プーと大人になった僕のレビュー・感想・評価
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トリクルダウン失敗。さかさまにすればいいじゃん!
少年時代に“100エーカーの森”でプーや仲間たちと楽しい日々を送っていたクリストファー・ロビンもロンドンの寄宿学校に転校するため、彼らと別れる日がやってきた。プー、ピグレット、イーヨー、ティガーetc.
第二次世界大戦も経験し、戦後、旅行鞄の会社に勤めていたクリストファー(ユアン・マクレガー)。イヴリン(ヘイリー・アトウェル)と結婚し、娘マデリンもできた。しかし、戦争の影響で会社の経費を20パーセント削減しなければならないとの命を受けて、激務に追われ、家族ともすれ違いの日々が続いていた。そんな時、プーが森で迷い、ロンドンの街中に突如現れ、二人は驚きの再会を果たす。
大人目線で観ると、経費節減のためにリストラを命令させられた中間管理職の多忙と、同僚をクビにしなければならない辛さがうかがえる。戦争の影響は計り知れないものがあり、人々が娯楽に時間を費やすこともままならない時代。高価な旅行鞄なんてなかなか売れないのだ。仕事が好きなの?と聞かれると返答に困ってしまう一般的なお父さんになってしまっていたのだから、純真な子どものままのプーと再会して戸惑うこともうなずけるのです。
“Nothing comes from nothing”、“something not to do”が頻繁に使われてます。気楽で子供心を持ったままのプーたち。脳みそが小さいからだと自嘲気味に語ってること自体、ほろりと涙がこぼれ落ちてしまいました。同じ熊でもパディントンやテッドと違い、友達と遊ぶという本能だけで生きてるところが可愛くてしょうがない。
おおざっぱなストーリーは、大人が子ども(動物含む)から学んだということなのでしょう。嫌味な上司ジャイルズ(マーク・ゲイティス)が、自分が休日返上してプレゼン準備しているのに気楽にゴルフを楽しんでいたことがわかり、それが引き金となってしまいました。そんなブラック企業辞めちゃえ!と、今の時代なら思えるのでしょうけど、当時のイギリスも終身雇用が当たり前だったのかな。
作成した書類が全部吹き飛んでいったけど、最後に残ったのがピラミッド型の図が描かれた一枚。経済ピラミッドの図をさかさまに見るとハッと気づく。旅行鞄の購入層は金持ちだとハッキリ言っていたし、今の世でも通用する概念だ。これをトリクルダウンといった言葉を巧みに使って国民を騙し続けるアベちゃん政治と妙に重なる!ゴルフ好きという共通点も(笑)。
実は可愛いかった実写版のプー
人生迷子の中年オヤジになっちゃったクリストファー・ロビンが、100エーカーの森の仲間たちと再会して自分を取り戻していくっていうお話。
映画を観るまでは、スチル写真見て可愛いくねぇプーさんだなぁと思っていた(笑)けど、だんだん可愛く見えてきちゃうから不思議(^^)
前半は中年オヤジの悲哀に共感して涙し、後半は100エーカーの森の仲間たちのドタバタ劇(イーヨー優勝!)に笑い、ラストはプーさんとクリストファー・ロビンのツーショットにホッコリ(*´ω`*)
そんな中で衝撃的だったのは、クリストファー・ロビンが隣人のおっさんにケツを狙われていたこと(表向きはカードゲームのお誘いなのだけど、おそらくあれはそういうことだと思われ……)。
あの時プーさんがいなかったらマジやばかったよクリストファー・ロビン(;゜0゜)
忘れている何かを思い出させてくれた
大人になると色んな事に縛られ
自分の思う様に動けなくなる
なんにもしない
それをするが1番難しいのかも
でも自分の人生きちんと考えないと
何が大切で優先すべきかを
最後はディズニーらしい終わり方でした
ほっこり
仕事、仕事、仕事!で大事なものを忘れている大人に観てほしい映画でした。
最初はプーさんの色がくすんでる?なんか不気味?とか思ってしまったんですが…しぐさやセリフがめっちゃくちゃ可愛いくて気にならず!
イーヨーがツボにハマってしまい、笑ってしまいました。
川をどんぶらこっこしてたり、ラストの取れた尻尾のくだりとか。
とっても癒されました。
想像通りのストーリーだけど哲学的な要素もあって十分楽しめました。 ...
