「10年前から指摘されているような日本映画の悪さをそのまま受け継いでる感じ」空母いぶき 気ままに言わせてさんの映画レビュー(感想・評価)
10年前から指摘されているような日本映画の悪さをそのまま受け継いでる感じ
原作漫画があることは知っていました。※未読
軍艦関連や航空機は好きなので、ずっと気になっていまた。
正直ボロカスに言わせてもらっているかもしれませんが、
原作はまだ未読ですので、あくまでも原作に対する批判ではありません。
(でも原作もこんな感じなのかな?今度読んでみようと思っています)
一言で言うと、完全にコマーシャル負けしている映画
CMめっちゃ良さそうだったのに、たまにあるよね…
それに若干?かなり?日本政府のプロパガンダ色が強い印象も受けた。
特に憲法改正が議論されている今現在ならなおさら。
映画のテーマとしては悪くないと思う、というよりむしろ良い。
今の時代(情勢)にこういったテーマの映画が世に出ることは
結構切り込んでいるとも言える。
ただそれはテーマだけ。
他の方もどなたか言われていましたが、まず全体的にのんびりし過ぎている。
一刻を争うような状況の時に何分尺使うの?ってくらい。
ミサイル来ているのになにその余裕感。
日本の哨戒機が韓国軍にロックオンされた映像見たことないのかな?
監督さんは、
「もし現実にこうなったら」
というイメージが足らなさ過ぎるのではないかと疑わざるを得ない。
上の余裕感でもそうだけど、余裕=冷静は違う。
怒鳴るだけが緊迫感を出す方法ではないと思う。
終始そんな感じで全く映画の世界に入れなかった・・・
特に嫌だったの抜粋させてもらうと
中盤~終盤にかけて隊員が撃たれるシーン。
「バン!」
→隊員表情アップ「驚くような顔」
→「・・・」
→「・・・」
→「・・・」
→倒れる
→みな茫然
→「・・・」
みたいな、
いやいや、20年前のアニメで仲間がやられた時にしか見たことないなそんなシーン
ってのを久しぶりに見た気がした。
我慢していた糸が切れたように、そこから一気に興覚め。
あとは原作がそうなのかどうかはわかりませんが、
これだけ緊迫していて、どう行動しても賛否別れるような事態なのに、
みなさんセリフ少なすぎじゃね?特に大臣のみなさま。
この映画?というか原作の良いところって、
ただ単に攻め込まれて迎撃して日本を守りました!っていうわけにはいかないところ。
そこには「自衛隊」という他国の軍隊とは一線を画す独自のジレンマがあるはず。
「自衛官に死傷者多数出ているのに、
撃ち落とすかどうかで撃ち落とさないってなんだよ!ふざけんなよ!」
「ミサイル撃たれてるんだけら撃ち返せよ!」
と日本国民のジレンマを揺さぶるいいテーマなのに
圧倒的にそこに対する議論や、やり取りのセリフが少なすぎる。
そのせいで自衛隊は人柱であらねばならぬ、的な感じで終わっている。
もっと政府陣の議論を増やしてやるだけでもだいぶ印象変わったはずだ。
シンゴジラを見習ってほしい。
そーゆーものを全てすっ飛ばしたもんだから全体的に軽い映画になってしまった。
後は、
敵機1機撃墜しただけであれだけ重いシーンにしているのに、
自衛官に死者が出たシーンでは
「死んだのは誰だ!?」
「分かりません」
で終わる、だいぶ軽い印象のシーンになってしまっている。
個人的に良かった点は、
市原隼人さんのパイロット役は似合っていてはまり役だと思ったくらい。
今年最も楽しみにしている映画「fukushima 50」が
同じ監督さんだと思うと不安で仕方ない。
ここ重要!テストでるよ!みたいな押し付け注目シーンの演出はやめてほしいと切に願う。