「エルサを呼ぶ声が!!」アナと雪の女王2 田中さんの映画レビュー(感想・評価)
エルサを呼ぶ声が!!
この映画を国交省の方たちが観たらイラっとするはずです。
ストレートに、
「ダムなんか造るな」、「ダムなんかぶっ壊せ」という映画でした。
なかなか日本では見かけないファミリー映画です。
アメリカ映画は、土建業会に忖度しなくていいのでしょうか。
それとも、アメリカでは土建業会は力を失った過去の産業なのでしょうか。
土建業にしがみついている時点で日本は終わっていたのでしょうか。
ダムの外観は、
イタリアのバイオントダムによく似ています。モデルかもです。
バイオントダムは、
山崩れを起こし2000人ほどの死者を出したダムです。
ちなみに、地震で実際に山肌が崩れ落ちた熊本の立野ダムも
同じリスクを抱えていますが、国交省はやる気満々です。
日本では、最近の洪水の経験から、
ダムの持つ治水機能が再評価されましたが、
これはやや過大評価かもしれません。
たしか鬼怒川上流にはダムが4つありましたが、
鬼怒川の洪水は防げませんでした。
私には、ダムを全否定する根性はありませんが、
この映画で描かれる「自然への敬意」には共感します。
ホメオパシー等につながる危うさを含んだ「水の記憶説」が
この映画の重要なツールになっていますが、
でもファンタジーだからOKです。
(子供には解説が必要かもしれません)
で、
アナ達のお爺さんが悪役として登場します。
「お爺さんの過ち」を否定して乗り越えるストーリーになってます。
アナ達のお爺さんは、自然とともに生きる周辺の人々に、
ダムに象徴される持続性のないシステムを押し付け、
周辺の人々を武力で支配しようとしました。
これは、先住民を征服したアメリカの歴史そのものですが、
この映画は、
それをちゃんと「悪いこと」として描いていました。
日本に限らず、先進国のお爺さん達は、
たいがい過ちを犯しています。
だから、日本のネット右翼の皆さんも、
この映画に勇気をもらって、
我々のお爺さんたちの過ちを乗り越えてほしいものです。
ところで脳内で何度もジミーペイジのギターソロが発動するのは、
繰り返されるエルサを呼ぶ声が、
Stairway To Heavenのあのフレーズと一緒だからです。
追記 サーミ人については、なんも知らんかった。。。