「なんだかんだいっても、ラストが切ない」メリー・ポピンズ リターンズ 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
なんだかんだいっても、ラストが切ない
評価とか理屈じゃなくて、やっぱりこういう映画って必要なんだろうなぁ。あー、良かった‼️
鑑賞後、そう思って大満足している自分がいるはずだったのですが、作品の出来の良し悪しとかの感覚よりも、正体不明の違和感が残りました。
不明ながらも思いつくところをあげると…。
❶ミュージカル映画なのに、メロディとその時のシーンが同時に思い出せるようなインパクトのある楽曲がなくて少なからず衝撃を受けた。
❷前作の兄妹との再会にこだわったためか、妹も家庭を持たない活動家(母の影響も示唆しており、そこまで前作との繋がりを強調しなくてもいいのでは?)という設定で登場させていたが、却って亡き妻の喪失感が薄れてしまったように感じた。
(亡き妻への思いを語る哀切漂うFeed the birds tuppence a bag のような曲が欲しかったです)
❸メリー・ポピンズが子どもの家庭教師であるという設定とエミリー・ブラントのエレガントさとのギャップを活かしたコミカルさやネタが少ない。
なんだかすごく駄目な映画のように書いてしまいましたが、たぶん知らず知らず前作との比較(時間とともにより良い思い出として記憶を保管しておきたくなる人間性の傾向もある)をしてしまうからです。
そうは言ってもラストにやられました。
人のために『ひとつの大きな達成』を成し遂げたエミリー・ブラントの上目遣いの横顔に滲む、決して誰にも言うことのない(言ったら完璧な魔法使いでなくなる!)切なさと寂しさが、実は、とても大きな余韻として残っています。
琥珀さん、お久し振りです! 浮遊きびなごです。
前作は残念ながら未鑑賞なのですが、
ラストもしっかり前作を踏襲していたんですね。
喜びと切なさの入り混じったラストですが、メリー
は多分しんみりしたムードが苦手なんでしょうね。
自分がいなくなることで寂しい感じになるのも
なんだか気恥ずかしいし、皆が明るく楽しく
している所が見られたからそれで十分、
とでも思っていたのかもしれません。
琥珀さんが最近レビューされてる作品も半分ほど
鑑賞しておりまして、琥珀さんのレビューにも物陰
からこっそりと共感票入れさせていただいてます。
もうですね、自分もう書く必要無いんじゃないか
って思う位に詳細かつ共感できるレビューですね。
『女王陛下のお気に入り』のレビュー素晴らし。
飼うつもりが飼われる側になってしまうという皮肉。
では今回はこの辺りで!
次回レビューも楽しみにしております。こちらも
ポツポツとレビュー書いていきたいと思いますよ。
それでは!
bloodtrailさんへ
コメントありがとうございます‼️
応援してる人の笑顔は応援してる側の人間も幸せにしてくれるのですね。
ラストになって、同じくらいの切なさもこみ上げてきましたけれど。
違和感などとつまらないことを言ってしまいましたが、とてもいい時間を過ごせたことは間違いありません。
あ、それとエミリー・ブラントだから最後まで頑張れた、というのがとても大きかったです。作品内容は本作とは真逆の世界を描いたボーダーラインもそうでしたが、ラストの表情ひとつにその作品のすべてを包含させるという意味では、ケイト・ブランシェット並みの凄味だと私は思っています。