アイネクライネナハトムジークのレビュー・感想・評価
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絶妙コンビ
最近、本作をじわじわとしっかり鑑賞した。今迄何回観たか数えきれない程観ているが、三浦春馬さん登場場面中心にしか観ていなかったので評判程、いいとは感じてなかった。
だのに、である、先日は美緒と久留米の高校生カップルのくだりもなかなか微笑ましいじゃん、貫地谷しほりとボクサーカップルも支え合っているなぁ、矢本悠馬と森絵梨佳の野獣と美女夫婦もなかなか味が出てるなぁ、とか素直に受け入れられたのである。虐められていた少年が成長して藤原季節になり活躍しているなぁ、とか。
すると、本作の評価も上がる。
皆さんの仰る通りだ。
そして三浦春馬さん、ベストカップル多部未華子さんとほほ10年ごと3回目の共演。
キラキラオーラを100%消してどこにでもいる会社員の兄ちゃんになって演じてくださった。美緒と出会した時のあの無防備な表情と服装、会社員やってる時もいつもと違い肩を落とし気味で頼りなさを表しているのか、どこにでもいそうな兄ちゃんだけど、この人は、と思った人は世界に一人。その相手の事を気持ちも含めて大事に大事にして来たのが後半わかる。
登場人物の皆さんが、この人だったからでしっかりと見極めて愛を育てている。浮気•不倫•二股‥‥なんて言葉は無関係。素朴でいて唯一無二のそれぞれの愛に心が清々しかった。ただ、泰造さんは何故別れた?
30代におすすめな映画。
この作品は好き嫌い分かれるかな〜と思います。
個人的には単調であまり好きではないですが、
その割には興味を持って見ることができましたし、
見終わった後も嫌な感覚(時間がもったいなかった)などは無かったです。
ドラマでは難しいでしょうし、映画作品にした点は納得です。
私自身が今結婚して数年経った立場であり、子供が産まれる、という状況ということもあり、
内容としては共感が多かったです。
出会いがポイントとなる映画ですが、
映画で言われる、あなたと偶然出会えて良かった、ではなく、出会えたのがあなたで良かった、という言葉や、
人生は小さな出来事の連続で、小さな出来事が積み重なって大きな出会いを生んだり、一生の付き合いができる友人と出会ったりする。
映画を見ながら、夫との出会いや、友人との出会い、大人になってから仲良くなった人とのきっかけ、などを色々思い起こしました。
30代におすすめな映画かと思います😉
美しき巡り逢いの連鎖
Paraviで鑑賞。
原作は未読です。
伊坂幸太郎原作作品らしく、機知に富んだ会話や鮮やかな伏線回収が素晴らしい限りでした。原作は連作短編集だそうですが、過不足無く繋げられており、さすが過去に伊坂作品を手掛けた脚本家さんの手腕の賜物だな、と…
俳優陣も言うこと無しで、誰もが出色の演技を披露していました。特に三浦春馬さんに関しては、もう演技する姿を見ることは出来ないのかと、非常に残念に思いました。
私がこの世に生きているのは、父と母が出逢ったおかげなわけですが、聞いた話によるとその出逢いは決して劇的でもなんでも無く、単に会社の同僚で、ひょんなことから父が母のためにラジコンカーをつくって上げたのがきっかけだそうな…
子供の頃、母に何気無く訊ねたことがあります。「お父さんと結婚して良かったって思う?」と…。その日の前夜、母と父は大喧嘩して、えげつない罵り合いをしていたからです。
子供心に夫婦の危機みたいなものを悟ったのか、そんな喧嘩の直後によくもまぁそんなことを当事者に質問出来たなと今になっては思いますが(父には怖くて訊けなかった)、その時母はこう応えたのでした。「そんなん当たり前やんか。昨日みたいに嫌なこともたまにはあるけど、結婚せんかったら良かったなんて思ったこと無いし、お父さんと結婚せんかったらあんたは生まれてへんのやから、そんなこと思ったこと無いで」。
私の頭を撫でながら言った母の笑顔が忘れられません。本作を観てそんなことをふと、思い出したのでした…
運命なんて大層なもんじゃないのかもしれない。その日その場その瞬間に、ただそこにいたと云う出来事が結んだ縁…
私の父と母がそうであるように、どこにでもある出来事ながら、それは奇跡みたいな巡り合わせだったんだなぁ、と…
私もいずれは、そんな巡り合わせによって誰かと出逢い、恋をして、新しい命を育むことになるのだろうか?
