アナイアレイション 全滅領域のレビュー・感想・評価
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難解領域
『エクス・マキナ』で斬新なSFビジュアルとセンスを見せ、一躍注目を集めたアレックス・ガーランド監督が、再び独創的なSF世界を創造。
日本ではNetflixで配信。気になってた作品だったので、レンタルで見れたのは嬉しい。
極秘任務に赴き、行方不明になっていた軍人の夫が、一年後に突然帰還。
妻で生物学者のレナは喜びも束の間、帰ってきた夫は別人のようで、瀕死の状態に。
二人は軍に身柄を拘束され、ある研究施設に連れて行かれる。
そこでレナは、夫が関わっていた極秘任務を知らされる。それは…
ある沿岸部に突如発生し、封鎖された謎の領域、“シマー”。
夫は調査隊としてシマー内に入り、隊で帰ってきたのは夫だけだった。
そこで、夫に何が起きたのか…?
それを突き止め、夫を救う方法はシマー内にあるかもしれないという一心から、レナは女性だけで編成された新たな調査隊に志願。
そこで彼女が見たものとは…!
やはり目を引くのは、シマーのビジュアル。
不思議な外壁もさることながら、摩訶不思議なその内部。
自然とファンタジーが融合したような、色彩豊かな世界。
パッと見美しいが、所々不気味さを感じる。
それは世界観だけではなく、生態系にも。
シマー内の動植物。
一見自然の既存のもののようであるが、細胞や構造はまるで違う。
シマー内での独自の進化か、異種交配か、それとも地球外のものなのか…?
調査隊に襲い来る“ワニ”のような生物、“クマ”のような生物。
この“クマ”があるシーンで発する“言葉”がゾッとさせる。
人型の植物は幻想的だが、薄気味悪い。
恐ろしくも、美しい。
美しくも、恐ろしい。
アレックス・ガーランドのビジュアル・センスは本作でも圧倒的に発揮されている。
ナタリー・ポートマンも熱演している。
さて、話の方は…
『X-ファイル』的超常現象SFミステリーと言うより、限定空間/極限状態に置かれたSFスリラー・タッチの人間模様と言った感じ。
女性だけの調査隊。レナを始め皆、訳アリ。
異常な光景/出来事を目の当たりにし、平常心で居られなくなる。
目を覆いたくなるようはグロ描写も。残された映像で、腹を切り開いたら…!
レナは、夫が前調査隊だった事を隠す。仲間割れや疑心暗鬼。
一人ずつ犠牲を出しながらも、さらに内部に進み、衝撃の事実に辿り着く。
一応そういう醍醐味はあるが、話は全体的に難解と言うか、哲学的と言うか、よく分からないと言うか…。
クライマックス・シーンはある意味、予想や想像を超えた。
それはそれで誰も見た事の無い世界、見た者しか語る事の出来ない世界。
斬新で鮮烈ではあったが…、
オチや話全体、つまりはどういう事だったのかと問われたら、正直返答に困る。
“難解領域”であった。
不思議な余韻に浸れる
監督は『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド。さもありなんという感じの不思議な余韻にひたれるSF作品だ。
銃を携えて「全滅領域」を探索するチームの銃撃を含めた戦いの様子がズブの素人っぽいが、5人のうち軍人だったのは1人だけなので、これは素人っぽくて正解。あたふたドタバタしていることが、かえってパニックぶりと恐怖感を煽っていると思う。
最後の15分ほどのクライマックスは実に謎めいた展開になるが、全てが分かりやすく科学的かつ論理的に説明されるわけではない。本当の最後のカットも意味深ではあるものの、それが何を意味しているのかは観た人の受け取り方次第。思わせぶりな展開は確かにある種の余韻を残すが、人によっては「モヤモヤしたまま終わった」という感想しか抱かないかもしれない。
もう一声
I DON'T KNOW
ネット配信~DVDリリースで劇場未公開とのことだけど劇場試写イベントで鑑賞。
過去に調査に出掛けて帰ってきたのは瀕死の主人公の旦那だけという謎の領域「シマー」に主人公含む5人の女性学者達が調査に出掛ける話。
冒頭、調査から帰って来た後の描写から話が始まる為結末の一部がわかってしまうし、過去の旦那とのやりとりがチョコチョコ差し込まれてブツ切りだったりマッタリしたりとストーリーに没入し難い。
HELP MEとか分割するなら訳いらないしね。まあそれはどうでも良いか。
シマーでのハプニングとか変異とかエピソードそのものはなかなか面白かったし、ありがちながらオチも嫌いじゃないんだけどね。
時系列を弄くったり細切れに過去エピソードをを突っ込んだりせずテンポ良くみせた方が好みだし、内輪揉めみたいなのとかはいらないから、グロさや何者かとのスリリングさがもうちょいあればという感じかな。
あの映画を思い出した。
この映画を観ていて、ある映画を途中で思い出した。
アンドレイ・タルコフスキー監督の「ストーカー」だ。
描く技法は違えど、とても近しいと感じた。
テーマももちろん違う。
ただこの空気感がとても近しい。似ているのではなく近しい。
哲学的なのに、無機質であり、その答えは映画の中にはなく、
それぞれ観た者の中に内包されるが、
それは、決して言葉では表せない感覚である。
それがこの2つの傑作に共通している。
例えるなら「愛」
「愛」という感情は、感覚的であり、言葉できちんと定義するには、言葉の表現方法が足りていない。
感覚的には理解出来ても、言葉できちんと説明出来ず、また個々によってその解釈も感覚も異なる。
「愛」は「愛」としか言いようがないし、そうとしか他の者に伝える事が出来ない。
「愛」は一例にすぎず、このような感覚は実に多い。
神の領域もそうだが、異星の生命体のそれは人間の脳では理解出来ない。
人間は、目的を持ち考え行動する。
その概念は、あくまで人間のものにすぎず、神も異星の生命体も、それさえ無いというか、人間と違うのではないだろうか?
