶられ引き込まれる世界面白い
また観たいすぐ観たいと思う映画ですね
謎が解けた瞬間はスッキリします
また観に行きます

映画を観た後、ん？って思うことがたくさんありました。そしてパンフレットを購入し読んでみると分かりやすく解説されていました。あの時のあれはそういう事だったのか！とわかりもう一回観に行きました。
主人公の崇史目線で映画を観ましたが今度は麻由子や智彦の目線でもパラレルワールド・ラブストーリーを観たいと思います。
なんだか人にオススメしたくなる映画ですね。

あっという間の108分とうたってるだけあって、1回目は頭フル回転でパラレルワールドの世界に引き込まれます。あれ、あのシーンはどっちの世界？とまた観たくなる映画です。

謎が解き明かされるまで、頭フル回転でした。見終わってみると、そういうことか！とわかる場面もあり、見終わった後も楽しめる映画だと思います。自分で考える場面もあり、誰かと一緒に見て感想を言い合うのも楽しみ方の一つだと思いました。もう一度見たくなる映画でした。

登場人物3人の気持ちが、恋愛と友情と仕事で絡まって、
上手くほどけなくなって、切なくて辛い。
でも、話の中に引き込まれる。

予告で使われている謎解きミステリー。
それ以上に人間ドラマが濃い。身勝手な若者達が恋や嫉妬、立場が逆転する事で狂っていくざまは同情しにくい部分もあるが、想像ではなく演者達が命を吹き込んだことにより原作より登場人物に感情移入できて映画版もありかなと。
ラストは映画オリジナルだが、原作でモヤモヤしてた私にはいいANSERでした。

aとbの世界を行き来する所では画面を真っ黒にしてカットをかけたりしてないので、原作の様に目まぐるしくどちらの世界か分からないように進む演出は巧みでした。フィルムで撮ってるのもシークレットサイトを読む事で、とても映画らしいと感じた。

冒頭での電車のシーンの“これからロマンチックな恋が始まるようなワクワクした世界観”とその後の“緊迫した世界観”とのギャップが良かった、
どっちの世界なのか分かりにくいというレビューもあったが分からないからこそ自分で推理しながら答えに辿り着く面白みがある。
原作を読んでいなくても充分理解出来たし気づいたら必死に考えながら見入っていた。

登場人物の誰にも感情移入できなかったがそれがまた良いのかも。人間誰しも自己中で醜い心を持っている...嫉妬、孤独、後悔。
これを見て現実から逃げ出さずに頑張ろうと思えた。

パンフレットも合わせて読むとさらにこの作品の世界観に浸れるし時系列も整理できてより面白い！

わかりやすい作品ではないので好みが別れるとは思うが個人的には面白かった。パラレルワールドの謎解きよりも登場人物の心の機微に見応えを感じた。それぞれが少しずつ自己中心的で外からみていると鼻につく、けれど彼らの傲慢さや羞恥や嫉妬といった感情はとても人間らしくて嫌なやつらだと決めつけられるほど自分は強い人間ではないなと改めて考えさせられた。あと美しい男が嫉妬に狂う姿や清廉な雰囲気の女がみせる艶やかな姿は単純に見応えがあった。

東野圭吾さんの小説は、最後が慌ただしく展開するパターンが多い。この話はただでさえパラレルワールド、その上、ラストの急展開で、おバカな私は何度読んでも、なぜ、パラレルワールドができてしまったのか、理解できていなかった。

映画では、後半の展開にゆとりを持っていて、解説を加えながらの流れ。あー、そういう事か、と理解。

その後、本を読むと、あちこちにヒントが散りばめられている。

映画と原作、両方を順に読みながら、頭フル回転で堪能できる作品だと思う。

あと、ミステリーのイメージでこの映画を観に行くのは良くない。どちらかというと、ヒューマニズム？ 人の心情や弱さ、儚さ、切なさ…。そういうものを感じた。

何度も見たくなる世界でした。色々な視点から楽しめます。

始まってからすぐ引き込まれる映画で
あっという間に108分でした。

切なくなるシーンが印象的でした。

映像化が難しいという作品の中玉森裕太さんはとことん主人公になりきって演じていました。
2回は観たい映画です。