何がきっかけになるかは分かりませんが、恋して愛した相手との日々は不思議な相互作用を伴って美しき連鎖を紡ぐ…
とてもいい映画を観た、と云う余韻に浸っています。
原作も読みたくなりました。
全てがつながる
みんなつながってました。
そしてみんながみんな繋がりから得るものがたくさんです。
ステキな人と人の繋がりの映画でした。
ステキな作品でした。
すごくたくさんの人間模様があるのに
すべてしっかりわかりやすくみれます。
素敵でした、みてよかったです。
ウィンストン小野、ガム君
え、弟がこれ?
ここで泣けてくるんだから、もうどこでも泣ける。
いろんな話が出てきて、胸が詰まる感じでした。
ガム君、高校生以外の役、初めて見たかも。
しかしまあ、多部未華子さんを何故出番少ない?笑
こういうほのぼのした映画も大好物。
なんだか、不思議と人との出会いを思い出したくなるお話でした。
冷蔵庫にスイカがあるのを思い出しました。
脚本がよくできてると思う素敵な映画です。
いい作品
伊坂幸太郎の原作を基にして作られた本。
実際の小説だと短編集のようになっているけど、映画でそれが上手く繋げられていました。
ボクサーから始まりボクサーで終わる。
出会い方よりも出会ってからこの人で良かったなと思える事の方が幸せ。
自分ももう少し色んな人達と出会ってきて今そう思えているかなと考えてみたい。
それで少しでも良かったなと思えたら幸せなのかもしれないな。
タイトルの意味・生まれた経緯
日曜邦画劇場を録画してみました。
軽部真一さんが最後解説しておりました。
(以下そのままの言語)
タイトル『アイネクライネナハトムジーク』
伊坂幸太郎監督 原作のタイトルと同じ
ドイツ語で直訳すると 『小さな夜の音楽』
モーツァルト作曲 セレナード第13番ト長調
『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
今泉監督は、この曲はいっさい使わず、
斉藤和義さんの『小さな夜』を使用
伊坂幸太郎さんは、斉藤和義さんの大ファン
それを知った斉藤和義さんが
伊坂さんに作詞をオファー
しかし伊坂さんは、小説ならと短編小説を書き下ろす。
するとそれを読んだ斉藤さんが歌を作って
今度はこの曲に色厚され 伊坂さんが短編を執筆する…
そういったやり取りから いくつもの小さな物語
が連なって生まれて短編集に
アイネクライネナハトムジークに結実した。
という事である 連なって不思議な出会い繋がりで結ばれた世界。
【感想】
タイトルの経緯など改めて聞くと とても良い作品だと改めて思いました。そして、たんたんと話の中に自然に溶け込めて 路上で歌ってる『小さな夜』も本当に作品と相まって 最後もスッキリと心地よい物語で終わっていくので 良かった〜。原田泰造さんも演技が上手だなぁと改めて思いましたし、三浦春馬くんも 不甲斐ない役プロポーズの時とか女からすると 何なのさ!ハッキリと明るく言わなきゃ!とむず痒い表現
本当に素晴らしい俳優さん 見れないと思うと本当に
惜しまれます。泣けてきます。
友達におすすめしたい映画でした。
返す返すも三浦春馬さんの演技がこれから観られないことが残念でなりません。
全くの予備知識なしで臨んだため「ん?主役は誰?どう展開していくの?」って思いながら観てるといきなり10年後?!最初は面食らいましたがだんだん進むにつれ色々な伏線が回収され観終わったときは納得となんとも言えないほんわかした気持ちになりました。
原作は短編連作なんですね。さすが売れっ子作家、伊坂幸太郎さんのストーリー展開。なかなかこの時間内に収めるのが難しい数々のエピソードを違和感なく散りばめた今泉力哉監督の力量に感動しました。ヘビー級ボクサーの10年間(+弾き語りストリートミュージシャン)に色々な男女が絡んで最後はなんとなくハッピーな雰囲気!なかなかいいですね。
久留米さんちのお父さんも息子さんも同じパターンで美緒ちゃんを救ってあげるくだり、思わず笑っちゃいましたがその直後の告白、ギター弾きのところで再会。いいですね。
また主人公?であろう佐藤(三浦春馬さん)と紗季(多部未華子さん)もこの場所がきっかけでなかなか素晴らしい場面構成です。(こっちが先でしたね!)お二人ともいい空気感を醸し出してましたよね。くたびれた先輩サラリーマンの藤間(原田泰造さん)もここを何気なく通り過ぎてましたよね。でも特筆は今や欠かせない脇役の王者織田(矢本悠馬さん)ちょっとウザいけど泣かせてくれますね。
また彼らが助けてあげた少年の10年後、藤原季節さんが何も語らず多くを語ってくれました。
若いカップルから熟年夫婦まで二人で観てほしい作品です。僕は好きな映画です。
てゆうかさ、「あと」っていつ?
