判決、ふたつの希望のレビュー・感想・評価
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わかりやすい。
中東、アラビア半島や、イスラム圏の映画を いくつか見たことがありますが、歴史的な背景や民族の問題、宗教的な考え方が根本的にわかってないので、スジを追うだけであんまりよくわからないことが多いです。 しかーし、この作品は、わかりやすい。日本でもありそうな、ちょっとしたゴタゴタトラブル。しかも、意外に身近な題材(ご近所トラブル)で始まり、美人の身重の妻、軌道に乗りはじめ活気溢れるレバノンでのあるある話から始まります。だんだん大きな大きな問題に なるんですけどね。 結局、パレスチナの移民とは?まわりの国の人々に、どういう影響があり、いさかいがあり、背景があるのか? ちょっと考えさせられますが、 ほんとにわかりやすく、尚且つ 面白かったです。パレスチナとは 移民とは、内戦によるキズとは? 彼らの人生に発生した大きな出来事とは? 考えると重いですよね。 平和な日本で、よかった。 バナナがたくさん取れる地域だったん ですね。それも、知りませんでした。
恐怖心が招く不寛容
キリスト教とイスラム教、市民と難民、それぞれの共同体、そして文化と風習の異なる人々がごっちゃになって生きているのが中東地域である。そこに何らかの潤滑油がなければ、小競り合いはしょっちゅう起きるだろうし、時には紛争に発展することもあるだろう。中東地域の共同体のパラダイムは、日本では考えられないほど強い影響力を持っている。ときには拘束力となって人々の精神を縛る。 日本ではイスラム教徒の観光客が増えており、ホテルや飲食店はハラム対応に力を入れている。それは異文化を受け入れるという寛容の精神からではなく、観光客がもたらす収益が目的である。いかにも資本主義的だ。当方もハラル対応のセミナーに出たことがあるが、規定が細かくて、兎に角大変そうだった。 難民が近くに来たからといって、自分たちの生活が直ちに難民の文化の影響を受けるわけではない。しかし祈りの声や食べ物の臭いを騒音や悪臭と受け止める人々もいる。不寛容な人々だ。まだ被害を受けていないのに被害を受けたような気になる被害妄想である。その被害妄想の根っこには未知なるものを恐れる根源的な恐怖心がある。 恐怖心は群れることで薄らぐから、人間は基本的に群れやすい。大きな魚が一尾だけで悠々と泳いでいるのに、小魚は群れて泳ぐのと同じだ。しかし人間同士には大きな魚と小魚ほどの違いはない。鮪と鰯のように、100キログラムと100グラムみたいな1000倍の違いはないのだ。70キログラムの男はいるが、70トンの男はいない。だから本来は人間は他の人間に対して鰯みたいに逃げ惑う必要はないのだ。 そう考えると、人々が互いに争い、憎悪するのは、根源的には恐怖心に由来する。未知への恐怖、異文化、異国人に対する恐怖。その裏返しが共同体への帰属意識である。同文化、同国人に対する同朋意識と言ってもいい。恐怖が不寛容を産み、憎悪を産む。それを上手に利用して自分の権益を拡大した政治家が戦争を起こした。軍歌が勇ましいのは恐怖の裏返しだからである。 本作品は不寛容による対立が、恐怖心に突き動かされて本質を理解しない人々によって増幅され、大きな社会問題、政治問題になっていく様を描く。キリスト教徒である主人公はマタイ福音書に「汝の敵を愛し、迫害する者のために祈れ」と書かれてあることを忘れている。住んでいる土地を自分たちの土地だと勘違いし、やってくる人を排除する。それに対して、その土地にやって来た者たちは自分たちの価値観で先住者を裁く。 所有の概念が略奪の恐怖を産んだ。所有がなければ略奪の恐怖もない。しかし人間は所有を主張する。私有地、公有地を主張し、国土や領海を主張する。そして略奪の恐怖が生まれ、先に略奪したほうが勝ちだという争いが始まる。帝国主義戦争である。人間は二千年前からずっと愚かで、不寛容な存在だ。根源的な恐怖心を何万年たっても克服できないだろう。争いは永遠に続くのだ。
