ザ・プレイス 運命の交差点のレビュー・感想・評価
全29件中、1~20件目を表示
登場人物の多さに少々苦戦するが面白いぞ
カフェの居座る謎の男は何でも願いを叶えてくれる。その対価といえる行為を果たすことが条件だ。
物語序盤は、謎の男は何者なのか?が焦点になる。
男のもとへ訪れる人々の願いや、男が突きつける条件は、ただのヒューマンドラマの域を脱している。本当に願いは叶うのか?彼らは条件を遂行できるのか?いや、遂行してしまうのか?
物語の「謎」といえる部分が前半にあるところは斬新だ。なぜなら、この作品のメッセージといえる部分はそんなところにはないからだ。
謎の男のことがうっすらと分かってくると同時に、画面の外で依頼者たちの行動や関係が絡み始める。
そして、願いを叶える者、願いの先を目指す者、願いを取り下げる者、願いを変える者、など、彼らの結果、行き着く先がそれぞれ分かれているのも興味深い。
本来あるべき「代償行為の遂行による願いの成就」を果たす人物が少ないのだ。
しかし、人によって差はあるが、願いを叶えられなかったとしてもある程度の満足を得ていそうなところがいい。
自分の願いの重み、その対価の重み、それらを受け止めて、あるいは違う喜びを見つけて、前向きに生きようとする姿。
謎の男は神だ。もしくは神の使い。
彼がしていることは迷える子羊に対する過激なカウンセリング。対価を突きつけることで依頼者本人が悩み考える。
結局は最初から全ての人が自分で答えを出せる問題なのだ。どんなに辛い出来事であっても理を捻じ曲げることは容易ではない。
心地いい不可解さ
何かしら死神とか天使とか超自然的な存在なんだろうなと思ったけど、無粋な種明かしはしないのが心地いい。全員が不幸になるわけじゃないけど、願いが叶う人も完全なハッピーハッピーで終わる訳でもない、控えめで観たあとに余韻の残る好きなタイプの映画でした。前に見たこの監督の大人の事情がトラブルを起こすように仕向けたムリヤリな展開でウンザリだったので食指が伸びなかったんだけど、まさかの大変身。しかしこれはリメイクなのね。そして大人の事情は原案ごとこの人。やっぱりまだ信用できないな。
おしゃれな…
映画だった。ワンシチュエーションで、カフェから一歩も出ないのに謎の男の元に代わる代わる訪れる人々の悩みや願望、それを手に入れるため、男から言われた無理難題を解決するための苦悩、葛藤の話だけが展開され、退屈しない。訪れる人々が途切れた際、謎の男と店員の女性との会話が良いクッションとなっている。初めは訪れる人々の話は個々の話でバラバラだが、次第に複雑に絡み合っていく。謎の男は悪魔なのか、あるいは神なのか。人は己の願望を叶えるために他人に不幸を招いて良いのか。。究極の選択を突き付けられる。ラスト、謎の男は引退したのだろうか。テンポ良く楽しめた。
普遍的な
己の欲望と引き換えに悪魔に魂を売りたくなるのが人間だと思うのですが、実際には行動に移さないし移せないのもまた人間です。この善悪は人類の普遍的なテーマなので、作品はありきたりな作りにせずに、観客に飽きさせない工夫が必要だったかもしれません。
未来の変え方。生き方の分かれ道。そこに立ち会う男
面白かった。PLACEと言う名のカフェを舞台にした概念劇。かなり好きです。と言うより、自閉的で全く入り込めない事が多い概念モノとしては、面白すぎるくらいに面白かった!
カフェの奥から二番目のテーブルを陣取る男は不思議なノートを持っています。行動の選択肢で変化する運命が書かれてでもあるかの様な。
彼を訪れるものは、彼と契約を結ぶ。誰かを不幸に落とし入れれば自分の望みが叶う。契約の履行は相談者の意思次第だと、男はつき離します。
息子を取り戻したい刑事。痴呆の夫の回復を願う老婦人。神を感じたい尼僧。夫の愛が欲しい若妻。幼い息子の命を救いたい男。理想の伴侶を求める修理工。視力を取り戻したい若者。美人になりたい女とその恋人。
相談者の運命は、次第に互いが引き合う様に近づき、いくつかの対立関係が生まれます。2人の相談者の運命が対立すれば、両者が共に望みを叶える事など出来ない。誰かを不幸にする事を拒否するものも続出。
最終的に、望みを叶えながらも因果応報に見舞われるもの。誰かを傷つける事を拒み、運命を受け入れる選択をするもの。などなど。この辺のやり取り、ストリー展開の緊迫感が好きです。兎に角、役者さんの素晴らしさ!
