「ふと…… 今でも仙台の街にいるような」アイネクライネナハトムジーク conpeitoさんの映画レビュー(感想・評価)
ふと…… 今でも仙台の街にいるような
昨秋のロードショー時に観て以来の2度めになる。まさかこんな形(アンコール上映)で、もう一度スクリーンで観ることになるとは……あまりにも悲しい。
なぜか佐藤だけは名字しかない。エンドロールでも他の登場人物にはフルネームがあった。三浦春馬が雑誌のインタビューでそこを話していたのだけど、何を語っていたのかは思い出せない。
淡々といくつかの小さな出会いの話が綴られいく。あまりにも何も起こらなくて、いきなり10年後に飛んだりして、その間のエピソードも語られてなくて。
人と人との出会いは本当は奇跡の繰り返しなのだろうけど、日常の中では当たり前の出来事として埋もれていく。
どうしても……
この時、三浦春馬はどんな思いでこの役と向き合っていたのかと考えずにはいられなかった。
ラストの少し前、彼が演じる佐藤と多部未華子演じる紗季ちゃんが向き合うシーンは、二人ともこの上なく幸せそうで温かい空気に包まれていた。
あれは演技ではなかったように思う。あんな風に穏やかに微笑むことができる彼の人生は、やっぱり多くの出会いに支えられた豊かなものだったと私は信じたい。
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