「凄いです、ゴリ監督!」洗骨 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
凄いです、ゴリ監督!
沖縄の離島・粟国島に残る「洗骨」と言う死者を弔う奇習を軸に家族の繋がりを問い掛けるヒューマンドラマ。舞台の粟国島(あぐにじま)は那覇港から北東に60Km程離れた孤島。今回の作品で初めて知りました。そこでは、死者はまず風葬に付され、4年後に親族が再び集まってその遺骨を素手で丁寧に洗って整えるとても重要な儀式を執り行うと言います。本作では、亡母・恵美子の洗骨の儀式のために、本土で移って暮らしていた子供達が、父親が一人残る新城家の実家に久々に戻って来るところから始まります。謂わば法事のような弔い行事がテーマの作品ですので、暗い雰囲気の作品ではないかと少し心配していたのですが全くの杞憂でした。製作に吉本興業が関わっていることと関係があるのかどうか分かりませんが、何よりも漫才やコントを思わせる様なユーモア溢れる演出が、南国の明るい陽射しと相俟ってとても心地良かったです。厳格な手順に従って執り行われるこの儀式をこの島の人々が長い年月大切にしてきた理由が何となく理解出来たように感じた次第です。本当に心温まる作品でした。
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