「【何度も裏切られる気持ちよさ】」アンロック 陰謀のコード 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)
【何度も裏切られる気持ちよさ】
・2017年公開のイギリス・アメリカのアクションスリラー映画。
・かつてCIAの凄腕尋問官だったアリスは、パリで起こったテロ事件が発生する前に容疑者を落とす(アンロック)ことができなかったことにショックを受けて引退していた。現在はケースワーカーとしてロンドンで静かに過ごしていたある日、バイオテロ計画の容疑者を尋問するためにCIAに呼び戻される。嫌々ながらもCIAに協力して容疑者への尋問を行っていると、その最中にCIAの元同僚から「バイオテロ計画の容疑者を調べてほしい」と連絡が来る。今やってるけど…と?状態に。実は尋問そのものが罠であることを悟るアリス。そこからCIA内部の裏切り者の存在を気付き始め、陰謀のバイオテロ阻止に向けて奔走する という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・何度も裏切られる気持ちよさ
・読めない展開
・良く練られた物語
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[物語]
・久しぶりに、どんどん引き込まれていく映画に出会いました。というのも、全然読めない展開なんですよね。「こうだろう」と推測しても、裏切られる。丁寧に観客の視点をずらしてくれることで、展開の裏切りが生きてきて面白く観られます。観客の思考の流れをしっかりと想定された上で構成された、とてもよく練られた物語だと思いました。
・鑑賞する前に見た物語の概要から「尋問に関わる物語が展開される」と思っていましたが、否。尋問官だった過去のトラウマがあるだけで、そこが主ではないという意外な裏切りも。笑 陰謀を暴いていく中でのアクションシーンやピンチのハラハラ、犯人の特定を愉しむ映画ですね。
[演出]
・悪者の正体を暴く時の演出がかっこよかったです。例えば、グラサン越しに銃を向けられている様を魅せてみたり、エスカレーターの前でのやり取りを客観的な引きの画で「・・・」を表現していたり。台詞での説明でなく、映像で少し遠回しに「怪しさ」や「ピンチ」を表現しているところが個人的には好きでした。
[映像]
・際立って感じたことはありません。
[音楽]
・際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・主役のアリスを演じられている「ノオミ・ラパス」さんは、映画「ドラゴンタトゥーの女」にも出演されていたようですね。まったく記憶にありませんでしたが、今回の映画をみて、とても引き込まれる演技が素敵でしたので改めて「ドラゴンタトゥーの女」も観てみようと思いました。超絶美人というわけでもなく、超絶強者でもなく、優しさをもったどこか庶民ぽさがあるところが好きでした。でも、やることはやる、みたいな。仕事の出来る課長や部長みたいなイメージですかね。笑
・エミリー(トニ・コレットさん)とボブ(ジョン・マルコヴィッチさん)のやり取りが、おちゃらけすぎていて、嫌ではないものの、少し浮いていましたが、これは吹替だから??笑
[全体]
・久しぶりに、しっかりとハラハラさせてくれる面白い映画を見つけた気分です。物語に裏切られたり、犯人捜しが好きな方を中心に、割と万人にお勧めの映画です。ただ、そこが尖って素敵な分、一部、違和感を感じるところ(例えば、終盤のバイオテロ発生防ぐシーンやラストの犯人の扱い、エミリーとボブのコミカルなやりとり、などなど)はあります。が、そんなの関係ねぇ、です。尖った部分が素敵なので、見過ごせます。「悪者はいったい誰だ⁈」とハラハラしながら映画を観たい方は是非。ありがとうございました。
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