「観る側の解釈と撮影所の歴史のリスペクト…か?」嵐電 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
観る側の解釈と撮影所の歴史のリスペクト…か?
京都出身なので、やはり生まれ故郷をテーマにしているのは気になる所もあって、鑑賞しました。
で感想はと言うと…悪くないけど、ちょっとほわっとしていながら粗い…かな。
京都の西側に位置し、四条大宮から嵐山まで通る京福電鉄嵐山本線、通称嵐電を舞台にそれぞれの年齢の3つの恋の物語を描いていて、そこにファンタジーが加わってます。
ふんわりとしている作風からか、一応主役は井浦新さん演じる平岡衛星の様ですが、嘉子と譜雨が主に話が進んでいきます。
が、3つの恋物語が進んで行く中でも主とする事が明確でなく最終的に何を描きたいのかが分かり難い。ファンタジーを意図的に絡ませてるのがなんとなくあざとく見える感じがします。
また、ラストのそれぞれの解釈が結構難解でその部分を観る側の解釈に任せると言うのはちょっとズルいかなとw
それをやられると作品の評価の大半を観る側の委ねると同時に責任の放棄にも感じるのであんまり好きではないんですよね。
それでも一言でダメと言ってしまうのはちょっと個人的な好みに偏ってしまうのと、極端過ぎる所があるので出来るだけ一方的な評価はしない様にしたいとは思うのですが、その部分を昇華出来たのは、上映後のトークショー。
全くトークショーを意識してなかったのですが、あるなら観ていくかぐらいの気持ちだったぐらいの偶然w
監督の鈴木卓爾さんとゲストの片桐はいりさん(出演はしていないそうですw)のトークショーでいろんな話を聞けてある程度は消化出来たりしたんですが、それでも演劇的な部分もあり、曖昧な部分も多々あります。
嵐電に纏わる不思議な逸話(都市伝説)の狐と狸の車掌や高校生の南天が修学旅行で京都に訪れた際の一目惚れやその後の家出なんかはふんわりし過ぎてるんですよね。
それでも他府県の方が感じる京都と言う街は何処かオリエンタルミステリーなイメージもあるらしく、そう言う風に描きたくなる何かがあるみたいです。
いろんな解釈を観ている際に張り巡らしていたけど、トークショーの時に監督の話を聞いて、なんとなく腑に落ちた様に感じたのは電車好きの高校生、子午線がスマホ時代の今に何故アナログな8ミリカメラで嵐電を撮影していたのかは、嵐電の歴史は撮影所の歴史でもあり、太秦撮影所と嵐電は切っても切り離せない関係からのリスペクトなのではないかなと。
そう考えると狐と狸が車掌の嵐電の都市伝説は映画が1つの段階を上がる時に空想をスクリーンで現実として写し出す事が出来る映画の醍醐味を表しているのではないかなと。
些かこじつけ的ではありますが、鈴木監督が観る側の解釈に任せると公言したのもそういった伏線の設定を絡ませているからなのかと思いました。
京都出身ではない鈴木卓爾監督が何故嵐電を舞台にしたのかも鈴木監督なりの映画へのリスペクトなのかな~と思ったら、ちょっと納得出来たかな。
それでもざっくりしているし、何処か曖昧な粗さもあります。
観る人を選ぶ作品でもありますし、お世辞にも大作ではないです。
電車をテーマにしている作品で今から8年前に公開された「阪急電車 片道15分の奇跡」ほど分かりやすくもないです。
それでも柔らかな作風と嵐電からの数少ない路面電車の風景は心地好い物があります。
観光地の京都の風景も少ない分、地元に密着した風景が多いのも好感が持てます。
京都の人間には何処か牽かれる物があったも、多分不満もあると思いますw
それでも何処か未完成の様な粗さを楽しめるのも監督の意図なのかと解釈w
明確な答えを求めるのではなく、たまにはこういったいろんな解釈が想定されている作品を鑑賞するのも良いかと思えば、これはこれで有りかなw
嵐電と嵐電沿線に思いを馳せる事が出来る人には興味の引く作品かと思いますので、敢えて監督の手のひらに乗っかってみるのも良いかと思いますw
観賞菩薩さん
お疲れ様です♪
コメントありがとうございます。
サントリーオールドのCMは良いんですよね♪
娘役の伊藤歩さんが実家の父親に唐突に訪ねるシーンで“お届け物で~す。娘さんからです♪”と言う台詞が良いんですよね。
嵐電の電車も映りますしw
コロナの影響で何処も不況の風がビュービュー吹いてますが、先日京都に帰省した時もなかなか厳しい感じでした。
外に出掛ける事を控えた方が良いかとは思いますが、それで経済は回らないし、なかなか大変ですが、少しでも良い映画を観て、気持ちだけでも前向きにしたいですね♪
いろいろと大変ではありますが、お互いに頑張りましょう♪
また、お暇がありましたら、覗きに来てくださいね。
マツマルさん💫お疲れ様です🙇
國村さんのサントリーオールドCM、YouTubeで早速見ました。…たった数十秒に親子愛が詰まっており、胸がつまりました…義理の息子になる加瀬亮もイイですね✨
ウイルスのせいで、一番の観光都市、京都は拝観税以来の不況らしく、店をやっている京都の友人には、来てくれと言われます。
…結局この様な、人の出が無い状況が最も良くないのではないか?と思います。収入が無くなり貧乏になれば、治せる病気も治せなくなるって…分かってない対応を、国がしている様に思えてなりません。…映画に関係ない話になりスミマセン。…また、お邪魔させて頂きます🙏
観賞菩薩さん
コメントありがとうございます。
郷土愛はあまり無いのですがw、それでも京都で生まれ過ごした時間が長かったので好き勝手に書いてしまいました。
観賞から時間が経ちましたが、余韻の残る不思議な映画ではありますね。
旅の途中で出会った思い出のエピソードの様な感覚です。
トークショーはラッキーでした。
面白かったのと、監督のお話に合点のいく点もあって聞けて良かったです。
今、東京に住んでいますが、京都は時折帰ったりしててもやはり思い出があり、また懐かしくも心地好い感じがしますね。
観賞菩薩さんのおっしゃられる憧れも分かります。離れてみて改めて感じます。
こちらこそ、覗きにも行かさせて頂きますので今後ともよろしくお願い致します♪
マツマルさん🙇お邪魔します🙏
京都出身のマツマルさんの評価は、ごもっともです🙇
私の居住地を舞台にした映画は「阪急電車/片道15分の奇跡」で(京都へは何時もこの線で烏丸や河原町へ行ってます)、そちらも好きなのですが、マツマルさんの様に郷土愛あるレビューはまだ書けていない状況です…
監督とはいりサンさんのトークショー見たかったです。
私にとってやはり京都は憧れの地なので、観る前にかなり加点されていたのは確かです。
私の偏った作品ばかりのレビュー、駄文、長文ですが、お読み頂ければ幸いです。
こちらこそ、お暇時に覗きに来て下さいませ🙏…温かいレビューありがとうございました🙇