「偶然の必然~想いの伝え方」アイネクライネナハトムジーク 森のエテコウさんの映画レビュー(感想・評価)
偶然の必然~想いの伝え方
『ベリー ベリー ストロング』って、こんな素敵な話だったんだ。
原作は未読、斉藤和義の歌で知っていた物語。冒頭から、頭の中でその歌が鳴っていた。「自信喪失凹んじゃうよ」春馬君の表情が歌詞に重なる。そしてメモ書きの「シャンプー」
藤間さんも「大声でデスク蹴飛ばし、大事なデータを飛ばしちゃった」
「翌日の新聞には、新チャンピオン誕生の文字」ってこの事だったのか…と、どんどん映画の世界に引き込まれていく。
いくつもの伏線。そして10年後の物語。
いつの時代も、人と人の出会いは偶然に訪れ、数多の想いが伝えられて必然になって行く。時には人から勇気をもらい、他力本願と呼ばれても最後は自分の責任で想いを伝える。
偶然を必然に変えるのは、自分に責任を持って発せられる一握りの勇気だ。
この物語には、その勇気が幾つも詰め込まれている。それは、観るもの読むもの聞くものの心に切なさと勇気をもたらす。
「その人に出会えて良かったと思うか?」その問いは、自分の判断と行動を良かったと思うか?という自己肯定の問いだ。「良かった」と思えるのは幸せなことだろう。
いつの時代も不確実なこの世の中で、幸せを感じられるのは、結局自分次第だということ、その為には自分の想いを行動で示すことだという勇気を与えてくれる、『ベリー ベリー ストロング』な映画である。
コメントありがとうございます‼︎
私にとって、監督や脚本家の皆さんが原作をどう料理したのか、を考えるのも映画を観る時の大きな楽しみのひとつです。蜜蜂と遠雷、マチネの終わりに、と続くのがまたとても楽しみです。