事実、我が家には猫がいるが、ある程度の意思疎通が出来るにしても、その想いや考え方は、人間の既成概念の外にある。
ああ、人間とは、なんてちっぽけな存在なのだろうか?
はたして我々人間は、知的生物と言えるのだろうか?
この映画も「ストーカー」も観終わった後で、人間の限界を思い知らされる感覚に捉われて、脳裡から離れない。
真綿で首を絞めていく感じ?
映像美はここ最近で一番印象に残った
不気味且つ美しいSF
レビュー
Netflix入った価値あった
劇場公開の映画と比較してもとても出来が良い
ハリウッドのよくあるテンプレから若干外れている
ハードSFでも最近じゃテンプレから外れない、
人間関係的に問題抱えた登場人物がなんかの陰謀に巻き込まれて終盤派手なアクション
というのが食傷気味だったので、そこから外れて作られているSFは
魅力的に感じる。
グロテスクだが印象的な映像表現が多数あり、
久々にインパクトのある作品を見た。
シンプルに語られる登場人物の考察が、正体不明の現象を
端的に表現して、効果的に視聴者に説明をしている。
領域内の数々の事象はSF的発想としても面白い
役者もよく、不気味な雰囲気を表現するBGMもいい味
すべてを明確にするのではなく疑問を残しつつ展開したさきに
ふさわしいオチ、SF映画としてのクオリティがとても高い
我々は細胞の集まりに過ぎない
ネトフリ製作映画は始めて見たけど、ナタポー主演だしクオリティはハリウッド映画と変わらず。
小説「全滅領域」を原作に、エクス・マキナのアレックス・ガーランドが映画化。
エクス・マキナもそうだったけど、当たり前だと思われてる人間の権利や生活、命に対してメスを入れてくれるようなSFは大好き。
本作は設定から美術から、未知のものに対する好奇心と恐怖をたっぷり刺激された。
個人的にはこういう現象は全然ファンタジーとは思ってないし、我々はただ宇宙に生かされてるだけで、なにかの拍子で他の同じく「ただ生きている」生命体と遭遇してしまうことは十分あと思うし、相手が必ずしも地球侵略とか人類滅亡とか分かりやすい目的を持っているわけでもないと思う。
そんな当たり前の可能性や考え方を改めて教えてくれ、謙虚にさせてくれる作品だった。
I don't know. 美しく不気味な作品
全編に渡って美しい映像なのですが何処か不気味さがある不思議な映像を「エクスマキナ」のアレックス・ガーランド監督が造り上げています。何というか、何処と無く人を不安にさせる映像を造るのホント上手いですね、この監督。「エクスマキナ」でもそうだったようにスゴい綺麗な映像なんですが、何となく落ち着かないというか・・・上手い所を狙ってきています。
主演のナタリー・ポートマン、いくつになっても整った顔立ちは美しいですね。オスカー・アイザックは「エクスマキナ」にも出てましたがアレックス監督のお気に入りなのでしょうか?あ!ナタリー・ポートマンとオスカー・アイザックで新旧スター・ウォーズ繋がりだ!そしてテッサ・トンプソン(観てて気が付かなかった!)とは新旧マイティ・ソー繋がりです。
本国アメリカ(と中国)では劇場公開されたみたいなのですが、日本では今のところNetflix配信のみとなってます。「内容が分かりにくい」って事で経営陣と監督が揉めたのが原因のようです。確かにアレックス・ガーランド監督作品は人を選びますし、何故だか日本の配給会社ウケが悪いんですよねー。しかしながら、所謂一般的な映画に飽きた方にはこの不可思議な世界がハマるかもしれませんね。
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