サタデー・フィクションのレビュー・感想・評価
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ヤマザクラ
1941年、孤島期の上海で舞台女優達が諜報活動をする話。
表の顔は有名舞台女優のユー・ジンと彼女を取り巻く人々だけど、誰もかれもみんなスパイですか?
っていうかこの人達みんなスパイなの?
マジックミラー作戦がなんちゃらとは出てくるし、あらすじ紹介には記されているけれど、何を調べたいのか誰がキーマンだか、何だか良くわからない諜報活動とどうでも良い恋愛や機微をツカミのない冒頭からみさせられ中盤までのダルいこと。
急に始まってからは見どころもあったし、一応主人公の役目に意味が出てきたりもしたけれど、何だか今度はそんなアホなという単純さも。
自分にはメロドラマはやっぱり不要だった。
政治と愛のスパイ合戦
2019年。ロウ・イエ監督。真珠湾攻撃を目前にした時期の上海。日本だけでなく各国の租界や共同租界が入り組み、さらに親日政府と重慶国民政府との派閥争いも相まってスパイ合戦が繰り広げられている。そこへ、舞台役者である女性が舞い戻ることで、政治と愛の複雑な渦が動き始める、という話。
現実のスパイ合戦と舞台内容が重なって虚実がわからなくなっていく構成。この仕掛けがうまくいっているかどうかがすべて。催眠術らしき不思議な力を発揮する「女優」が中心になっているが、最後になるまでその真意は隠されている。つまり、中心ではあるが主観性を担っていない。中心の謎をめぐって周囲がざわざわと動く。周囲の人物たちはわかりやすい役柄を担っている。父親(的)、恋人、かつての恋人(夫)、協力者(男・女)、敵、敵の用心棒、裏切り者。父親(的)と裏切り者以外の全員が死んでしまうのだから、なんとも悲劇的な結末といえるだろう。
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