ラスト。男は、今の役割からの解放を望み、カフェの女給と契約し、その望みは叶えられます。灰皿で、小さな炎を上げるメモ。無人のカフェ。契約履行のためには、誰かを不幸にしなければならなかったのだが、彼へ与えられたミッションは何だったのか。いや、善行を求められるものもいたから…カフェから消えた2人は何処に消えた?
で、FINE.
欲を言うと、劇中の音楽のセンスだけが…
いや、なんか音楽だけがガッカリでした。
わたしも、好きな方…
歳を重ねたせいか、最近 運命ってあるんだと
感じる今日この頃。
何であんな事があったのだろうと思っていた
事でさえ、あんな事があったから今があると
気づいたり。起こる出来事は全て噛み合って
いる。逆らえない、これが運命じゃないかしらと。
運命を変えたいならば、何かを犠牲にしなければ
変えられない。自分の運命を変える為には、犠牲になった人の運命も変えなければならない。
ただ一人の秘密の欲望だったはずが、じつは
全く関係ない人の運命にまで連載し、
まるでバケツリレーのように繋がって行く。
普段の生活をしていたら、全く思いも寄らぬ事を
考えさせられました。
運命という、不思議なサークル。
じつはわたしの運命も、誰かに変えられて
いたのかもしれないなあ(笑)なんて。
☆☆☆★★★ 〝悪魔との告解〟 人間の心の奥底に在る深層心理を描く...
☆☆☆★★★
〝悪魔との告解〟
人間の心の奥底に在る深層心理を描く。
世の中には。善があれば、悪もある。
《悪魔の囁き》に耳を貸してしまった者は【犯罪者】となる可能性がある。
その結果として他人に影響が出てしまい、さらなる犯罪の連鎖を生む事も。
しかし、一度は悪魔と〝契約〟を結んでしまった人の中でも。全ての人が犯罪を犯してしまう訳では無い。
だからこそ社会全体が。善と悪とのやじろべえの様な状態で、均等に保たれている…とも言える。
〝悪魔の囁き〟に耳を貸さなかった人が居るのは。常に心の中で善と悪とがせめぎ合っているから。
心の中の【天使=ANGEL】は監視している。
2019年4月10日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
願いを叶えるために魂を売る人間の弱きことよ
これは実に味わい深い逸品だ。
舞台はイタリアの何処かにあるカフェ「ザ・プレイス」。主人公は一日中奥のテーブルに居座る謎の男。カメラはカフェから離れることはない。
男のもとには願いを叶えて欲しいという人たちが次々と訪れる。男は願いを叶える代償として残酷な提案をする。そのどれもが実行すれば重い罪となる。人の運命を弄ぶが如きこの男がデフォルメしているものは神なのか、悪魔なのか、それとも……
願いと代償の間でもがく人びとを見つめる男の眼差しは冷静なようであり、思いがけない展開に動揺しているようでもあり。そして複数の人々の運命が交錯し、完結していく。
それにしてもカフェで働く女は女神だったのだろうか。男を見つめ、対話し、人間らしい感情を吹き込んだ。彼女こそが奇跡の人だと思った。
演劇みたいな映画です
でも朝、昼、夜の時間の流れ、ウインドウ越しの町の風景は映画です。
会話と表情でその場面を想像したり、発言の裏や真実の見極め、などで楽しめます。
どう終わるのか、と思っていたらちょっと良い感じでした。
一人一人の運命は実は深いところで繋がっているのかもしれない。
頭でっかちの小説みたい
舞台は交差点にあるガラス張りのカフェ。窓際の同じ席に同じ男が座り続けている。食事をし、コーヒーを飲み、目の前に座る人物を相手に何やら契約を交わしている。混雑時も閑散時もそして閉店後も、男は同じように座っている。店はそれを容認しているようだ。男の正体は謎であるが、店の正体もまた謎である。
人々がどのようにして男の存在を知ったのか、契約条件は何なのか、男は店に金を払っているのかなど、観ているうちに疑問が次々に湧き上がってくる。しかしその疑問よりも、契約者の報告の方に物語の主眼が置かれていて、設定が理解できないままにストーリーが進んでいく。
それぞれの契約者の話はわかりやすい。契約者同士が絡み合うこともあるだろうとはすぐに想像がつく。実際にそういう風になる。しかし、だからどうした?という感想しか湧かない。契約者の望みが浅薄であり、成果も明白ではないこともあるが、契約者たちがそれぞれに本当にそれを望んでいるのかという点に疑問符がつくのが最大の原因である。
そのために教室での思考実験的な場面を見せられているかのような感覚を覚えてしまう。興味は男が神なのか、それとも別の何かなのかという点に絞られるが、それも判明しない。店そのものがどんな意味を持って存在したのかもはっきりせず、ウェイトレスの正体も不明である。
