「“最悪”では無く、“最高”に優しいやつ」ヴェノム ジェブさんの映画レビュー(感想・評価)
“最悪”では無く、“最高”に優しいやつ
個人的には、他マーベル作品でいうドクターストレンジくらいの面白さでした。
要するに、決して面白くない訳ではないが、期待よりも下、というくらい。
ドクターストレンジはインフィニティウォーを鑑賞後に見たため、ストレンジへの期待値が高かった。
ヴェノムでも同様に、スパイダーマン3と原作コミックからの期待が大きかった。
まず、この映画の良い点は、トム・ハーディ演じるエディ・ブロックとヴェノムのコンビネーションだ。
エディが「マスク!」と言って、ヴェノムが応じて変身する場面は非常に面白い。
ヴェノムを纏った姿は非常にリアルで、個人的にとても好きだ。
悪い点は、やはり“最悪”という要素が皆無であるのに対し、広告が最悪最悪と非常にうるさいことだろう。
正直に言って、ヴェノムはかなり“良い奴”なのである。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーで登場する、ロケット・ラクーンよりも良い奴である。
どの辺が最悪なのか全く分からなかった。
敵を食い殺したから最悪なのか?
デッドプールは、ヴェノムより遥かに多くの人間を殺している。
対してヴェノムは、エディ殺すなと言われたら決して殺さない。
下手なキャッチコピーのせいで、実際よりもつまらなく思えてしまっているようで悲しい。
CMで何故UVERworldを流しているのかも分からない。
正直全く合っていない。
エンディングで流れた“Venom”ではダメなのか?
この映画で最も言えるのは、宣伝が悲しいくらい下手くそなのである。
映画自体は決して悪くない。
むしろ私は面白い映画だと思う。
スパイダーマンは登場しないが、ヴェノム自体にも主役を張れる十分な魅力がある。
ヴェノムの声に迫力があってとてもかっこいいので、是非IMAX字幕版を見ることをおすすめする。