映画「アイネクライネナハトムジーク」(今泉力哉監督)から。
本来なら、何度も繰り返される
「出会い方とかそういうの、どうだっていいんだよ。
いいかよく聞け、あとになって
あの時、あそこで出会ったのが彼女で本当によかったって、
こういうように感謝するのが一番なんだよ」
「結局さ、あの時あの場所で出会った人が、
この人で本当によかったなぁって、あとで思えるのが一番なんだよ。
自分の幸運に、あとで感謝できる出会いが一番なんだって」
なるほど・・と思いながらも、天邪鬼の私は、
この決め台詞をドヤ顔で言い放った夫に対して、妻が言い返した
「てゆうかさ、『あと』っていつ?」が響いた。(笑)
いつの時点でこう思えたらいいの? 。
結婚?、妊娠?、子育て中?、老後?、死ぬ直前?
さだまさしの関白宣言ではないけれど、
「お前のおかげていい人生だった」って言われても・・が本音かも。
ロマンチストの男性とリアル重視の女性の違いかな、
「男の浪漫は、女の不満」という台詞が頭に浮かんだ。
伊坂作品にしては、ちょっと物足りなかったかなぁ。
あの時会えたのが君でよかったと思えるか
人の縁って不思議なもので、気持ちがすれ違ったり何かが少しかけ間違えるだけで違う関係になってしまう。
苦節のボクサーの10年間と、
その10年間を別の場所で生きた人たちのお話。
伊坂幸太郎ワールドで、少しずつ少しずつリンクしながら、重なりそうで重ならないようで、微妙な関係を保たれたまま進んでいく。
劇的な出会いで出会えて良かったと思うよりも、
あの時会えたのがあなたで良かったといつか思えることが大切だという言葉がじんとする。
大丈夫のしぐさも、三浦春馬の分はちょっと余計だったかな。
繰り返される小さな夜の音楽も少しくどいかも。
でも全体的にまとまっていて、全部が全部ハッピーエンドではなくて、
しまりのないところもあるけど、それがまたこの作品の良さかなぁと思う。
運命そして人生とは
出会いを振り返った時に、その人でよかったかどうか。それはつまり出会いを運命にまで高められるかどうかということ。つまりは、今の自分に何ができるか、どう変われるかが問われている。ここぞという時に一歩踏み出せる勇気、それが自分の人生を変える。
いつも思うけどキャスティングが良い
構成が面白いんだよね。
貫地谷しほりの話から入っていって、主人公の三浦春馬がなかなか出てこないの。副主人公の多部未華子はもっと出てこなくて、「出てきた」と思ったら10年後に話とんでるからね。
いくつかのラブストーリーをオムニバス風に並べて一つの話にまとめあげるって、今泉力哉監督が得意とするところなんだよね。だから安心して観ていられる。
これまではマイナーメジャーな感じで、そんなに知らない俳優が出てたけど、今回は三浦春馬・多部未華子・貫地谷しほり・矢本悠馬とそうそうたるメンバー。そこに、そんなに知られてないけど演技うまいというキャストを組み合わせ、MEGUMI、原田泰造はそんなに上手くないはずなのに演出で見せてしまう。今泉力哉監督すごいな。
ストーリーでいくと、三浦春馬は十年間なにやってたんだって話だよね。
恐らく付き合う切っ掛けになったシャンプー渡すところで走ってるけど、それから十年、三浦春馬を走らせるものがなかったんだろうね。そして、走り出すぐらいでないと、三浦春馬は次に進めないってことだったんだろうなあ。
かつては「同棲が三年以上続くと結婚できない」って言われてたけど、今はどうなんだろ。そもそも今の若い人は同棲するんだろうか。
ラストはボクシングの試合で、通常、ボクシングシーンが入ると嫌でも盛り上がるんだけど、この映画はそこまではなかったな。そして良い話っぽいくまとめに入るんだけど、なんだか良く解らないという今泉監督らしい最後で良かったかな。
伏線回収は鮮やかであるが、、、
ボクシングのヘビー級タイトルマッチの夜に様々な人たちの間で起きることを軸に話は構成されている。当初関係のなかった話が物語の中で繋がっていく。
伏線の張り巡らし、回収が随所に盛り込まれているが、
終始そればかりなのでうんざりする。