想像通りのストーリーだけど哲学的な要素もあって十分楽しめました。
プーや仲間たち、100エーカーの森の画も丁寧で綺麗で見ていて楽しい。
大人がほっと一息つけるような良い映画でした。
「大人」のふり
子供の頃はよかった…
誰もがそんな幻想を抱きたがるほど現実は暗い。
その暗がりを進むための松明をプーによって与えられる、いや、元から持っていたと「気づかされる」。
自分の心と向き合う勇気をくれる映画
そこまで
何もしない=やらなきゃいけないことをしない
もっと心にゆとりを持って生きることの大切さを提起
今の時代文脈に乗ってるから流行った感じ
正直プー出なくてもできるストーリー
映画館で見なくてもいい程度。
なにもしないって大事
21時帰宅で遅いとか言われてて最初はえっ?って思ったけど時代背景が現代ではなかったな、と。生きるために仕事は大事なんだけど、それ以上に大切なものもあるよねって。プーの友達じゃない?って台詞にはちょっと泣きそうになった。なにかをして生み出すのも大事だけどなにもしないのも大事。
100エーカーの夢
ディズニーは知らないけれど、原作はなんだか好きだった。位な感じで観賞。
原題は「クリストファーロビン」。終わってみれば、こちらがしっくり来るのだが、日本公開としては「プー」が入っていた方が良いでしょうね。興行的には(笑)
それにしても美しい。何が?と問われると困るけれども、「これは美しいものだね」って言いたくなるキャラクター達と風景。そして風船。なんでもないときにふと立ち寄って、何か美しいものが心に残る。そんな作品でした。
カバンの話は実際にあった話だったような…。なんだっけ?
心が軽くなる
不思議な感覚の映画でした。
ファンタジーなんだけど自伝的で、あり得ないのに身近に感じます。
きっとセリフと演出と俳優さんの演技が抜群の融合を見せたから生まれた秀作なんだと思います。
プーさん自体をぜんぜん知らない私でもオープニングからうまい具合に理解させてくれるのが有り難かったです。
たまには地に足をつけて立ち止まってみなさい。
顔を上げて周りをよく見てみなさい。
そんな風に言われたような気がします
あのぬいぐるみ達に(笑)
笑いどころもふんだんに盛り込まれていて、すっと引き込まれる作品でした。
オススメです
仕事終わりに良かったです
くまのプーさんは子供の頃何度かアニメを見たことがある程度でしたが…
クリストファー・ロビンが戦争を経て社会人になって仕事人間になっているとは。原作の時代背景を考えればそうですね。
プーの言葉にこんなにも哲学的な響きがあるとは思いませんでした。
笑えて心に響く良い映画でした。
次の時代への啓蒙
ディズニーの作品らしく、ハートのこもった大人からこどもまで楽しめることが表のテーマとなっている。
そして、効率や責任といった言葉が主役である現代から、自由を生きる未来への一般大衆の心の準備をさせることが裏にあるテーマだ。
イギリスで始まった産業革命により、労働集約的な仕事は機械に置き換わっていった。その結果、知識労働に従事する人々が増えた。
知識労働というと人間しかできないような気がするが、決められた手順で操作を行うような仕事は今後人工知能によって置き換えられていく。
さらに、情報をインプットし、アイディアを紡ぎだすようなクリエイティブな仕事でさえ、目的が決まっている限り人工知能が行う仕事になっていくだろう。
人間に残された残りの領域は、、 目的のない「遊び」である。
産業革命のとき、機織りをしていた労働者たちは機械に仕事を奪われると不安になっただろうが、その結果できた余暇の時間によって新たな産業の仕事に従事した。
現代においても同じことが言えて、人工知能に仕事を奪われて失業することを不安に思っている人がいるだろうが失業ではなく卒業だ。人間があえてする必要がない仕事の領域となるだけだ。
これからはただ、遊んでいればいい。この映画はその時代への心の準備をする啓蒙作品だ。
物を売り、買う時代から知識を売り、買う時代に、さらに少し兆候が見られてきたが、体験を売り、買う時代が到来する。人間は遊んでいればいいんだ。
目的のない自由をテーマとしていながら、超合目的的に効率的に組織運営して作品を作っていることが自己矛盾していて面白いポイントでもある。
未来のこどもたちは、脳に直接つながるヘッドマウントディスプレイを付けて現代の一般大衆の生活を体験学習して、大奴隷時代だったんだと笑うだろう。
人工知能に仕事を奪われるとか恐れてたらしいよ、どんだけ働きたいんだよドMかよウケるとか言っているかもしれない。
ディズニーはプーみたいに広く大衆に認知されている概念を使って啓蒙活動できるのがうらやましいところである。
森へいつでも帰っておいで
たとえば昔の友人が今も元気でやってると聞くと、しんどい気分の時もふっと気が楽になるものだが、
昔好きだった物語のキャラクターについてもこの感覚って似ていて、好きなキャラには
「昔の姿のまま楽しくやっててほしい」と願ってしまうものじゃないかと思う。
だってイヤじゃない、ドラえもんとかしんちゃんとかが死んじゃったり欝々した人生送ったりだなんて。
なので自分は昔からこの手の「あの名作の続きの物語」というのには
若干の抵抗があって、今回もちょっと鑑賞を躊躇していた。
『くまのプーさん』のアニメや原作自体をそこまで熱心に観てはいないが、子どもの頃から彼らは
ぬいぐるみやタオルケットやらで幼い自分の身の回りにいてくれた訳で、あの可愛らしい
動物たちが、年老いてくたくたに疲れてしまっている姿なんて見たいとは思わないのだ。
だけど……本作は良かった。
そりゃクリストファー・ロビンはくたくたになってたけれど、動物たちは昔の通り、
のんきで元気で可愛らしく、なにより観ているこっちまで明るく元気にしてくれた。
...