映画としてワクワクするかというと、それほどでもない。世界観に深みがあるかというと、そうでもない。男と契約者の会話はスリリングでそれなりに面白いが、それだけだ。作品に奥行きがないから、不明なところがあっても、もう一度見る気にはならない。学生が書いた頭でっかちの小説みたいな、そんな映画だった。
怪物に餌をやる
カフェの中、しかも同じテーブルでの会話劇のみで成立させるワンシチュエーションサスペンス作品である。しかし話の展開が想像以上に多く、幾つものストーリーが同時進行で展開される。その中には交わるものもあれば、単独で成立するものもあったりして、非常に複雑な構造になっている。何が繋がって、何が単独なのかその謎解きも提供されているのだろう。しかしながら余りにも数が多すぎで、把握が難しい。幾つもの話を記憶しておかなければどこで繋がっているのかを結びつけ難い。頭脳明晰ならば覚えている事が可能だろうが、脳のシワが少ない自分では、今作の面白さの50%も得られていないだろうか。
まるでそのカフェの住人と化しているような主人公が、一歩も外に出ずひたすら思惑とノートへの書き込みを行なっている。そしてひっきりなしに依頼人がそのテーブルを訪れ、契約遂行中の過程、状況、そしてこれが大事なのだが、その際の気持、言い訳をいろいろなトーンで吐露していくのを利きながら、時には叱咤激励を受ける。その理由は、とんでもなくやっかいな願いを叶えて欲しいということなのである。作品では語られていないが、多分沢山のその無理難題を過去に叶えてきた評判で依頼者が集まっているのだろう。契約だから金銭のやり取りがあると思うのだがその部分は押し出していない。例えば連れ添った夫のアルツハイマーを治して欲しいとの願いに、時限爆弾で不特定多数を殺せばその願いが叶うと言った具合に。人間の欲望を叶えるために非道な条件を出す悪魔の契約の如く、男は躊躇なく提示する。そしてその“風が吹けば桶屋が儲かる”的な直接に結びつかない因果関係に戸惑い、さらには憤怒の表情を隠さない依頼者はしかし自分の願いを叶えたいが一心で、状況報告をしにカフェへと足を運ぶのだ。
その行動は誠におぞましくそして滑稽すら感じる。一方は神の存在を再度実感したい女に妊娠することを条件につきつけ、もう片方には目が見えるようになりたい男に女に乱暴することを条件にする。確かにこれはそれ程非論理ではなく、出産による苦しみと喜びは正に神の存在であり、男に取ってみれば自分の伴侶が出来れば正にそれが目の代わりとなってくれる。とはいえ、結局は二人は結ばれない。なかなか思い通りにならない事を示唆するモノであり、それぞれの達成感はその人が決めるものである。
さて、果たしてこのカフェでの絶望と希望を告げる男は神なのか悪魔なのか。そして膨大に書き込まれたあのノートは地獄の閻魔帳なのか。自分なりの解釈とすれば、実はあの男も又、別の誰かにあの役を遂行するよう条件つけられていたのではないだろうか。願いは二度と裏切らない人生の伴侶を得たいという願いを叶える条件として。そう考えれば、ラストは大変スマートでカタルシスが得られるのだが、如何だろうか。
グリーンマイルを思い出したりした…。
そうあのジョン・コーフィーを思い出した。
人の心や未来が見えてしまう男の辛さをだ。
この主人公も疲れるだろうに…
何人かの相談者は救えても救えない人もいるわけで、
兎にも角にも本人が余りにも辛過ぎる。
しかし彼にはアンジェラがいた。
それにしても、僕も含めて自分の人生と対峙する時というのは少ない。
余りにも少な過ぎる。
その時のために訓練を怠らぬようにしよう。
怪物にエサをやっている
完全ワンシチュエーションの会話劇。
明確な答えを期待するのは拍子抜けに繋がるけれど、たしかな手応えと面白さに溢れる作品だった。
ガンの息子を救いたい父親、ポスターの美女と付き合いたい整備士、夫に愛されたい妻、息子とやり直したい警察官、美人になりたい女、父親が疎ましい売人、痴呆の夫を回復させたい老女、視力が欲しい盲目の男、神を感じたい修道女。
実に様々で個人的な欲望を持つ人々の声を聴きとめ、なかなか実行し難い任務を与えるカフェの男。
常に眉をひそめた表情が印象的。
はぐらかし方と話の進め方が非常に上手で、小気味好くも張り詰めた会話のキャッチボールが楽しかった。
彼ならどんな口喧嘩も勝てそうだな。
話が進むうちにいつの間にか依頼者たちがそれぞれ意識しないまますれ違い交わっていく過程が非常にスリリングだった。