恋愛の話自体は非常にベタでリアリティや新しさがない。
たからもの
出会い観
ひとと知り合うきっかけと
その繋がりが生むしあわせに
浸れます。
あの時、あそこで出会ったのが
彼女で本当に良かったと
あとから思えるかどうか。
巡りあうことは
難しいけど、
巡り会えたひとが
自分にとって
気のあう人なら
最高ですね。
群像劇を紡ぐストーリーで
作家伊坂幸太郎、歌斉藤和義、
監督今泉力哉、主演多部未華子という
私にとって、好きなものを詰めた
宝箱のような作品なので
楽しみにしてました。
基軸となる主人公二人による
10年ごしの恋ばなは、
出会いからプロポーズまで
じれったいけどたのしい。
すれ違いを打破する
バスシーンでの彼氏の無茶ぶりも
誰もが経験する恋愛時の
変行動を連想させて共感。
もう、
あんなことできないけど
何故かあの時はできた…や
そんなデジャブに襲われたり、
こんな体験羨ましいと思ったり。
シャンプーさんって…
そんなん手にかいてるの
みたら、つい呟いてしまう。
なんかよいです。
日常にちらばる
ちいさなしあわせの破片を
ステンドグラスのように
集めた感じがとても
心地よいです。
作中のエピソードもいいのですが
作品自体も、伊坂さんと斉藤さんの
歌と短編小説の交流から
生まれたようです。
出会いから生まれる
ストーリーの始まり。
おすすめ。
やっと観賞しました。
きっかけは小さなこと。
いや、そんなにうまくいかないでしょー!とか、職場に家庭や恋愛持ち込みすぎでしょ!とかツッコミたくなる場面もたくさんあるけど。。なんでもいいから勇気をもらうきっかけにしよう、としみじみ思わせてくれました。小さな偶然やハプニング、人の出会いがあって、人生は変わっていく。
三浦春馬&多部未華子もいいけど、矢本悠馬&森絵梨佳、貫地谷しほり&ボクサーの彼のカップルもすごくいい。彼らがどんな風に愛を育んだのか、どんな問題があったのか、多くは語られないけどそれを感じさせてくれるような上手さがあったなあ。
絵里佳様…絵里佳様…
人類史上最高の美貌、森絵里佳様を大画面で拝むために見にいった。
役柄とはいえ、絵里佳様が結婚してくれたのに態度のでかい矢本悠馬が許せず、彼が殴られればいいのにと頭の中で拳を握った。
絵里佳様はやはり美しい。一児の母とは思えない。この世の造形美の頂点だ。
今まで「ラブラブエイリアン」や「全員、片想い」でサバサバ系美人の役ばかりだったが、今回は「お母さん」。自然にできていたと思います。
細淵夏菜ちゃんはほんとうに森絵里佳みたいなかわいらしい子。成長した恒松祐里はちょっと違う系統の美人になっちゃったけど。
多部未華子さん、ご結婚、おめでとうございます。
10年もつきあってあのぐだぐだなプロポーズじゃ即答できないのも当たり前ですよね〜。三浦春馬君、姿勢悪いし。
話ができすぎのようではあるが、地方都市に行けば、「実は知り合い」ということはさほど珍しくない。そういう意味で仙台のロケーションなのか。
男性作家ってマラソンとか自分の趣味を時々作品に持ってくることがある。伊坂幸太郎は読んだことないけれど、ボクシング好きそうですね。ただ、そういう趣味に走った話って入り込めない人にとってはちょっと引いてしまうことが…。そこに登場人物がみんな絡むのだから違和感が。
もう一つ取り上げられているのは父娘関係。ただ、原田泰造の娘が幼いときにボクサーのファンになって別居中の娘と試合を見にいくのはちょっと不自然。男の子ならまだわかるけど。同様に恒松祐里。最も父親を嫌悪するお年頃に友達と一緒とはいえ父親と東京に一緒に行くというのはありえない。原作にあるとすれば伊坂幸太郎の願望でしかないし、それが成立すると思っているのなら父性嫌悪に対する造詣が浅い。息子がいるならどんな理由があるにせよ息子と行く。そうでないなら息子は登場させずに姉妹にすればよかったのに。
ここまでいろいろ絡ませたわりには萩原利久の登場は唐突。10年経過する前になんにも伏線がない。年齢差あるけれど、藤原季節を恒松祐里の相手にすればコンパクトになったのでは。ちょっとできすぎだけれど、八木優希と絡ませるくらいならそのほうが。