まず評価したい点は、時代設定は世界大戦後だが、
設定は疲弊した現代人にも共通する視……視点で……
……はあああそんなんどうでもいいわ、
ああもうストレートにプーさんかわいい、
いやもうめっさかわいいもうなんなん
これほんとどうなってんのこれかわいい。
こちらのガードを容赦なく下げてくる反則級の愛らしさ!
プーさんのあの小さなもふもふの体と優しい瞳、そしてイノセントな言葉は、
日々に疲れてすっかり汚れっちまった自分の心の、純粋で柔らかい所に
これでもか!と刺さってくるんである。心に刺さってくるどころか、
心にボディブローの嵐を容赦なく叩き込んでくるんである(グリズリー・ザ・プー)。
ああああ、やめてくれえ、そんなきれいな目で薄汚れた自分を見ないでくれえ。
おなじみのティガーやピグレットなどももちろん登場! ぬいぐるみのような見た目の彼らが
ちょこちょこ動いたりほんわかした言動をするのを観ているだけで、心がほっこりしてきます。
...
一方、仕事に追われてすっかり無邪気さを失ってしまったロビン。
家族を幸せにするにはお金がいる。お金のためには仕事がいる。
だから頑張って仕事をするけど、暮らし向きが特別良くなる
わけでも無いし、奥さんや娘とは心が離れ始めてしまっている。
せっかくプーと再会しても、あれはできないこれはできないと言ってばかり。
ついには大事な友達の一番良い所を、酷い言葉で貶して傷付けてしまう。
中盤、プーが投げ掛けるあの悲しい台詞には、窒息しそうなくらいに胸が苦しくなってしまった。
それでもやっぱり、ロビンの心の奥には昔の彼がいる。
心や容姿はくたくたなのに、プーは「君の眼は昔と変わらない」と言ってくれた。
ロビンも、プーや森のみんなが大切な友達だったことを、心の奥では覚えていた。
友達のために子どものように泥んこまみれで飛んだり跳ねたり、“何もしない”で
プーと肩を寄せ合って空を眺める姿に、笑いながらも涙、涙。
娘のアマンダが活躍する終盤の展開もステキ。
物語ってのはこうやって、長く永く続いていくんだよね。
プー達を通して伝えられる父の想いや、父と少しでも一緒に過ごしたい彼女のいじらしさにウルっと来る。
インディ・ジョーンズばりとまではいかないが、物語のスケールに合った冒険で盛り上げてもくれる。
最後の展開はちょっとでき過ぎだけれど……
時間もお金も余裕がなくてピリピリしてるばかりより、
“何もしない”時間を作ったり、好きなことをして、もやもやする胸から
ほぅっと息を吐きだすだけで、世の中ずいぶん広く明るく見えてくるものかも。
気付けなかった大事なことに気付けるかも。
...
まだ物心もつかない頃からずっと傍にいてくれた友達。
いつも仲良く遊んだはずのそんな大切な友達を、どうして人は忘れてしまうんだろう。
昔、世の中が楽しくて可笑しくて驚きに満ちていたのは、そんな友達がいたからなのに。
だけど彼らは忘れずに待っていてくれる。そして、もしもあなたが
人の親なら……あなたの子どもたちのことも、きっと歓迎してくれる。
いつ会いたくなったって大丈夫だ。100エーカーの森への入り口は、
いつだってあなたの傍で扉を開けて、あなたの帰りを心待ちにしてくれている。
<2018.10.08鑑賞>
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余談:
僕は普段は字幕派なのだが、時間の都合で今回は吹替版を鑑賞。だけどプーさんたちの声が
お馴染みの声だったので、かえって聞き易かったかなあ。ほっとする声でした。
ただ、堺雅人はやっぱり堺雅人に聞こえちゃうね。
彼が声優に挑戦してたことは知らなかったが序盤で気付いた。好きな声だけどちょい違和感。
あとラストで上司に「土下座、してください」とか言い出さないかとドキドキした(言うかい)。
「3回、泣きました」
90本目。
「コーヒーが冷めないうちに」は4回泣きましたが、
こちらは3回泣きました。
良かったです。
映画の前に、本屋で本を読んでいたら、すぐやる、すぐやったら御褒美を上げるといい、とあったので、その後、家に帰る途中で、急遽引き返して、この作品を見ました。
結果、3回も泣いて、家に帰って御褒美のつもりが、この作品自体が御褒美になりました。
映画って、いいですね。
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