対立、怒り、それから
怒れる男たちを見るのはちょっとしんどいところもあったが、良い映画だった。 弁護士同士の戦いも良かった。 この怒りと対立の落とし所に深く納得できた。 ささやかで大事な希望。 平和はまず自分の心にないと、世の中で実現しない。 音楽も良かった。
奇跡的ともいえるある種の『達成』を目の当たりに出来る
事件の背景を考えると、途轍もなく重苦しい現実を突きつけられた筈なのに、鑑賞後の印象は、ある種の『達成』とも言える「和解に至る道程」を見届けることが出来た安堵感に包まれた。 戦争、テロ、内戦、難民、その他にも平和な日本で暮らしている我々には想像もつかない『火薬庫』と呼ばれる地域の過酷な状況で育った人々の大半にとって、話せば分かる、理解し合うことが大事、という道徳的観念の教育を受ける機会は一部の知的エリート層を除いてかなり少ないと思います。 東アジアで平和なはずの一部の国ですら、隣国のことを理解し合うことよりも忌むべき旧敵国として教えているというのが部分的にせよ、本当のことならば、現在もあちこちで空爆に晒され、ロケット弾や銃弾の飛び交うこの地域での教育の現状が隣人愛に溢れたものだとは思えないのです。 そういった現状の中でこの映画が作られたことは、政治家や外部の有識者などがしたり顔で語る綺麗事や道徳的平和主義よりも遥かに現実的な力になり得る奇跡的なことではないでしょうか。
ちゃんと判決を出したところがよかった。
こういう法廷ものの映画は、どんな結末を迎えるかがとても大事だと思います。 今回のテーマはとてもデリケートな内容なので、喧嘩両成敗、示談という方向性できっと進んでいくのだろうなと思っていました。 しかし、結果は違っていました。 途中でトイレに行きたくなったのですが、見逃したくない場面ばかりで釘付けになりました。 次々にテンポよく展開していくので、ぐいぐい引き込まれます。 とても面白かったです。 車を修理してもらったところ、敢えて挑発して殴らせたところは、とても素晴らしく、この映画の答えなんじゃないかなと思いました。 つくづく感じることですが、私の目から見たら、外見では彼らの信仰や思想、民族さえも区別がつかないのに、どうして争いが起きてしまうのだろうと、とても悲しくなりました。 でも、ただ悲観して批判するのではなくて、こういうことがあるということを知っておくのは大事だなと思わせてくれる映画でした。
法律で人の心を裁けるか?
レバノンのパレスチナ民族差別問題を扱った作品。私たち日本人にとって遠い国なので然程馴染みの無いテーマですが、作品では、とても緊張感に溢れた裁判での弁論応酬の形で、同国の悲惨な歴史体験とその原因となる政治・民族問題を順々に解き明かしてくれていて理解が深まったように思います。実に些細な諍いが裁判に、そして国を二分しかねない抗争に発展してしまう様は、この問題の根深さと扱いの難しさを感じさせてしまいます。しかも虐げられた人たちが今度は虐げる側に回ってしまうこの悪循環。しかしそんな中にあっても、問題の解決を諦めずに頑張っている人たちがいることもこの作品は教えてくれたように思います。本作の邦題のようにこの作品の先に本当に「希望」が見える(見えた)のかどうか私には良く分かりませんが、少なくともこの作品は、私たちにとっても他人ごとではないであろうこの種の問題について考えるヒントをくれたような気がします。
面白い
すごく繊細でシリアスなお話でありながら、「水がかかった」事を発端に、とんでもなくデカい話になっていく様は、面白いし実に上手い。舞台の地に対しての知識の有無で好き嫌いが出そうな題材を、エンタメとしての楽しさでまとめている。面白かったです。
誰もが傷を負ったこの国の新たな一歩への祈り
