「麦ちゃんをもっと出せ!」ここは退屈迎えに来て かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
麦ちゃんをもっと出せ!
クリックして本文を読む
まるで故郷のようなウラ日本の風景。
田圃のなかをバイパスが通って、スカスカの大型駐車場を湛えた大型店のネオン。東京と同じフランチャイズ店だがなにかが違う。
歩くひとは見あたらず、車のなかで会話が進む。
ロケ地をアピールしていた富山としては心外かもしれないが、田舎はどこも変わらないなあ。
田舎のゆっくりとしたペースを醸し出していたせいか、エピソードが多い割に話の展開が遅くて「退屈」してしまいそう。それでいて回想シーンが行ったり来たりでやや混乱。
門脇麦のファンなので劇場に赴いたのだがはっきり言ってチョイ役。免許を取りに行ってもう一絡みあると思ったが、なにもなし。ポスターの一角を担っているほどの出演はない。誇大広告だ。
そしてフラれてやさぐれる、またもや不幸な役。だれか麦ちゃんに幸せを。
最後はみんな歌い出してミュージカルになったらどうしよう、とハラハラしました。
たくさんのひとが地方から東京にやってくるのだけれど、その時に起こる自分や周囲の葛藤というのはこの映画に典型されるように、本当に変わり栄えしないものなんだとつくづく感じた。そして友情も恋愛も最後に地元で過ごした高校時代を引きずっている。この映画のほかにも、最近の邦画で恋愛ものというと高校時代の青春映画がごっそり。
こんなおもちゃ箱のような東京で、同世代がたくさんいる中でも、地方での高校時代を超えるドラマや恋愛を描けないでいるのだな、と悲しくなった。日本はなんと貧しい国なんだろう。
コメントする