「施した恩は水に流せ、受けた恩は石に刻め」映画めんたいぴりり おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
施した恩は水に流せ、受けた恩は石に刻め
そこまで見たい作品ではありませんでしたが、上映後の舞台挨拶につられて鑑賞してきました。
内容は明太子の「ふくや」の創業者の話で、ストーリー的には大きな事件もなく、日常が流れていくだけですが、いろいろな伏線が終盤に回収され、思った以上におもしろく、後味のいい作品だと感じました。
創業者の川原俊夫さんが実際にどんな人だったかは知りませんが、情に厚く、懐の深い人だったことが、全編から伝わってきました。それを、主演の華丸さんが、自身の持ち味をうまく生かして好演しています。
ともすればコメディドラマに流れそうな華丸さんの演技を、妻役の富田靖子さんが見事に繋ぎ止め、コミカルな中にも明太子づくりに本気で人生をかけ、夫婦二人三脚で歩んで来たことがひしひしと伝わってきました。子役の子の演技もとてもよく、何度もうるうるしてしまいました。
また、明太子のルーツや人気商品になるまでの経緯を知れたのも、興味深かったです。鑑賞後は、誰もがふくやの明太子を食べたくなるに違いありません。
余談ですが、上映後の舞台挨拶で、華丸さんとゴリけんさんから、撮影裏話を聞くことができたのも楽しかったです。山笠シーンは8テイクも撮ってふらふらだったとか、夏のシーンなのに3月に撮影したため吐く息が白く、それをCGで消したりとかしたそうです。中でも笑えたのは、エンドロール後のゴリけんさんと大吉さんとの掛け合いは、台本なしのアドリブだったそうで、グイグイ仕掛けてくる大吉さんに対してゴリけんさんはたじたじだったらしいです。
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