「ツボだった」雪の華 やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
ツボだった
ハンカチ忘れて持って行かなかったら、涙止まらず大変でしたよ。
涙目のままパンフレット買いに行ったら、売り切れで更に涙目・・・。
橋本監督、『羊と鋼の森』の雰囲気が好きだったので、この作品も雰囲気が良いんじゃないかと、期待して鑑賞しに行ったんです。
そしたら、期待以上に映画そのものが好きな作品でした。
それから、主役の中条さんと登坂さん、絵になる二人だから雰囲気良いんだろうなとは思っていたんだけど、想像以上に良かった。
登坂さん、最後までぶっきらぼうな感じなんだけど、それがこの映画に合っている気がしました。
それで、偶に見せる笑顔がかわいく見えるんですよね。私、おっさんだけど。
そして中条さん、本当に良かった。
結構アップのシーンがあったんだけど、その時の目の表情が良いんですよ。目にいろんな感情が、ちゃんと乗っかってる様に感じました。
フィンランドでの「私、悠輔のガラス好き」の時の目とか、良かったな。
それで、映画自体なんですが、前半意外とクスッと笑えるシーンがあるんですよね。
なので、温かい気分になって、美雪の行動が微笑ましく思えてきます。
結果、美雪の事を見守るような感じで、応援したくなりました。
又、美雪の事を応援していると悠輔の人となりも見えてきます。
そうすると、この二人、意外と似た者同士に思えてくるんです。
価値観も合うんじゃないかな。二人が惹かれるのは自然に感じました。
本当の事を、声に出来ない不器用な二人の恋。迫ってくるお別れの時・・・。
もう涙が止まりません。
「今日は怒らないで」のシーン。
観ている私も、「うん、頑張ったね」って、声を掛けたくなっちゃいました。
さて、クライマックスに向かう場面、ちょっとやり過ぎかなと思ったんです。
でも、再会のシーンまでくると、ここまでやり過ぎてくれると、案外いいもんだなと。
そしてラスト、私は綺麗に終わったと感じました。
それで、中島美嘉さんの『雪の華』で美しく終わると思ったんです。
そしたら、エンドロール途中で、もう1シーン有ったんです。正直、蛇足かなと思いました。
でも・・・。
最後の台詞が凄く良かった。
微笑ましいんです。
それでいて、本当にそう思ったのだとしても、美雪の優しい嘘だとしても、どちらでも、それまで二人で過ごした時間の掛け替えのなさを表現してる気がして、涙腺崩壊しちゃいました。
この映画、私は好き・・・、いや、ツボでした。