アナイアレイション 全滅領域のレビュー・感想・評価
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「わけのわからないもの」は怖い
タルコフスキーの映画「ストーカー」に似ている、と
夫が言っていましたが(映画・小説のレビューでもそうおっしゃる方
多いようです)私は未見なのでわかりません
一言で言うと・・・
「鬱々とした、変異し拡大していくエリア内の世界が全滅する話」
かな
タイトルの全滅領域って、ネタバレじゃないの?続編あるらしいし
・・・と思ったら、原作小説の邦題も「全滅領域」なんですね
これはWOWOW録画ではなく、ブルーレイディスクを購入して
視聴したので、メイキングやインタビューなど特典映像も
観られて興味深かったです
原作とは随分話を変えているようです
驚いたのは、映像を観ていてカメラをほとんど意識しなかったのに
実際はカメラやスタッフが役者の間近で張り付いて撮影していた事
それもあってか、緊張感溢れる演技は息苦しさを感じるほど
音響も、抑え目なのがいい
女性5人の命がけの調査隊というのも珍しい設定で
それが功を奏している
女性ならではの心理劇がリアル
皆、演技が上手く、自然で引き込まれる
映像は、イマジネーション豊かな圧倒される映像美
(主に背景)と
やけにちゃちなものとが混在しているけれど
臨場感抜群なので概ね満足
トラウマになりそうなえぐい描写もあるので
メンタル弱っている時は鑑賞を控えた方がいいかもしれません
話は、謎の部分が多いけど、三部作終わっても
謎が謎のまま終わりそう
映画の中のセリフ
「(分裂増殖と破壊と模倣と創造を繰り返すエイリアンたちには)
目的なんてないのかも」
あれは人間たちが思っているようなエイリアンではなく
地球を侵略しに来たわけでもなく
落下した隕石?に付着していた細胞レベルの個体が、
爆発的な勢いで分裂増殖し模倣し変異し続けているだけ、
という解釈がいいのかも・・・と思いつつ
明確な答えを期待すると、肩透かしを食らうかもしれない
スティーヴン・キングのホラー小説みたいに
謎が謎のまま終わる方が、もやもやするけど面白いと思う
「わけのわからないもの」が一番怖い
かなり精神的に「くる」映画です
スリラー映画としてはよく出来ていると思う
原作は、更に鬱々としていて救いようがないほど退廃的
らしいので読んでみようかと
翻訳良好で、面白いそうです
この映画観た後、読んで違いを楽しむのもありかと
美しき無音の世界
難解領域
『エクス・マキナ』で斬新なSFビジュアルとセンスを見せ、一躍注目を集めたアレックス・ガーランド監督が、再び独創的なSF世界を創造。
日本ではNetflixで配信。気になってた作品だったので、レンタルで見れたのは嬉しい。
極秘任務に赴き、行方不明になっていた軍人の夫が、一年後に突然帰還。
妻で生物学者のレナは喜びも束の間、帰ってきた夫は別人のようで、瀕死の状態に。
二人は軍に身柄を拘束され、ある研究施設に連れて行かれる。
そこでレナは、夫が関わっていた極秘任務を知らされる。それは…
ある沿岸部に突如発生し、封鎖された謎の領域、“シマー”。
夫は調査隊としてシマー内に入り、隊で帰ってきたのは夫だけだった。
そこで、夫に何が起きたのか…?
それを突き止め、夫を救う方法はシマー内にあるかもしれないという一心から、レナは女性だけで編成された新たな調査隊に志願。
そこで彼女が見たものとは…!
やはり目を引くのは、シマーのビジュアル。
不思議な外壁もさることながら、摩訶不思議なその内部。
自然とファンタジーが融合したような、色彩豊かな世界。
パッと見美しいが、所々不気味さを感じる。
それは世界観だけではなく、生態系にも。
シマー内の動植物。
一見自然の既存のもののようであるが、細胞や構造はまるで違う。
シマー内での独自の進化か、異種交配か、それとも地球外のものなのか…?
調査隊に襲い来る“ワニ”のような生物、“クマ”のような生物。
この“クマ”があるシーンで発する“言葉”がゾッとさせる。
人型の植物は幻想的だが、薄気味悪い。
恐ろしくも、美しい。
美しくも、恐ろしい。
アレックス・ガーランドのビジュアル・センスは本作でも圧倒的に発揮されている。
ナタリー・ポートマンも熱演している。
さて、話の方は…
『X-ファイル』的超常現象SFミステリーと言うより、限定空間/極限状態に置かれたSFスリラー・タッチの人間模様と言った感じ。
女性だけの調査隊。レナを始め皆、訳アリ。
異常な光景/出来事を目の当たりにし、平常心で居られなくなる。
目を覆いたくなるようはグロ描写も。残された映像で、腹を切り開いたら…!
