いつだってやめられる 闘う名誉教授たちのレビュー・感想・評価
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いつの間にか、大変な事に!
「いつだってやめられる」シリーズ最終作。
最初のうちは、自分への待遇に不満を持った科学者が、違法薬物を作って大儲けするという話だったのですが、こと事に至って、テロが予想される事態に!
もちろん、主人公たちは、それを防ぐ側に立つわけですが、ここに至るまでの経緯も上手く使われるわけですよねぇ。仲間の学者たちとか、警察とかw
まぁ、イタリア映画っぽく、面白おかしく描かれているのが良いですね。こういう軽いタッチ、好きです。
っていうか、このシリーズ、前3部作なのですが、これより前の2作品を見てから、この結末を見るまで結構間があいてしまったので、ここまでの経緯を忘れてしまって・・・苦笑。シリーズを一気見するのがいいかもw
イタリアも病んでいる
3作目になってハイテンションの過剰演出も控えめ、ようやく落ち着いた映画になりました。活躍の場の少なかった人文学者さんたちもオペラの舞台をもらって面目躍如でしたね。実際に遺跡の多いローマでは工事の中断もありがちだとか。大学や警察の上ばかり気にする狡猾な上司像、メディアも関心が薄くネットのブロガーが合法ドラッグの取り締まりに異論を挟むのも風刺なのでしょう、イタリアも病んでいるのは分かりました。
毒ガステロの危機とサスペンス感をもりあげたものの敵役もまた不遇の研究者というのは妙なこだわり、犯人に同情してしまうような描き方では一件落着のカタルシスもありませんし、不器用だけれど家族の為に頑張る夫に愛想尽かしして若い学者になびく妻というのも後味が悪いですね。
肝心のテロの方もやすやすと仕掛けがばれてしまうので緊迫感は今一つ、空調ダクトを塞いでしまったら暑くて異変に気付くでしょう、ウォーターサーバーも誰も水を飲んだ人がいないのでしょうか、こういうトリックが安直だと興ざめです。
良かった
1作目の高学歴プアーの社会問題から今作の研究者のテロ未遂まで、結局社会が荒廃する原因は経済格差なのだと確信しました。このシリーズの良い所は、問題を悲しさや辛さの描写だけにするのではなく、怒りや闘いを描いている所だと思います。表現がストレートでもユーモアに溢れているところは、日本も見習うところかと思いました。
「何か出来る。そうだろ?」
三作通しての一貫性と小気味よいセリフ回しが好き過ぎる。最後に話も繋がったし、復讐に走る動機も哀しくて、しっかり物語に引き摺りこまれました。液化ガス装置が、ちょっとだけガッカリだったけど。これだけはもうひと仕掛け欲しかった。P-URで塞いだダクト内に最終兵器があるんじゃないのか、なんて期待して見てました。
科学技術の研究には金がかる。しかも歩留まり(直ぐに社会の役に立つという意味)は、すこぶる悪い。日本だって、凡ゆるところで皆んな苦労してる。「何か出来る。そうだろ?」これは最後の学生の言葉。「それは君達次第だから」、って思いました。理系の学生諸君、頑張れ。技術は人類を救うから。滅ぼしも、しかねないけどね。
良かった、凄く。
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