理不尽な虐殺から生き延び強いトラウマを抱えたレバノン人と差別を受けながらも真摯に生きるパレスチナ難民の諍い。彼らの裁判が国中の関心を集めダイナミックに拡散していく… 泥仕合の如き裁判を通じ、誰もが傷を負ったこの国の救われない悲劇を突きつける。 そして信じられないような感動のクライマックス!この感動は想定外だった。新たな一歩を願い、手を合わせ祈りながら観た。涙が流れた。 今年の外国映画を代表する傑作。一人でも多くの方に観ていただきたい。
複雑な問題にも関わらず、スポーツのそれに似た清々しさ。
監督のストーリーテリングが抜群に上手いので、レバノン情勢に詳しくなくても安心して観れ、もっと知りたくなる、そんな作品。実生活でも避けて通れない争いに対処するためのヒントを教えてもくれた。 俳優2人の演技も素晴らしく、演技に引き込まれて怒りに震えたり、辛くなってしまうシーンが多々あった。 はじまりは些細な2人の諍いだったが、周囲の思惑に翻弄され、国をも揺るがす事態になっていく、悪夢のような展開。ラストはやや強引な感もあるのだけど、スポーツの名勝負が終わった後のような清々しさで、そこに至るまでのあれやこれやを考えると狐につままれたような感もある。笑 人類の歴史上長く繰り返される、宗教、人種、国、を跨いでの争い。 多数の愚者もいたし多数の賢人もいたが、長い歴史を経て、今なお争いは止まない。トランプ大統領の台頭っぷりを見ていても、今後ますます対立は深まってゆくのではないかという危機感の方が強い。 終止符は打てるんだろうか、平和的解決に向かうためにはいったいどうすればよいのだろうか、と考えてはみるものの、単なる一市民である自分に何ができるわけでもなく、深い知識もなくごく平凡な頭脳の自分に天才的な方法が閃く思いわけでもなく。 言葉が無理なら武器の戦争やめてスポーツで決着つけたらええやん、でもそれやったら金にモノを言わせるとこが結局権力持ってまうな、、などと考えはじめて思考停止に陥ることが私の常ではある。 主人公のトニーはいわゆる「愛国」主義者。物語の序盤では、私から見るとけして好感を持てる人間ではなく、むしろヤーセルの一本筋の通った好人物っぷりについ肩入れしてしまう。彼はパレスチナ人であり、現在も過去も虐げられてきたということも容易にわかるし、私だけではなく多くの観客がそうなりがちなのでは。 でも、それだけに終わらないのが本作の面白いところ。 傷つけあってきた歴史を、傷つけられた想いを、どう乗り越えるべきか。 辛さは伴うが、お互いの思いを言葉でぶつけ合い、相手の主張にも耳を傾けることがいかに大事か。輩っぽいから、論理が破綻しているから、などと決めつけて話を聞かない、聞いたふりをするのは大損だよなと心底思った。 とはいえそれが一番難しくて。興味を持てない、もしくは憎んでいる相手の主張に耳を傾けることはかなり難しい。 本作では、お互いが歩み寄るきっかけになるそのはじめの一歩を踏み出したのはトニーだった。けして大統領に背中を押されたわけではなく。笑 一見さり気ないのだけどとても大切なそのシーンは本当に胸熱で、思い出すだけでニヤニヤしてしまう。 本作の方が争いのスケールは大きく、スマートな闘いではあったのだけど、登場人物たちの位置関係やストーリー展開はスリー・ビルボードにも似た構造だなと感じた。どちらも名作。 民族同士の対立がますます深まる気配もある世界情勢だけれど、そんな中で、和解へのヒントを積極的に提示する名作が生まれていることもまたひとつの希望である。
映画ファンだけでなく全ての人に見てほしい
こんなに泣かされる映画だとは思わなかった。 全体的に隙が全くない。 物語のテンポが良く、二人の些細な衝突の裏にある中東、レバノンが抱える歴史、問題が興味をそそられる。 お互いの弁護士が父娘というのも新鮮であり裁判長含め女性の活躍を描いているのも良かった。 音楽も心に訴えかける感じでいいアクセントでした。 判決前の父娘の弁護士の演説、判決後の二人の表情はとても印象的でした。
2018年度ベストムービー!
