劇場公開日 2019年2月1日

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「暫定だがミュージカル映画としては今世紀最高」メリー・ポピンズ リターンズ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5暫定だがミュージカル映画としては今世紀最高

2021年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

映画館では2019年2月11日イオンシネマ石巻にて吹き替え版を
同年同月25日MOVIX仙台にて字幕版を鑑賞
それ以来3度目の鑑賞

やはり洋画のミュージカルはオリジナル音声字幕版に限る
吹き替え版は鑑賞に耐えられない
ドタバタコメディーならともかく金曜ロードショーじゃあるまいし明らかに本人の声じゃないのは苦痛だしカネを払ってまで観たくない
ましてやミュージカルで重要な歌声が違うのは論外だし興醒めだ
字幕版も吹き替え版も同じ映画館同じ期間で上映してほしい
教育水準が高い日本で文盲が急増したわけではあるまい

原作未読

監督は『シカゴ』『SAYURI』のロブ・マーシャル

1964年アメリカで公開され日本では翌年に公開された『メリーポピンズ』の続編
前作から60年近く経ってまさかの続編
リメイクではなく続編に拘ったのは原作者に反対され続け企画が頓挫してきたウォルトディズニー社の執念に違いない

今回も乳母としてバンクス家に採用される

タイトルにリターンズがついている続編ものの映画は数多くあれどこの作品はそのなかでもトップクラス

今回のメリーポピンズを演じるのは『プラダを着た悪魔』でエミリーを演じたエミリー・ブラント
偶然か今回もメリル・ストリープと共演

メリーポピンズの時代から25年後の世界
1935年
大恐慌時代のロンドン
ジェーンもマイケルもすっかり大人になっている
マイケルは結婚し一女二男3人の子供を儲けるも昨年妻を病気で亡くしいる
画家だけでは食えず父が勤めていた銀行にパートで雇ってもらっている
生活苦で借金のカタになっている自宅をその銀行に取り上げられそうになる大ピンチ
姉のジェーンは独身で労働組合の活動家で実家近くのアパートに住んでいる

前作のバート的役割を今回は弟分ジャックが担当
演じたのはリン・マニュエル・ミランダ
ジャックの仕事はガス燈の管理

前作に比べると黒人率が高い
事情はわかっている
自分は人種差別主義者ではない

今回のポピンズは傘を持たず凧を持って舞い降りた

これから入浴するというのに三人の子供は下着を着たままだ
事情はわかっている
白人は服を着たまま体を洗う馬鹿ではない

今回もディズニー作品らしくアニメーションとコラボ
前作に比べアニメの方もかなりチカラが入っている

バスタブの中は海中
名シーン

華やかな器の中の世界にもおじゃまする
ポピンズとジャックが飛び入り参加するダンスショーはファンタスティック

ジャックと仲間たちによるガス燈でのパフォーマンスはアメイジング

修理屋の店内は逆逆警察のよう
店主役はメリル・ストリープ

頭取はアニメのオオカミの声も担当

自分の甥である頭取をクビにして元頭取は現場復帰するわけだが演じたのは前作でバートを演じたディック・ヴァン・ダイク

時間を戻す際に魔法を使うのかと思えばそうではなくガス燈ダンサーズの皆さんのチームプレイによるもの
でもやっぱり最後の美味しいところは主人公の出番

バンクス家の自宅の問題は無事解決

公園に集まりみんなで風船を使って空を飛ぶ大円団
最後は桜吹雪舞うなかバンクス家と別れ傘を持ち空を飛ぶメリーポピンズ
素晴らしい

野川新栄