あと謎だったのはなぜ八木優希が仙台にいるのかということ。八木優希の母親は実家が東京。おそらく原田泰造と離婚後東京にいるはず。そして原田泰造も東京にいるよう。なぜ高校生ひとり仙台に。なにか見落としただろうか。
落とし物を拾うエピソードは感慨深い。実は学生時代に私の親友が私の妻の友達に熱を上げ、出会いを画策するために彼女の前で親友がハンカチを落とすというわざとらしい小芝居を本気で計画したことがあった。
原田泰造のもと奥さんの話はしみじみするところだが、その親友の馬鹿馬鹿しい計画を思い出して吹き出しそうになった。
と、まあ、小説原作らしくしかけの込み入った話ですが、私にとっては絵里佳様の美貌がすべての映画でした。
出会いが人を変える力になります。人が変わろうと思えばきっと。
原作は読んでいません。
というか原作があったことも知りませんでした。
タイトルが有名な曲名というくらいの知識(あまり役にたたない)で鑑賞。
人と人との緻密な人間模様を描いた素敵なドラマでした。
グイグイと引っ張る展開ではないのですが、見ていく内に引き込まれました。
ポスターのデザインからして、三浦春馬と多部未華子が主役なのかと思っていた
のですが、どうもそんな単純ではないらしいと。
・やたらハイテンションの友人
・その奥さんと娘
・チャンピオンを目指すボクサー
・哀愁漂う会社のセンパイ
・と、その娘
・イジメにあう耳の不自由な少年
・etc
沢山の登場人物がストーリーに絡む気配に、そうか群像劇なのかと。
どんな展開をみせてくれるのかと思っているうちに、
初防衛戦に負けてしまうポクサー君の話があって、
そして話は10年後。あらら。
小さかった娘たちも高校生。この子たちもまた話の重要な登場人物に。
なんか登場人物が多すぎて、話をどう収束させるんだろう。
などと思って観ていたのですが、
ボクサー君のチャンピオンへの再挑戦。
それに絡んで再び動き出す人と人。
新しい繋がりができたのかなという思える場面もあり、
ほとんどの登場人物に、前向きの変化があったような気がします。
新しい出会いもあったのかな。
(耳の不自由な青年と哀愁中年の娘、とか)
作品として穏やかな着地点にたどり着いたのかなと感じました。
最後に
原田泰造さん。
なんて「哀愁漂う中年男」が似合うのでしょう。
「ミッドナイト・バス」以来気になってます。今回も素敵な哀愁っぷりでした。
映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
伊坂作品のファンとして鑑賞。
伊坂作品の中では、害のない、むしろほっこりの話題が散りばめられた内容の映像化作品。
いくつかの場面が平行して進んでいくが、伊坂作品お得意のちょっとずつ接点がある(ボクシング選手と大学中退家族と大学の友人と会社の先輩そしてその娘など)のが全体としてまとまっているように感じる。
路上ライブで聞く人として出演者がちょっとずつ入れ替わり立ち代わり聞くというのもその1つ。
シビアなこと言うと、そこまで劇的なことが起きずに、ちょっとしたほっこりの積み重ねで成り立っているので、それがつまらなく感じる人もいるかもしれない。
伊坂作品はもっと毒ぽいのが好きなだけに次回の映像化に期待。
「今泉力哉監督今一番好きな監督」
今年101本目。
「愛がなんだ」が抜群に良かった今泉力哉監督なので、楽しみに行きましたが期待通り恋愛を軸として、色々な人が数珠つなぎに連なる作品でした。
一番良かったのがボクシングヘビー級の日本人初王者。
日本の連続防衛記録は具志堅用高の13回ですが、自分より上の世代の方に話を聞くと、あの当時凄い盛り上がりで彼に勇気付けられた人がたくさんいたと聞きます。
そのエピソードが作品と重なり、またボクシングファンとして夢の日本人ヘビー級王者を描いてくれた作品に、夢を叶えてくれた感動と感謝があります。
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