「お洒落な頑固ジジイ、モテ過ぎだ」家(うち)へ帰ろう AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
お洒落な頑固ジジイ、モテ過ぎだ
羨ましいじゃないかまったく。偏屈で頑固者なのに、宿泊代を値切ろうとしたホテルの女主人とは飲み屋でいいムードになるし、ドイツ人と聞いた途端に嫌悪感を露わにした相手の知的な女性研究者には駅でとんちの効いた援助を受けるし(一休さんみたいな解決策だ)、倒れて搬入された病院の看護婦にはドライブデートみたいな雰囲気で車に乗せてもらうし。
アルゼンチン映画でホロコーストもの?と観る前は疑問もあったが、なるほど、大戦後に南米へ渡って人生をリスタートさせたユダヤ人たちも相当数いたのか。ヨーロッパからの地理的な距離感が、迫害の歴史的事実や被害者らの体験を客観視するのにプラスに働いた。また、ラテンの大らかさや明るさも、ホロコースト映画にしてはユーモアがしっかり効いた作風に貢献したようだ。
男なら老いてもアブラハムのようなモテ爺さんになりたいものだね。お洒落がやはりポイントだろうか。
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