不自然なほど繋がっていくけれど、なぜかそこに対してあまり引っかからなかった。
なるべくしてなった事とナチュラルに思える。
悲劇的な結末を迎える人も、望み通りに叶う人も、形は異なれど方向を変えられる人も、もしかしたら最初から何もしていなくても結果は変わらなかったのかもしれない。
一度自分の願いと向き合い、理不尽でも大きな犠牲を払うことが重要だったのかも。
その代償に被害を被る無関係の人が生まれるのも昔から世の常だったのかも。
分厚い手帳に何を書いているのか、どんな法則で任務が決まるのか、いつからそこに居ていつ帰っているのか、そもそも誰なのか、人間なのか天使的なものなのか。
彼に対する疑問は次々と湧いてくる。
やたらと胸を強調した店員の女も。
いったいなんなんだ二人とも。何をしているんだ。理屈ではわからないのに何なんだこの謎の納得感は。
きっと彼とのやり取りを依頼人たちは口外しないし、なんならその内忘れていくのかもしれない。
あの場所は噂話で広がるものでもないと思うので、ただなんとなく必要とする時に必要とする人が知るようになるんじゃないか。
私の欲が実現するなら、彼の言うことを聞いてしまうだろうか。分からない。
欲望という怪物はエサを前にすると時に暴走してしまうか怖い。
明るめのドラマチックなBGMがミスマッチで面白かった。最後のカメラワークも好き。
物事は考えよう
撮影場所がカフェとカフェの前の道路だけ。
カフェに次々と相談しに人がやってくる。
誰も鉢合わせしないのが不思議。
人が次々と話していることを想像出来ないと
この映画は面白いとは言えない気がする。
観ている側も試されているのかな?
予告編以上のものでは無かった
私はこのおじいさんは天使か、そういう運命を託された人って感じで捉えましたけど、この人だけに見えている答えとか試練は理屈ではないのであんまり考えずに周りの振り回される人たちの表情を見ることだけに徹した方が良いのでは?
低予算でも面白い映画作るのは大変ですね
僕は、好きなほう
皆さんのレビュー見て、これは神に近い特殊な力が働いている。という言葉を全然見かけなかったのが意外だな~と思ったのでレビューしてみました。
僕は彼の後ろには、神か悪魔かはわかりませんが、確実にそういう存在がいると思いました。
その存在が彼に与えた能力は「事実の繋がりを発見できる」というもので、
人々が課題をこなした、こなさなかった、ことで起こった事実を事細かに書き込み、ノートにその事実の「要素」を増やすことで、その「要素」から運命の変えるための繋がりを探し、そして繋げて、別の運命に変えていく仕事をしているのではないかとおもいました。
自分でも文章がまとまらず、すいません・・
希望はそこにある。受け入れるかどうかは君次第だ。
ずっと店に居座っている男は、何者なのか。
「神を信じるか?」と問われれば「皆に1人いる。」と煙に巻く。
「お前は誰の味方だ?」と問われれば「俺の味方だ。」とそっけない。
まさか、ただのコンサルタントではあるまい。
まさか、ダンディな笑ウせぇるすまんでもあるまい。
まさか、お告げ師のたぐいでは馴染むまい。
まさか、神ってわけはあるまい。
ヒヤヒヤでギリギリでスレスレの要求を与え、いつのまにか絡み合って、なんとなく皆が納得してしまう。そんなスジに違和感を覚えるならしょうがないが、僕にはしっくりときた。こんな何者なのかわからない人間が、すぐ近くにいたっていいじゃないか、と思えた。
あのラスト、あれがいい。あれでこそ、あの女の存在が活きる。そう、あの女こそ何者なのだ?と。
ひとつ、隣のおじさんの感性がどうなっているのか、時たま声を上げて笑っていた。売人が怒っても、盲人が戸惑ったりしても、だ。そのセンスおかしくない?
幸せの代償
一日中カフェに居座るおじちゃんに願い事を言えば、叶えてくれる代わりに代償として殺人や強盗など大きな試練を乗り越えなきゃいけないって話。
.
願い事はほんとに色々で整形するためのお金が欲しいだとかポスターの美女と付き合いたいだとか。主人公がを見て、神社とかのお参りの時、神様ってこんな呆れた顔してるのかなと(笑).
.
舞台は、ザ・プレイスっていうカフェから一歩も出ない。だから『ギルティ』みたいに状況を自分で判断する必要がある。一つ一つの話が徐々に繋がっていくから面白い。
.
ただ、BGMが良いっていう人もいるかもしれないけど私的にはちょっと不自然に感じた。今までちょっと怖い感じだったのに、急にメロドラマ風になってしまうのが気が抜けてしまう。これは好き嫌いによるかも。
全29件中、1~20件目を表示