正直、今年はこれ以上の映画に出会えるような気がしない!(笑) その憎しみの連鎖に震えおののいてしまった! 最後は、救われた気持ちになれた…良かった。
日本の未来?いや、既に日本の現状?
レバノンの首都ベイルートで起きた、パレスチナ人男性とレバノン人男性との間のトラブル。小さなトラブルだったが、互いに引くに引けない対決になってしまい、トラブルは裁判所へ。そして、その裁判は、国を揺るがす事態に発展する。 コンビニに行けば外国人が働いていて、居酒屋に行けば外国人が働いていて、ファストフードでも同じ・・・。日常生活で、日本人とは違う感性、違う文化を持つ人たちに接することが、以前よりも多くなってきていますが、それでも、この映画で描かれている様な、微妙な世界と言うのは、まだまだ日本人には縁遠い世界なのかもしれません。 それでも、日本人の人口減少が起きている今、移民政策もささやかれています。そうすれば、この映画で描かれている様な、異なる文化、異なる感性を持った人と、もっと普通に接する事になります、そしてそれは、日本人同士ではトラブルにならないことであったとしても、トラブルに発展してしまう可能性を示しています。 でもまぁ今の時代、日本人同士でも“あの人、何考えているんだろ?”と思う事も少なくないので、この映画で描かれている事は、実は自分の明日を描いているのかもしれませんね。 しかし、ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、弁護士を選ぶときは、慎重に選ばないと、自分の望む事とは違う方向に話が進んでいきかねないですね。気を付けないと。
日本もレバノンも同じ
「THE INSULT(侮辱)」で法廷で争点となる侮辱を示しています。 鑑賞後には、邦題「判決、ふたつの希望」の方が良い感じがします。 国も、時代背景も、宗教も、人種も、差別も理解しにくい難しい映画です。 レバノン共和国は、中東にあり、南はイスラエル、北から東にかけてシリアと 国境を接し、西は地中海に面しています。 首都は、ベイルートです。 公用語は、アラビア語です。 人口は、598万人です。 通貨は、レバノン・ポンドです。 宗教は、キリスト教が40%、イスラム教が55%です。 産業は、金融業、観光業、食品加工業等ですが、1975年から1990年まで 15年間の内戦、混乱を経て復興中です。 レバノン人は、キリスト教徒もイスラム教徒もいます。 パレスチナ難民は、イスラム教徒です。 1976年1月18日、レバノンのキリスト教徒の民兵組織は、カランティナ地区を制圧し、 1500人ものパレスチナ人とイスラーム教徒を殺害しました。 1976年1月20日、レバノン国民運動(LNM)と提携したパレスチナ人の民兵は、 カランティナ地区での殺害の報復としてダムールの村の500人ものキリスト教徒を 殺害しました。 シャロンは、イスラエルの軍人で、第1次中東戦争では特殊部隊に加わり、 反イスラエル組織に対する壊滅作戦を行うだけでなく、前線指揮官が現場 で独自に判断して、私的な報復も行いました。 シャロンは、その後の2~4次中東戦争でも独断専行で戦闘を行い、戦果を上げ、 国民的な人気を得るが、軍からは評価されず、軍を離れ、政治家になり、 1981~82年は国防相、2001~2006年までは首相になりました。 1982年8月23日に、バシール・ジェマイエルは、イスラエルの支援により、 イスラエルの傀儡政権を作るために、レバノン大統領に選出されました。 1982年9月14日、バシール・ジェマイエルは、爆破テロで、大統領に就任 することなく、死亡しました。 1982年9月16~18日、シャロン国防相が率いるイスラエル軍の助けを得た キリスト教徒の民兵組織「レバノン軍団」は、バシール・ジェマイエルの殺害の 報復として、3500人ものサブラーとシャティーラのパレスチナ人とシーア派の レバノン人を殺害しました。 