レナは、夫が前調査隊だった事を隠す。仲間割れや疑心暗鬼。
一人ずつ犠牲を出しながらも、さらに内部に進み、衝撃の事実に辿り着く。
一応そういう醍醐味はあるが、話は全体的に難解と言うか、哲学的と言うか、よく分からないと言うか…。
クライマックス・シーンはある意味、予想や想像を超えた。
それはそれで誰も見た事の無い世界、見た者しか語る事の出来ない世界。
斬新で鮮烈ではあったが…、
オチや話全体、つまりはどういう事だったのかと問われたら、正直返答に困る。
“難解領域”であった。
不思議な余韻に浸れる
監督は『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド。さもありなんという感じの不思議な余韻にひたれるSF作品だ。
銃を携えて「全滅領域」を探索するチームの銃撃を含めた戦いの様子がズブの素人っぽいが、5人のうち軍人だったのは1人だけなので、これは素人っぽくて正解。あたふたドタバタしていることが、かえってパニックぶりと恐怖感を煽っていると思う。
最後の15分ほどのクライマックスは実に謎めいた展開になるが、全てが分かりやすく科学的かつ論理的に説明されるわけではない。本当の最後のカットも意味深ではあるものの、それが何を意味しているのかは観た人の受け取り方次第。思わせぶりな展開は確かにある種の余韻を残すが、人によっては「モヤモヤしたまま終わった」という感想しか抱かないかもしれない。
もう一声
I DON'T KNOW
ネット配信~DVDリリースで劇場未公開とのことだけど劇場試写イベントで鑑賞。
過去に調査に出掛けて帰ってきたのは瀕死の主人公の旦那だけという謎の領域「シマー」に主人公含む5人の女性学者達が調査に出掛ける話。
冒頭、調査から帰って来た後の描写から話が始まる為結末の一部がわかってしまうし、過去の旦那とのやりとりがチョコチョコ差し込まれてブツ切りだったりマッタリしたりとストーリーに没入し難い。
HELP MEとか分割するなら訳いらないしね。まあそれはどうでも良いか。
シマーでのハプニングとか変異とかエピソードそのものはなかなか面白かったし、ありがちながらオチも嫌いじゃないんだけどね。
時系列を弄くったり細切れに過去エピソードをを突っ込んだりせずテンポ良くみせた方が好みだし、内輪揉めみたいなのとかはいらないから、グロさや何者かとのスリリングさがもうちょいあればという感じかな。
あの映画を思い出した。
この映画を観ていて、ある映画を途中で思い出した。
アンドレイ・タルコフスキー監督の「ストーカー」だ。
描く技法は違えど、とても近しいと感じた。
テーマももちろん違う。
ただこの空気感がとても近しい。似ているのではなく近しい。
哲学的なのに、無機質であり、その答えは映画の中にはなく、
それぞれ観た者の中に内包されるが、
それは、決して言葉では表せない感覚である。
それがこの2つの傑作に共通している。
例えるなら「愛」
「愛」という感情は、感覚的であり、言葉できちんと定義するには、言葉の表現方法が足りていない。
感覚的には理解出来ても、言葉できちんと説明出来ず、また個々によってその解釈も感覚も異なる。
「愛」は「愛」としか言いようがないし、そうとしか他の者に伝える事が出来ない。
「愛」は一例にすぎず、このような感覚は実に多い。
神の領域もそうだが、異星の生命体のそれは人間の脳では理解出来ない。
人間は、目的を持ち考え行動する。
その概念は、あくまで人間のものにすぎず、神も異星の生命体も、それさえ無いというか、人間と違うのではないだろうか?
事実、我が家には猫がいるが、ある程度の意思疎通が出来るにしても、その想いや考え方は、人間の既成概念の外にある。
ああ、人間とは、なんてちっぽけな存在なのだろうか?
はたして我々人間は、知的生物と言えるのだろうか?
この映画も「ストーカー」も観終わった後で、人間の限界を思い知らされる感覚に捉われて、脳裡から離れない。
真綿で首を絞めていく感じ?
映像美はここ最近で一番印象に残った
不気味且つ美しいSF
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