「遠くのイケメンより近くの若ハゲ」オズランド 笑顔の魔法おしえます。 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
遠くのイケメンより近くの若ハゲ
『オズの魔法使』へのオマージュを感じた序盤の展開。主人公波平が幼い頃にお遊戯会にてオズの魔法使いのドロシー役を演じたところや、スーパー社員の小塚(西島秀俊)が「魔法使い」と呼ばれていたこと、そして従業員の隠語で「虹の彼方へ」が便所を指していることなど、期待させるには十分すぎるくらいだったのだが・・・そこまで。
これから社会人になるような年代の人にとってはいい作品だと思うけど、サービス業の裏側を知ってしまった人にとっては下手するとブラック企業の代表格。新人歓迎のために爆弾騒ぎを起こされるのだったら、さっさと辞表を提出するのがよろしい。早稲田卒と東大卒なんだから再就職なんていくらでも出来るぞ!
俳優たちの演技は申し分ないくらいなのですが、西島秀俊だけは笑顔の奥に引きつった顔が浮かび上がるようで、こんな役はやりたくない気持ちが見え隠れする。オヅカマニアなら、彼の家庭環境や波乱万丈の人生だったのにかかわらず天才的な実績を残したことをたたえるのが筋だ。笑顔を九州中に広めたい彼の望みはそのまま熊本地震による被災地復興にも繋がるのだから。
波瑠が徐々に笑顔を取り戻して明るい表情に変化する様子はとても良かっただけに、作品の中身がスカスカだったことが残念。それにしても役名が波平久瑠美という、波瑠の名前が使われてるのは気になっていたが、原作者が波瑠をイメージして書いたものらしい。
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