レバノン人は、パレスチナ人に殺されかけたし、親族や知り合いが殺されている ということです。 パレスチナ人は、シャロン率いるイスラエル人に殺されかけたし、親族や知り合い が殺されているということです。 殺されかけたり、親族や知り合いが殺されたという気持ちは、決して忘れることは できないし、許すこともできませんし、謝罪などもってのほかです。 レバノン人は、復興のために、安い人的労働力として、パレスチナ難民を必要と しています。 パレスチナ難民は、イスラエルに戻ることができずに、レバノンで不法労働者 として生きていかなければなりません。 「判決」は言い渡されます。 歴史は変えられないし、忘れられない。 歴史を踏まえ、進む2人が「ふたつの希望」です。 日本にも不法労働者はいるし、ヘイトスピーチ、パワハラ、セクハラ、いじめ という差別もあります。 日本人も太平洋戦争中に、アジアで虐殺はしました。 アジアの人々は、日本人のした虐殺を忘れることは無いですし、 許すこともないです。 日本人として、アジアに行くことになれば、代表的な日本人 として、負の遺産を持っていることを認識していないと、 些細なことで大変なことになります。 日本国内なら言い訳や責任転嫁が通用しますが、日本国外では 言い訳や責任転嫁は通用しません。 支持を得るためだけに、言い訳や責任転嫁をして、人々を 扇動する政治家は日本国外では全く役には立ちません。 相手を理解し、誇りと自信を持って仕事することで、新たな 関係を構築し、憎しみの連鎖を断ち切ることはできます。 韓国やシンガポールや米国で仕事をしてきましたが、政治と 仕事は別だという関係を構築できたことに自負を持っています。 映画を理解したいという人にはパンフレットの購入をお勧めします。
あそこで
127本目。 聖人君子でもなければ神でもない。 俺も、ああ言う所持ってるな。 とは思うけど、どこが他人事で思いたい自分、面倒臭いと思う自分、色々思う訳で。 でも事の発端を思えば、謝ったもん勝ちって思うんだけどね、どっちでもいいから。 謝るよは、謝罪に入るのかとは思うけど、彼の精一杯何だろう。 けど公邸で車を直す所で何故素直にありがとうと言えないのかなと。 唯一、心開いて歩み寄れる所だったとは思うんだけど。 で、ここからが愚痴。 シャンテは面白そうな作品が上映されてて好き何だけど、席が嫌い。 字幕だと、間違いなく前の人の頭が邪魔。 観てる時も逆に自分が後ろに気を使うし。 古いと言ってしまえば、それまでだし、ミニシアターもそうだしね。 でも席を選ぶ際はデジタルの座席表にしてくれないかな。 紙だと教えてくれるけど、前後左右が把握しにくいし、細かく聞くのも気が引ける。
矛先
違法建築である住宅街のバルコニーの樋の改修に纏わる出来事から、 レバノン人とパレスチナ難民との問題に拡がっていく話。 工事業者の現場監督にいきなりで理不尽な言動をするレバノン人男性に違和感をおぼえながら物語が進行し、頑なであり多くを語らないながら信念を曲げないパレスチナ難民の現場監督に同情的にストーリーが展開していく。 紛争、政治、民族、宗教、国民性等々が絡む話なので、ある程度の知識としてパレスチナ問題はあるものの、意識や感情として呑み込むのは難しい。 やり場のない感情の高まりと本来の人柄との交錯する様子は何ともやり切れずなかなか良かった。
フィルターでないのに。
個人対個人なのに、 個人に国や宗教を投影してしまう。 そんな見方が無くなればいいのになんて、 そんな綺麗事言えないけれど、 劇中、 個人対個人になる、 静寂の一瞬が訪れる。 その瞬間こそ、この映画の、 最も崇高な瞬間ではないだろうか。 思考を促してくれる良い映画。 しかし、序盤中盤の盛り上がりに対し、 終盤の感情の推移が、 いくらか、乱暴な気がした。 終わりよければほにゃららに、 鑑賞後ならなかったのが、ちと残念。
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