「エンタメとしての限界、そのさじ加減の良さ。」空母いぶき N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメとしての限界、そのさじ加減の良さ。
原作は一切、知らない。
そのうえで想像するに、もっとプロパガンダ色の強い、言い換えるなら単純なあおり映画かと思っていた。
が実際は、きれいごとにも、ナショナリズムにもカタルシスをおいていない、案外と押さえた内容になっていたかと感じる。
おそらく原作をご存じの方はぬるさ、物足りなさに不満を抱くのではないだろうか。しかし映画は好みにより原作など読まないだろう人へ向けても配慮されているふしが多々あり、
物足りなさ等は軍事面、政治面からある種のマニアックさを端折ることで、とっつきやすさを演出した結果のようにも感じられる。
それでもブレない点はテーマとして1本、筋を通しており、ここに大衆エンタメとして成立させるための限界と、しかしながら易く終わらぬそのさじ加減の良さを見たように思う。
佐藤浩一さんと、真逆路線をゆく中井貴一さんの演技も見ものかとオススメ。
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