「"やりがい"は与えられるものではなく、自ら勝ち取っていくもの。」オズランド 笑顔の魔法おしえます。 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"やりがい"は与えられるものではなく、自ら勝ち取っていくもの。
当初は、単なる"遊園地のスタッフ映画"に、西島秀俊と波留の主演が違和感があり、小粒な作品イメージだったが、原作が「海猿」の小森陽一の小説と知ると、俄然、興味がわいてくる。実際も意外と面白い。
新社会人の波平久瑠美(なみひら くるみ)は、カレシと同じ、超一流ホテルチェーンに就職したものの、配属先は系列の地方遊園地。東京本社勤務のカレシとは遠距離、憧れの企画部のはずが、遊園地では雑用と日常業務ばかり。
しかしそこには数々の企画を成功させ、"魔法使い"の異名をとる天才社員・小塚慶彦がいた・・・。西島秀俊が上司である小塚を、波留が新人社員の久瑠美を演じる。
"夢の場所のウラガワは過酷"といった話ではなく、"仕事のやりがい"について考えさせられる。
本作で出てくるエピソードは、発想の転換によるアイデアで、仕事の成果も価値観も大きく変わることを、面白おかしく描く。無駄に見えることが無駄でなかったり、モチベーションをあげるのは意外な手法だったり。
"やりがい"は与えられるものではなく、置かれた状況の見方を変えたり、あるいは自ら勝ち取っていくもの。
学生は有名企業に夢を抱くが、その一流企業が買収されてしまったり、人員整理したりするのは、何度も見てきた。
明確にやりたいことがあるなら、自分で起業するのが手っ取り早い。資本やノウハウがないから就職するのに、"やりたいことをやらせてくれない・・・"なんて、何とも初々しいアルアル話なのだが、本作は就活している学生や入社1年未満の新社会人には勉強になるかもしれない。
失敗の中から、新たな局面を見い出していく久瑠美の成長物語を、ハッピーに見ることができる。
(2018/10/27/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ)